技術士 過去問
令和6年度(2024年)
問3 (基礎科目「設計・計画に関するもの」 問3)

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問題

技術士試験 令和6年度(2024年) 問3(基礎科目「設計・計画に関するもの」 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述の(   )に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

断面が円形の等分布荷重を受ける片持ばりにおいて、最大曲げ応力は断面の円の直径の( ア )に( イ )し、最大たわみは断面の円の直径の( ウ )に( エ )する。
  • ア:3乗  イ:反比例  ウ:4乗  エ:反比例
  • ア:4乗  イ:比例  ウ:4乗  エ:反比例
  • ア:4乗  イ:反比例  ウ:3乗  エ:反比例
  • ア:4乗  イ:比例  ウ:3乗  エ:比例
  • ア:3乗  イ:反比例  ウ:4乗  エ:比例

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この過去問の解説 (2件)

01

等分布荷重を受ける片持ちばりに関する問題です。

【最大曲げ応力】

はりの最大曲げ応力σmaxは以下の式で表されます。

 σmax=Mmax・y/I (式1)

 ここで、

 Mmaxは最大曲げモーメント

 yは断面の中立軸からの最遠点までの距離(ここでは円の半径d/2)

 Iは断面二次モーメント

 

また、円形断面の断面二次モーメントは以下の式で表されます。

 I=πd4/64 (式2)

 ここで、

 dは円の直径

 

(式1)および(式2)から、最大曲げ応力度は、

 σmax=64Mmax/πd3

となり、最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗に反比例します。

 

【最大たわみ】

片持ちばりの最大たわみσmaxは以下の式で表されます。

 δmax=wL4/8EI (式3)

 ここで、

 wは等分布荷重

 Lははりの長さ

 Eは弾性係数

 Iは断面二次モーメント

 

(式3)および(式2)から、最大たわみは、

 δmax=64wL4/8Eπd4=8wL4/Eπd4

となり、最大たわみは断面の円の直径の4乗に反比例します。

選択肢1. ア:3乗  イ:反比例  ウ:4乗  エ:反比例

最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗反比例し、最大たわみは断面の円の直径の4乗反比例するため、正解です。

選択肢2. ア:4乗  イ:比例  ウ:4乗  エ:反比例

最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗反比例し、最大たわみは断面の円の直径の4乗反比例します。したがって本選択肢は誤りです。

選択肢3. ア:4乗  イ:反比例  ウ:3乗  エ:反比例

最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗反比例し、最大たわみは断面の円の直径の4乗反比例します。したがって本選択肢は誤りです。

選択肢4. ア:4乗  イ:比例  ウ:3乗  エ:比例

最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗反比例し、最大たわみは断面の円の直径の4乗反比例します。したがって本選択肢は誤りです。

選択肢5. ア:3乗  イ:反比例  ウ:4乗  エ:比例

最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗反比例し、最大たわみは断面の円の直径の4乗反比例します。したがって本選択肢は誤りです。

まとめ

最大曲げ応力度の式、片持ちばりの最大たわみの式は覚えましょう。

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02

構造力学に関する問題です.

等分布荷重を受ける想定の片持ばりについて,最大曲げモーメントをMMaxと置く.

片持ばりの断面二次モーメントについて,直径をdとするとき,I=πd4/64と表される.

 

中立軸から最上下面への距離は本問題の場合,断面の円の半径に相当するため,

最大曲げ応力σmax=Max/I×d/2

                     =Max/(πd4/64)×d/2

          =32Mmax/πd3

上式より,最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗に反比例することが分かります.

 

最大たわみYmax=wl4/8EIと表される.

ここでwは等分布荷重,Lははりの長さ,Eは縦弾性係数,Iは断面二次モーメント.

I=πd4/64を代入し,Ymax=wl4/(πEd4/8)

                               =8wL4/πEd4

上式より,最大たわみは円の直径の4乗に反比例することが分かります.

選択肢1. ア:3乗  イ:反比例  ウ:4乗  エ:反比例

解説に従い,最大曲げ応力は断面の円の直径の3乗に反比例し,最大たわみは円の直径の4乗に反比例することから,正解です

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