技術士の過去問
令和3年度(2021年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問24

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問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

DNAの構造的な変化によって生じる突然変異を遺伝子突然変異という。遺伝子突然変異では、1つの塩基の変化でも形質発現に影響を及ぼすことが多く、置換、挿入、欠失などの種類がある。遺伝子突然変異に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • 1塩基の置換により遺伝子の途中のコドンが終止コドンに変わると、タンパク質の合成がそこで終了するため、正常なタンパク質の合成ができなくなる。この遺伝子突然変異を中立突然変異という。
  • 遺伝子に1塩基の挿入が起こると、その後のコドンの読み枠がずれるフレームシフトが起こるので、アミノ酸配列が大きく変わる可能性が高い。
  • 鎌状赤血球貧血症は、1塩基の欠失により赤血球中のヘモグロビンの1つのアミノ酸がグルタミン酸からバリンに置換されたために生じた遺伝子突然変異である。
  • 高等動植物において突然変異による形質が潜性(劣性)であった場合、突然変異による形質が発現するためには、2本の相同染色体上の特定遺伝子の片方に変異が起こればよい。
  • 遺伝子突然変異はX線や紫外線、あるいは化学物質などの外界からの影響では起こりにくい。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

例年DNAに関する問題は出題されていますが、今回は特に難問だったと思います。

冷静に考えれば2が正しいことはわかるのですが、ほかの選択肢も微妙に一単語違うだけ等ややこしかったりします。

1:誤り

記載されているような現象は「ナンセンス変異」です

2:正しい

記載されているような現象は「フレームシフト」であっています。

塩基の挿入が起こるとアミノ酸配列は大きく変わる、はまあその通りですがフレームシフトであっているかどうかが不安になる問題です。

3:誤り

鎌状赤血球貧血症は記載のとおりで「ほぼ」正しいのですが欠失ではなくて置換になります。

4:誤り

片方ではなく両方が正しい表現となります。

5:誤り

これは当然ですが、X線や紫外線、あるいは化学物質などの影響で起こしやすい、となります。

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02

DNAの突然変異に関する問題です。

選択肢1. 1塩基の置換により遺伝子の途中のコドンが終止コドンに変わると、タンパク質の合成がそこで終了するため、正常なタンパク質の合成ができなくなる。この遺伝子突然変異を中立突然変異という。

中立突然変異とは、良くも悪くもない、時間と共に起こりうる突然変異です。

選択肢2. 遺伝子に1塩基の挿入が起こると、その後のコドンの読み枠がずれるフレームシフトが起こるので、アミノ酸配列が大きく変わる可能性が高い。

選択肢の通りです。

選択肢3. 鎌状赤血球貧血症は、1塩基の欠失により赤血球中のヘモグロビンの1つのアミノ酸がグルタミン酸からバリンに置換されたために生じた遺伝子突然変異である。

1塩基が欠失したのではなく、置換されています。

選択肢4. 高等動植物において突然変異による形質が潜性(劣性)であった場合、突然変異による形質が発現するためには、2本の相同染色体上の特定遺伝子の片方に変異が起こればよい。

両方変異が起きる必要があります。

選択肢5. 遺伝子突然変異はX線や紫外線、あるいは化学物質などの外界からの影響では起こりにくい。

外界からの影響を多分に受けます。

まとめ

DNAに関する問題でした。

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