技術士 過去問
令和5年度(2023年)
問22 (基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問4)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 問22(基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

金属材料の腐食に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  • アルミニウムは表面に酸化物皮膜を形成することで不動態化する。
  • 耐食性のよいステンレス鋼は、鉄に銅を5%以上含有させた合金鋼と定義される。
  • 腐食の速度は、材料の使用環境温度には依存しない。
  • 腐食は、局所的に生じることはなく、全体で均一に生じる。
  • 腐食とは、力学的作用によって表面が逐次減量する現象である。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

金属材料の腐食に関する出題です。オーソドックスな形式です。

選択肢1. アルミニウムは表面に酸化物皮膜を形成することで不動態化する。

アルミニウムは表面に酸化物皮膜を形成することで不動態化する。

正しい記述です。アルミニウムは表面に酸化被膜を形成することで錆が進行しません。

選択肢2. 耐食性のよいステンレス鋼は、鉄に銅を5%以上含有させた合金鋼と定義される。

耐食性のよいステンレス鋼は、鉄に銅を5%以上含有させた合金鋼と定義される。

誤った記述です。鉄を主成分とし、クロムを10.5%以上、炭素を1.2%以下含む合金鋼をステンレスと定義しています。

選択肢3. 腐食の速度は、材料の使用環境温度には依存しない。

腐食の速度は、材料の使用環境温度には依存しない。

誤った記述です。腐食は化学反応ですので、温度が高いほど分子の移動が盛んになって化学反応速度は速くなり、腐食速度も上昇します。

選択肢4. 腐食は、局所的に生じることはなく、全体で均一に生じる。

腐食は、局所的に生じることはなく、全体で均一に生じる。

誤った記述です。腐食は均一に進行する場合もありますが、局所腐食といって局所的に生じることもあります。

塩水と接触したりしなかったりする部分や異種金属の接合部などが腐食しやすく局所的腐食の原因になります。

選択肢5. 腐食とは、力学的作用によって表面が逐次減量する現象である。

腐食とは、力学的作用によって表面が逐次減量する現象である。

誤った記述です。腐食は化学的作用によって表面が逐次減量する現象です。

力学的作用によって減量する現象は摩耗などがあります。

まとめ

金属の腐食に関する出題です。工学系の人の受検が多いため材料の知識は多く問われています。

参考になった数21

02

こちらも金属材料に関する問題です。

選択肢1. アルミニウムは表面に酸化物皮膜を形成することで不動態化する。

本選択肢が正解です。

まとめ

金属材料の問題がかなりの頻度出題されており、一度整理して身につけることをお薦めします。

参考になった数2

03

不動態化、均一腐食、局部腐食、酸化皮膜など腐食に関連する用語を整理しましょう。

 

また、温度や湿度、酸性度が腐食速度にどう影響するかを考えることも有効です。

選択肢1. アルミニウムは表面に酸化物皮膜を形成することで不動態化する。

適切です。

アルミニウムは、空気中の酸素と反応して表面に非常に薄い酸化アルミニウム皮膜(Al₂O₃)を形成します。この皮膜は化学的に安定で、内部を腐食から保護します。これを「不動態化」と呼びます。

選択肢2. 耐食性のよいステンレス鋼は、鉄に銅を5%以上含有させた合金鋼と定義される。

適切です。

ステンレス鋼は主に鉄にクロムを11%以上含有させた合金鋼であり、表面に形成されるクロム酸化物皮膜により耐食性を持ちます。記述にある「銅5%以上」という内容は誤りです。

選択肢3. 腐食の速度は、材料の使用環境温度には依存しない。

適切です。

一般的に、腐食反応は化学反応の一種であり、温度が高くなるほど反応速度が速くなります。したがって、腐食の速度は環境温度に大きく依存します。

選択肢4. 腐食は、局所的に生じることはなく、全体で均一に生じる。

適切です。

腐食には、全体的に均一に進行する場合(例:一般腐食)と、特定の場所に集中して進行する場合(例:局部腐食、孔食)があり、局所的に生じることもあります。

選択肢5. 腐食とは、力学的作用によって表面が逐次減量する現象である。

適切です。

腐食は、化学反応または電気化学反応によって金属が環境中で劣化する現象を指します。力学的作用(摩耗や削れなど)による現象とは異なります。

参考になった数0