技術士の過去問
令和5年度(2023年)
基礎科目「解析に関するもの」 問3

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問題

技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 基礎科目「解析に関するもの」 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

数値解析に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 複数の式が数学的に等価である場合は、どの式を用いて計算しても結果は等しくなる。
  • 絶対値が近い2数の加減算では有効桁数が失われる桁落ち誤差を生じることがある。
  • 絶対値の極端に離れる2数の加減算では情報が失われる情報落ちが生じることがある。
  • 連立方程式の解は、係数行列の逆行列を必ずしも計算しなくても求めることができる。
  • 有限要素法において要素分割を細かくすると一般的に近似誤差は小さくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

数値解析における誤差に関する理解度を問う問題です。

選択肢それぞれについて、下記に記載(内容が適切かどうかについて)します。

選択肢1. 複数の式が数学的に等価である場合は、どの式を用いて計算しても結果は等しくなる。

誤差が同じでない場合は、結果が等しくなるとはいえません

(不適切であり、本選択肢が正解です)。

選択肢2. 絶対値が近い2数の加減算では有効桁数が失われる桁落ち誤差を生じることがある。

誤差を生じることがあり、適切な記載といえます。

選択肢3. 絶対値の極端に離れる2数の加減算では情報が失われる情報落ちが生じることがある。

情報落ちが生じることがあり、適切な記載といえます。

選択肢4. 連立方程式の解は、係数行列の逆行列を必ずしも計算しなくても求めることができる。

一般的に、逆行列(の回答)は連立方程式の解から求めることができます

(適切)。

選択肢5. 有限要素法において要素分割を細かくすると一般的に近似誤差は小さくなる。

有限要素法では近似誤差は小さくなります(適切)。

まとめ

誤差についての理解があれば、問題文をよく読み回答できるかと思います。

参考になった数20

02

数値解析に関する出題です。数値解析苦手意識がある人もここで問われているのはかなり基本的事項なのでめげずに取り組みましょう。

選択肢1. 複数の式が数学的に等価である場合は、どの式を用いて計算しても結果は等しくなる。

複数の式が数学的に等価である場合は、どの式を用いて計算しても結果は等しくなる。

誤った記述ですのでこの選択肢が正解です。。ほかの選択肢にあるように桁落ち誤差情報落ち誤差などが生じる可能性があるため計算順序が違うだけで結果が異なることがあります。

選択肢2. 絶対値が近い2数の加減算では有効桁数が失われる桁落ち誤差を生じることがある。

絶対値が近い2数の加減算では有効桁数が失われる桁落ち誤差を生じることがある。

正しい記述です。計算機の中では,2進浮動小数点数で実数を表現します。絶対値が近い数で加減算すると有効桁が極端に少なくなり、浮動小数点の表示において有効桁が少なくなる場合があります。

選択肢3. 絶対値の極端に離れる2数の加減算では情報が失われる情報落ちが生じることがある。

絶対値の極端に離れる2数の加減算では情報が失われる情報落ちが生じることがある。

正しい記述です。計算機の中では,2進浮動小数点数で実数を表現します。絶対値が離れた数で加減算した場合片方の数値情報が失われることがあります。

選択肢4. 連立方程式の解は、係数行列の逆行列を必ずしも計算しなくても求めることができる。

連立方程式の解は、係数行列の逆行列を必ずしも計算しなくても求めることができる。

正しい記述です。加減法、代入法、 掃き出し法などの方法があります。

選択肢5. 有限要素法において要素分割を細かくすると一般的に近似誤差は小さくなる。

有限要素法において要素分割を細かくすると一般的に近似誤差は小さくなる。

正しい記述です。有限要素法は要素内を線形近似しますので要素が細かければ細かいほど誤差は小さくなります。

 

まとめ

数値計算に関する基礎知識の出題でした。普段の業務で使う人は少ないかもしれませんがこれくらいの内容は頻出になりますのでしっかり学習しておきましょう。

参考になった数9

03

数値解析に関する問題です。

選択肢1. 複数の式が数学的に等価である場合は、どの式を用いて計算しても結果は等しくなる。

不適切です。

数学的に等価であっても、結果が等しくなるとは限りません。

まとめ

数値解析に関する問題でした。

参考になった数1