調理師の過去問
平成26年度
食品学 問29

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問題

調理師試験 平成26年度 食品学 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

食品の色素成分に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • カロテノイドは、植物性食品に含まれる緑色の色素である。
  • クロロフィルは、動植物に広く分布する赤色系色素である。
  • アントシアニンは、ぶどう、いちご、なすに含まれる色素である。
  • エビやカニをゆでた時の赤色は、ヘム色素によるものである。

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この過去問の解説 (4件)

01

食品の色素成分に関する問題です。

選択肢1. カロテノイドは、植物性食品に含まれる緑色の色素である。

カロテノイド

・色 :黄、赤、橙

・かぼちゃ、にんじん、トマト、かに、えびの殻などに含まれます。

・植物性と動物性があります。

選択肢2. クロロフィルは、動植物に広く分布する赤色系色素である。

クロロフィル(葉緑素)

・色:緑

・緑黄色野菜

選択肢3. アントシアニンは、ぶどう、いちご、なすに含まれる色素である。

アントシアニン

・色:赤、青、紫

・なす、紫蘇、ぶどう、イチゴなど

選択肢4. エビやカニをゆでた時の赤色は、ヘム色素によるものである。

ヘム

・色:赤

・肉類に含まれます。

まとめ

また、試験に出やすい色素として

フラボノイド

・色:白、薄黄色

・みかん、レモン、蕎麦、豆類、単色野菜など。

も覚えておいてください。

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02

正解は(3)です。

天然色素は、その色素成分の特徴で9種類に分かれます。

① カロチノイド系—動植物由来の色素で、にんじんやトマトなど、また、カニやエビの色素である(アスタキサンチン)もこれに含まれます。
② キノン―動物由来の色素で、カイガラムシというサボテンに付く昆虫(コチニール色素)などです。
③ アントシアニン系—植物由来の色素で、なすやシソなどの紫色の成分(アントシアニン)です。
④ フラボノイド系—植物由来の色素でベニバナなどです。
⑤ ポルフィリン系—動植物由来の色素で、ヘム色素や葉緑素(クロロフィル)などです。
⑥ ジケトン系—植物由来の色素でウコンなどです。
⑦ ベタシアニン系—植物由来の色素でビートやサボテンなどです。
⑧ アザフィロン系—微生物由来の色素で紅麹などです。
⑨ その他—金属、微生物、植物由来の色素です。

植物由来の色素なのか、動物由来の色素なのかということと、特徴的な「アントシアニン」「クロロフィル」などのキーワードを覚えると良いです。

(1)誤りです。カロチノイドは植物由来の色素ですが、緑ではなく赤色を呈します。
(2)誤りです。クロロフィルは植物由来の色素で、赤ではなく緑色を呈します。
(3)正解です。ぶどう、いちご、なすの赤や紫はアントシアニンによるものです。
(4)誤りです。エビやカニをゆでた時の赤色は、アスタキサンチンのもので、たんぱく質と結合していたものが、加熱することで結合が離れ、赤色になります。ヘム色素は牛や魚などの肉の色です。ヘム色素のヘムは、赤血球中にあるヘモグロビン(hemoglobin)のヘムです。

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03

食品の色素成分に関する記述については以下の通りです。

1.カロテノイドは、植物性食品(× 動植物)に含まれる緑色(× 橙色・赤色)の色素である。
  緑黄色野菜やかんきつ類に含まれる橙色の脂溶性色素です。また、エビやカニの色もアスタキサンチンとよばれる動物性カロテノイドです。

2.クロロフィルは、動植物に広く分布する(× 植物に含まれる)赤色(× 緑色)の色素である。
  野菜や海藻などに含まれる緑色の脂溶性色素で、光、酸、加熱により黄褐色に退色します。またアルカリ性で色鮮やかになります。

3.アントシアニンは、ぶどう、いちご、なすに含まれる色素である。(○)
  野菜や果物の赤、青、紫の水溶性色素で、酸性で赤、アルカリ性で青、紫になります。梅干をしそで包むとしそのアントシアニンが酸で赤くなります。

4.エビやカニをゆでた時の赤色は、ヘム色素(× アスタキサンチン)によるものである。
  ヘム色素は、動物性食品に含まれる赤色の色素で、酸化すると褐色に変化します。発色剤の亜硝酸ナトリウムで褐変を防ぐことができます。

他に、
フラボノイド (アルカリ性で黄色)
  大豆、小麦、れんこんなど
ポリフェノール (酵素で褐変)
  いも、果実など
アミノ・カルボニル反応(たんぱく質と糖類を加熱で好ましい焼き色)
  ケーキ、かば焼き、みそ、カラメルなど

なども頻出です。

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04

正解は③です。

①カロテノイドは、植物性食品に含まれる赤・黄・橙の色素である。
②クロロフィルは、緑黄色野菜に含まれる緑の色素である。
④エビやカニを茹でたときの赤色は、アスタキサンチンによるものである。

<食用天然色素>

・カロテノイド系
植物由来が多く、黄色・赤・橙があります。問題にあるエビ・カニの色素アスタキサンチンはカロテノイド系に分類されます。

・フラボノイド系
植物由来でアントシアニン(赤紫)、クルクミン・カルコン(黄色)、カルコン(赤)、デオキシアントシアニン・重合体(茶)があります。

・キノイド系
カイガラムシから抽出した橙色色素です。コチニール色素、ラック色素があります。

・ポルフィリン系
植物由来の色素。クロロフィル(緑)、スピルリナ色素(青)があります。

・イリドイド
クチナシ赤色素やクチナシ青色素があります。

・その他
ユーメラニン(イカスミ黒色素)、モナスカス(赤)、ペタレイン(赤)、金、銀があります。

食用天然色素の他にも、合成色素があります。

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