宅地建物取引士の過去問
令和2年度12月実施分(2020年)
法令制限 問15

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問題

宅建試験 令和2年度12月実施分(2020年) 法令制限 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。
  • 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。
  • 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。
  • 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

都市計画法についての問題です。

選択肢1. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。

誤り

都市施設とは都市を作るうえで必要不可欠な施設のことで、園・下水道・病院・学校・下水処理場・都市計画道路などのことです

市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域で必ず作らなくてはいけないのは道路、公園及び下水道です。

選択肢は、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされているので病院が公園の誤りです。

選択肢2. 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。

都市計画法とは都市の健全な発展等を目的とした法律です。

都市計画は土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業に関する計画で、都市計画区域で実施されます。

市街化を抑制しなくてはいけない地域を市街化調整区域といい、ここでは原則として自由に建物を建てることができません。

市街地開発事業とは新たに開発・再開発することを目的とした事業で、市街化調整区域内では行うことができません。

選択肢3. 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。

誤り

都市計画区域の指定をするのは都道府県です。

都道府県が都市計画区域の指定をするときには

①関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴く

②国土交通大臣に協議し、その同意を得る

というステップがあります。

選択肢4. 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

誤り

準都市計画区域では、高度地区を定めることができます。

高度地区とは建築物の高さを制限する地区のことで、都市計画法で定められた地域地区(都市計画で定める地域および地区)の一種です。

なぜ高さを制限するかというと、採光や風通りを確保するためです。

高度地区には以下の2つがあります。

①高さの最低限度を定めた最低限度高度地区(最低高さ制限)

②最高限度を定めた最高限度高度地区(最高高さ制限)

高度地区は準都市計画区域に定めることができます。

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02

正解は「市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。」です。

選択肢1. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。

市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路公園及び下水道を定める」(都市計画法13条1項十一号後段)とあるので、公園ではなく病院としている点で誤りです。

また、同条には他に住居系の用途地域には、義務教育施設(小・中学校)を定めると書かれている点も押さえておくといいでしょう。

選択肢2. 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。

市街地開発事業は、市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において・・・定めること」(都市計画法13条1項12号)とあるため、市街化調整区域や準都市計画区域ではできません。

よって、この選択肢は誤りです。

この条文を知らなくとも、市街化調整区域や準都市計画区域は、原則として開発を抑制される区域であることを知っていれば、不自然な記述であるとわかると思います。

選択肢3. 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。

都市計画区域は、都道府県が、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通大臣に協議し、その同意を得て指定する」と定められています(都市計画法5条3項)。

複数の都道府県をまたぐような大規模な場合を除き、都市計画区域の指定は、都道府県が行うもの(都市計画法5条1項)ですので、市町村が行うとしている点で誤りです。

選択肢4. 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

準都市計画区域では、用途地域も高度地区も定めることができますから、誤りです(都市計画法8条2項)。

高度地区は、「用途地域内において市街地の環境を維持し、又は土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度又は最低限度を定める地区」(都市計画法9条18項)、つまり、用途地域と組み合わせて用いることで、似たような種類と大きさの建物が並ぶようにし、街並みを整えるための規制です。

準都市計画区域は、観光地など、都市には当たらないけれども開発に規制を設けるべき場所を想定した区域ですから、このような街並みを整えるための規制は認める必要があります。

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03

【正解:市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。

選択肢1. 市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、少なくとも道路、病院及び下水道を定めるものとされている。

×

市街化区域及び区域区分が定められていない都市計画区域については、

少なくとも道路、公園及び下水道を定めるものとされています。

よって設問は誤りです。

選択肢2. 市街化調整区域内においては、都市計画に、市街地開発事業を定めることができないこととされている。

市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域です。

市街地開発事業はその名の通り、市街地を開発していく事業です。

市街化区域及び非線引き区域内にのみ定めることができます。

よって設問は正しいです。

選択肢3. 都市計画区域は、市町村が、市町村都市計画審議会の意見を聴くとともに、都道府県知事に協議し、その同意を得て指定する。

×

都市計画区域の指定→都道府県

指定の際にはあらかじめ関係市町村及び都道府県審議会の意見を聴くとともに

国土交通大臣に協議しその同意を得なければなりません。

選択肢4. 準都市計画区域については、都市計画に、高度地区を定めることができないこととされている。

×

高度地区→建物のの高さを制限する地区です。

準都市計画区域に定めることも可能です。

ここでの注意点は、

【高度利用地区】

土地を高度利用(都市化)していこう!という地区ですね。

高度利用地区は準都市計画区域に定めることはできません。

ひっかからないように注意して覚えましょう。

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