調理師の過去問
平成27年度
調理理論 問53

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

調理師試験 平成27年度 調理理論 問53 (訂正依頼・報告はこちら)

食材の下処理法とその効果の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。
  • 《食材》たけのこ -- 《下処理法》食塩を入れてゆでる ---------- 《効果》えぐ味の除去
  • 《食材》りんご ---- 《下処理法》皮をむいた後食塩水に漬ける -- 《効果》軟化防止
  • 《食材》れんこん -- 《下処理法》重曹を入れてゆでる ---------- 《効果》褐変防止
  • 《食材》さといも -- 《下処理法》食塩水でゆでる -------------- 《効果》ぬめりの除去

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は④です。

①たけのこー≪下処理法≫米ぬかを加えた水又は米のとぎ汁で茹でるーえぐ味の除去
・たけのこのえぐ味はシュウ酸やホモゲンチジン酸などです。これを米ぬかのカルシウムなどの成分で取り除きえぐ味を除去します。
・米ぬかのでんぷんでたけのこが白く仕上がります。

②りんごー≪下処理法≫皮をむいた後塩水に漬けるー褐変防止
・りんごに含まれるポリフェノールが酸素と結びつき変色します。塩水に漬けることで、表面にナトリウムの膜を張り酸化を防止します。
・塩の他にも、ビタミンCや砂糖・ハチミツでも褐変を防止することができきます。

③れんこんー≪下処理法≫酢を入れて茹でるー褐変防止
・酢は酸性で重曹はアルカリ性ですので、相反するものです。
・酢がれんこんのポリフェノールの酸化を防止します。

④里芋ー≪下処理法≫塩水で茹でるーぬめり取り
・里芋は皮をむいた後、塩もみをしてから、塩水で茹でます。
・里芋のぬめりも楽しむ料理の場合、この処理は必要ありません。

参考になった数79

02

食材の下処理方法とその効果については以下の通りです。

1.たけのこ - 食塩(× 米ぬか)を入れてゆでる ー えぐみの除去
  たけのこのえぐみ成分であるシュウ酸を、米ぬかや米のとぎ汁のカルシウムによりえぐみを感じにくいシュウ酸カルシウムに変化させます。

2.りんご - 皮をむいた後食塩水に浸ける - 軟化(× 褐変)防止
  食塩水のナトリウムイオンによって、りんごに含まれるポリフェノールが空気により酸化するのを抑えます。レモン汁でも褐変を防ぐことができます。

3.れんこん - 重曹(× 酢)を入れてゆでる - 褐変防止
  れんこんのポリフェノールが酸化するのを防ぐため、酢を入れて褐変を防ぎます。

4.さといも - 食塩水でゆでる ぬめりの除去 〇
  ぬめりをおとさないままだと、ぬめりで味の浸透が悪くなり、煮汁が濁ります。

参考になった数17

03

正解は 4.さといも -- 《下処理法》食塩水でゆでる -- 《効果》ぬめりの除去
【理由】
 食塩には、ぬめりを効率良くからめ取る作用があるためです。
 ゆでる時の「吹きこぼれ」を防ぐ効果も期待できます。

1.× たけのこをゆでる時には「食塩」ではなく「米ぬか」や「米のとぎ汁」を入れます。
【理由】
 米ぬかに含まれる酵素がたけのこの繊維質を柔らかくし、えぐ味抜けやすくします。また、たけのこを柔らかくする効果もあります。
 米ぬかに含まれるカルシウムが、えぐ味のもとである「シュウ酸」や「ホモゲンチジン酸」と結合して除去されやすくなります。

2.× りんごを食塩水に漬ける処理は適切なのですが、目的は軟化防止ではなく「酸化の防止」です。
【理由】
 りんごに豊富に含まれるポリフェノールは抗酸化作用があることで知られます。
 ポリフェノールは、みずからが酸素と結合することで細胞の酸化を防ぐ性質があるのですが、酸素に触れると酵素がメラニンという褐色の色素をつくり褐変を起こしてしまいます。そこで、りんごの断面が酸素に触れないように食塩水の漬けると、表面に薄いバリアが張られて酸素との接触が防げるため、りんごの断面は色が変わらなくなります。

3.× 重曹ではなく「酢」を使います。
【理由】
 れんこんもりんごと同様にポリフェノールが豊富で、生のまま切ったりすりおろしたりすると褐変してしまいます。
 褐変を促進させる酵素は酸に弱いので、褐変を防ぎたいときは、酸性の「酢」を加えて酵素のはたらきを阻害してやると、褐変が防げます。
 「重曹」は逆のアルカリ性なので、褐変を防ぐ効果は得られません。

参考になった数9