調理師の過去問
平成27年度
食品衛生学 問36

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問題

調理師試験 平成27年度 食品衛生学 問36 (訂正依頼・報告はこちら)

細菌の増殖条件に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 細菌が増殖するためには、栄養素、水分、酸素の三つの条件が必要である。
  • 食品中の水分活性(Aw)が0.60以下になると、ほとんどの細菌は増殖できなくなる。
  • 食品を冷凍すると細菌は死滅するので、常温に戻しても増殖することはない。
  • 細菌は酸性の環境を好み、弱アルカリ性では増殖が阻害される。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は2です。

誤り部分の正解を記載します。

①細菌が増殖するためには、栄養素、水分、「温度」の三つの条件が必要である。

③細菌は冷凍しても死滅しません。常温に戻すと増殖が始まります。
※細菌は冷凍(-10℃以下)で休眠状態になるだけです。細菌の中には-10℃以下でも増殖する物も存在します。

④細菌は「中性~弱アルカリ性」の環境を好み、「酸性」では増殖が阻害される。

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※「水分活性(water activity:Aw)」とは

食品中に含まれる水分のことで、食品中で他の成分(たんぱく質や炭水化物など)と結びついている水分以外の自由な水分を指します。「自由水」呼ばれ、この自由水の量が食品の水分活性値として表示されています。

水分活性値が高ければ腐敗しやすく、低ければ長期保存が可能です。乾物など水分を抜いた食品が長期保存可能なのはこの原理を用いた保存方法です。

また、塩(塩蔵)や砂糖(糖蔵)を使用して保存期間を長くした食品を「中間水分食品」と呼び、干魚・塩漬魚・塩辛・佃煮・ジャムなどがこの中間水分食品です。
この保存方法は塩や砂糖が自由水と結合する作用を利用したものです。

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02

正解は「2」です。

1…細菌が増殖するのに必要な条件は、「栄養素」「水分」「温度」の3つです。
  通常食材には「栄養素」と「水分」は含まれている為、温度管理が重要といえます。

2…微生物は、水分活性がある特定の数値以下になると生育出来なくなります。
  種類によって数値は異なりますが、0.60以下でほとんどの微生物は生育出来なくなります。

3…細菌は冷凍する事で増殖は抑えられますが、完全に死滅する訳ではありません。  
  よって常温に戻す事によって、また増殖が始まります。

4…細菌は「中性~弱アルカリ性」を好み、「酸性」を嫌います(増殖が阻害されます)

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03

正解は2です。
水分活性とは、自由水(細菌が利用できる水)がどのくらい含まれているかを数値化したもので、純水を1.00で表します。

1.細菌は増殖するためには、栄養素・水分・温度の条件が必要です。

3.食品を冷凍しても細菌が死滅することはありません。活動が弱まっているだけなので、常温に戻り、栄養素・水分の条件が揃えば増殖を始めます。

4.細菌の大部分は中性から弱アルカリ性の環境を好みます。

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04

細菌の増殖条件に関する記述については以下の通りです。

1.細菌が増殖するためには、栄養素、水分、酸素(× 温度)の三つの条件が必要である。
  ボツリヌス菌やウェルシュ菌などのように、酸素を嫌う嫌気性菌もあります。
  食品や汚れが栄養素となり、水分50%以上で活発に、温度は10~60℃、特に35℃前後で増殖します。

2.食品中の水分活性(Aw)が0.60以下になると、ほとんどの細菌は増殖できなくなる。 〇
  水分活性とは、食品中の自由水の割合のことで、これが多いと食品中で細菌が増殖に利用できる水分が多くなります。0.6以下でほとんどの微生物の繁殖が不可能になります。

3.食品を冷凍すると細菌は死滅する(× しない)ので、常温に戻しても増殖することはない(× ある)。
  冷凍しても細菌は死なず、温度が上がればまた増殖を始めます。

4.細菌は酸性(× 中性~弱アルカリ性)の環境を好み、弱アルカリ性では増殖が阻害される。
  大半の微生物の増殖に最適なのはph7~8で、ph5以下の酸性では増殖できないものが多いです。

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