技術士 過去問
令和5年度(2023年)
問27 (基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問3)

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問題

技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 問27(基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

日本のエネルギーに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 日本の太陽光発電導入量、太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は、いずれも2009年度以降2020年度まで毎年拡大している。
  • 2020年度の日本の原油輸入の中東依存度は90%を上回り、諸外国と比べて高い水準にあり、特に輸入量が多い上位2か国はサウジアラビアとアラブ首長国連邦である。
  • 2020年度の日本に対するLNGの輸入供給源は、中東以外の地域が80%以上を占めており、特に2012年度から豪州が最大のLNG輸入先となっている。
  • 2020年末時点での日本の風力発電の導入量は4百万kWを上回り、再エネの中でも相対的にコストの低い風力発電の導入を推進するため、電力会社の系統受入容量の拡大などの対策が行われている。
  • 環境適合性に優れ、安定的な発電が可能なベースロード電源である地熱発電は、日本が世界第3位の資源量を有する電源として注目を集めている。

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この過去問の解説 (3件)

01

日本のエネルギーの関する出題です。不適切なものを選ぶ方式です。

選択肢1. 日本の太陽光発電導入量、太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は、いずれも2009年度以降2020年度まで毎年拡大している。

日本の太陽光発電導入量、太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は、いずれも2009年度以降2020年度まで毎年拡大している。

 

誤った記述です。太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は余剰電力買取制度が開始により2009年度から増加基調に転じています。また、2012年に開始したFIT制度の効果により、非住宅分野での太陽光発電の導入が急拡大し、2014年度に太陽電池の国内出荷量は過去最高を記録しました。しかしその後太陽光発電の買取価格が引き下げられていること等により、2015年度以降の出荷量は減少傾向となっています。

選択肢2. 2020年度の日本の原油輸入の中東依存度は90%を上回り、諸外国と比べて高い水準にあり、特に輸入量が多い上位2か国はサウジアラビアとアラブ首長国連邦である。

2020年度の日本の原油輸入の中東依存度は90%を上回り、諸外国と比べて高い水準にあり、特に輸入量が多い上位2か国はサウジアラビアとアラブ首長国連邦である。

正しい記述です。中東に大きく依存し、サウジアラビアとアラブ首長国連邦が輸入量上位一位と二位です。

選択肢3. 2020年度の日本に対するLNGの輸入供給源は、中東以外の地域が80%以上を占めており、特に2012年度から豪州が最大のLNG輸入先となっている。

2020年度の日本に対するLNGの輸入供給源は、中東以外の地域が80%以上を占めており、特に2012年度から豪州が最大のLNG輸入先となっている。

正しい記述です。LNGは原油と異なり中東以外の地域が大半を占め、オーストラリア、マレーシア、ロシアが上位を占めています。カタールは中東の国ですが上位3位です。

選択肢4. 2020年末時点での日本の風力発電の導入量は4百万kWを上回り、再エネの中でも相対的にコストの低い風力発電の導入を推進するため、電力会社の系統受入容量の拡大などの対策が行われている。

2020年末時点での日本の風力発電の導入量は4百万kWを上回り、再エネの中でも相対的にコストの低い風力発電の導入を推進するため、電力会社の系統受入容量の拡大などの対策が行われている。

正しい記述です。 BMWi, 2014によれば再生エネルギーミックス平均よりもコストの低い陸上風力発電の導入を推進するとともに、系統受入容量の拡大などを進めています。

 

選択肢5. 環境適合性に優れ、安定的な発電が可能なベースロード電源である地熱発電は、日本が世界第3位の資源量を有する電源として注目を集めている。

環境適合性に優れ、安定的な発電が可能なベースロード電源である地熱発電は、日本が世界第3位の資源量を有する電源として注目を集めている。

正しい記述です。 地熱発電は地中にある熱を利用するので、排気ガスを出すこともなく天候に左右されることなく24時間安定して供給できるベースロード電源です。日本はアメリカ、インドネシアについで世界第3位の地熱資源をもっています、

まとめ

太陽光発電、風力発電の最近の動向について知っておきましょう。

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02

日本のエネルギーに関する情報は今後も整理しておく必要があります。

選択肢1. 日本の太陽光発電導入量、太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は、いずれも2009年度以降2020年度まで毎年拡大している。

国内生産品の割合は減少しており、不適切となります(本選択肢が正解です)。

まとめ

新聞をよく読んで整理しておけば役立つ問題かと思います。

参考になった数14

03

日本のエネルギー事情を考える際には、「輸入依存度」「再生可能エネルギーの導入状況」「電力会社の受け入れ対策」などをポイントに整理すると理解しやすいです。

選択肢1. 日本の太陽光発電導入量、太陽電池の国内出荷量に占める国内生産品の割合は、いずれも2009年度以降2020年度まで毎年拡大している。

不適切です。

日本では太陽光発電の導入が進んでいますが、国内生産の太陽電池の割合は近年低下傾向にあります

これは、中国などの海外製品の市場シェアが拡大したためです。

「毎年拡大している」という部分が誤りです。

選択肢2. 2020年度の日本の原油輸入の中東依存度は90%を上回り、諸外国と比べて高い水準にあり、特に輸入量が多い上位2か国はサウジアラビアとアラブ首長国連邦である。

適切です。

中東依存度は90%を超えています

実際、サウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)は、日本の主要な原油供給国です。

選択肢3. 2020年度の日本に対するLNGの輸入供給源は、中東以外の地域が80%以上を占めており、特に2012年度から豪州が最大のLNG輸入先となっている。

適切です。

LNG(液化天然ガス)の主要供給源は中東ではなく、オーストラリアやアジア諸国が中心です

豪州が最大の輸入先となったのは事実です

また、80%以上を占めるという部分も概ね正しいです。

選択肢4. 2020年末時点での日本の風力発電の導入量は4百万kWを上回り、再エネの中でも相対的にコストの低い風力発電の導入を推進するため、電力会社の系統受入容量の拡大などの対策が行われている。

適切です。

風力発電の導入量は確かに増加しており、2020年時点で4百万kW(400万kW)を超えています

風力発電の導入を促進するために系統受入の拡大が議論されています。

選択肢5. 環境適合性に優れ、安定的な発電が可能なベースロード電源である地熱発電は、日本が世界第3位の資源量を有する電源として注目を集めている。

適切です。

日本は地熱資源量で世界第3位です。

地熱発電は安定供給が可能であり、ベースロード電源として活用できます。

まとめ

「毎年増加」や「拡大し続けている」といった断定的な表現が含まれる場合、実際のデータと比較して考えると間違いに気付きやすいです。

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