調理師の過去問
平成29年度
調理理論 問46
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問題
調理師試験 平成29年度 調理理論 問46 (訂正依頼・報告はこちら)
食肉類の軟化に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 筋繊維を切らないようにして加熱すると軟化する。
- しょうがのしぼり汁に浸漬してから加熱すると軟化する。
- キウイフルーツには、食肉の軟化効果はない。
- 等電点より高いほど軟化効果がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
が正解です。
肉は、加熱することでたんぱく質が変性します。
ミオチンなどの筋原線維たんぱく質は加熱すると収縮するので、加熱した肉は弾力性が生まれて硬い食感になりやすいのです。
肉を加熱する際は、
・筋繊維を分解する
・たんぱく質の変性を遅らせる
・肉の水分を保つ
といった方法で軟化させることができます。
しょうがには「プロテアーゼ」というたんぱく質分解酵素が含まれています。
そのため、しょうがのしぼり汁に浸漬するとたんぱく質の繊維が分解され、加熱して硬くなるのを防ぐことができます。
プロテアーゼは、しょうがのほかキウイフルーツ、パパイヤ、パイナップルなどに含まれます。
(1)× 筋繊維を切って分解することで、たんぱく質の繊維が収縮するのを防ぎ、柔らかく仕上げることができます。
(3)× キウイフルーツに含まれるプロテアーゼがたんぱく質の繊維を分解し、肉を軟化させます。
(4)× 分かりにくい問題ですが、等電点よりpHを酸性、アルカリ性に傾けるほど肉を軟化させることができる…といえます。
等電点とは、酸とアルカリの性質を持つ両性物質の、正電荷と負電荷の大きさがちょうど等しくなるときのpHのことです。
肉の等電点はpH5.5〜6で、肉の保水性が最も低い状態になります。
そこで肉を酢に漬けてpHを酸性に傾けたり、肉に重曹をつけてpHをアルカリに傾けたりすると、肉の保水性が高まり、ジューシーで柔らかく仕上げることができるのです。
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02
肉は加熱すると繊維は縮みます。この繊維が短ければ短いほど、肉は縮みにくく噛み切りやすくなります。
(2)記述の通り。肉に含まれるたんぱく質の影響で、加熱すると収縮して硬くなります。
生姜汁にはこのたんぱく質柔らかくする性質(肉の結合組織を弱化するタンパク質分解酵素の働き)があります。
更に生姜汁の香りには臭みを消す役割もあります。
(3)誤り。キウイに含まれている酵素の力で、漬け込むと簡単にお肉をとても柔らかくすることができます。
(4)誤り。タンパク質分子の電荷の総和が0になるpH(水素イオン濃度)を、そのタンパク質の等電点と言います。
問題文の「等電点より高い」というのは、アルカリ性側が強くなっている状態です。
肉はpHが等電点に近いほどまた加熱温度が高いほど保水力は低下しています。それより酸性側でもアルカリ側でも、肉の保水性は上がります。
したがって、等電点より低くても肉は軟化するということです。
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03
1 . 筋繊維を切らないようにして加熱すると軟化する、は誤りです。肉は筋繊維を断ち切るようにして切ると、柔らかく仕上げることができます。
3 . キウイフルーツには食肉の軟化効果はない、は誤りです。キウイフルーツにはタンパク質分解酵素が含まれていて、肉のタンパク質を分解して肉を柔らかくする効果があります。
4 . 等電点より高いほど軟化効果がある、は誤りです。等電点とはアミノ酸やたんぱく質の両性電解質のことです。
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