代表的な寄生虫による食中毒の感染に関する記述については以下の通りです。
アニサキス:サバ、サケ、ニシン、スルメイカなどの生食により、8時間以内に主に激しい腹痛を生じることがあります。加熱・24時間以上の冷凍・内臓を除くなどにより予防します。
日本海裂頭条虫:サケ、マスの生食により、下痢、腹部膨満感などの軽度の消化器症状を起こすことがあります。加熱・24時間以上の冷凍・内臓を除くなどにより予防します。
旋尾線虫:ホタルイカ、スケトウダラなどの生食により、数時間から2日程度で腸閉塞症や皮膚爬行症を起こすことがあります。マイナス30℃で冷凍すると死滅します。 (1 ×)
横川吸虫:アユ、ウグイ、シラウオ等の淡水魚の生食により、腹痛、下痢などの症状が見られることがあります。生食を避け、まな板やフキン等からの二次汚染に注意します。
顎口虫:ドジョウ、ヤマメ、ライギョ、ナマズなどの生食により、ヒトの体内では成虫になれない幼虫が皮下を移動、皮膚の腫脹やみみずばれ等が起こります。有棘顎口虫は、時には、内臓や脳などに迷入することもあります。
一般に、イヌ、ネコ等の胃壁に寄生しています。 (2 ×)
クドア・セプテンプンクタータ:ヒラメを生で食べると、食後数時間で一過性の下痢やおう吐などの症状が起きることがあります。4時間以上の冷凍、又は75℃5分以上の加熱で防ぐことができます。 (3 ×)
サルコシスティス・フェアリー:馬肉を生で食べると、食後数時間で、一過性の下痢、おう吐、腹痛などの消化器症状が起きることがあります。馬肉をマイナス20℃(中心温度)で48時間以上冷凍処理すると防ぐことができます。 (4 〇)
有鉤条虫:ブタの肉を十分加熱せずに食べた場合、腸や脳など様々な場所に寄生し、死に至ることもあります。冷凍により死滅、豚肉の生あるいは不完全調理での摂食や海外流行地では生水、生野菜の飲食を避けることで予防します。