調理師の過去問 令和3年度10月実施分 調理理論 問54
この過去問の解説 (3件)
正解は(「クッキー」生地の焼き色は、アミノカルボニル反応による。)
「クッキー」生地の焼き色は、アミノカルボニル反応によって褐変したものです。
アミノカルボニル反応(メイラード反応)は、たんぱく質やアミノ酸、ブドウ糖や麦芽糖などの糖類を一緒に加熱した時に起こる現象です。焼き菓子、かば焼き、しょうゆの褐色は、カルボニル反応によるものです。
各選択肢については、以下のとおりです。
× 「生(なま)ふ」は、小麦粉中のグルテンを利用した生地です。グルテンは、小麦粉に水を加えてこねたときにできる、粘弾性のあるたんぱく質のかたまりです。設問に「小麦粉中のでん粉」とあるので誤りです。
× 「折りこみパイ」は、小麦粉、バター、塩を混ぜ合わせた生地です。設問に「砂糖」とあるので誤りです。塩には小麦粉のグルテンを引き締め、しっかりした生地を作る役割があります。
× 「クレープ」は、生地を寝かせてから使用することで、薄く広げるときに破れにくくなります。設問に「直ちに使用する。」とあるので誤りです。
○ 「クッキー」生地の焼き色は、アミノカルボニル反応によるものです。
正解は4です。
1.生ふは、小麦粉に含まれるでん粉を、水で流し、
残ったグルテンにもち米を加え加工したものです。
グルテンに、小麦粉を加えたものが焼き麩です。
2.パイ生地には、折り込みパイ生地と練りパイ生地があります。
①折り込み生地は小麦粉と塩・水などを混ぜた生地に、
バターを繰り返し折り込んで作ります。
バターが層状に存在しているのが特徴です。
②練りパイは、すべての材料をまとめて作ります。
グルテンを作らないように、何度も練ることはせず、
重ね合わせるように生地を作るのが特徴です。
3.クレープの生地は、冷蔵庫で30分から1時間寝かせます。
生地を作る過程で形成されたグルテンが、
寝かすことで進展性を増すので、
破かずに薄い生地を焼くことができます。
4.クッキー生地の焼き色は、アミノカルボニル反応によります。
アミノカルボニル反応はメイラード反応とも呼ばれ、
加熱により糖とアミノ酸などの間で
褐色物質の「メラノイジン」などができる反応です。
これにより食品が褐色で香ばしい風味になります。
クッキーを焼くと茶色くなるのは、
小麦粉に含まれるフェニルアラニンなどのアミノ酸と糖が反応するためです。
正解は、『「クッキー」生地の焼き色は、アミノカルボ二ル反応によるものです。』です。
不正解です。
「生(なま)ふ」は、小麦粉中のグルテンを利用した生地です。
グルテンにもち米や小麦粉を加えて蒸すなどの加工したものが、生ふになります。
焼き麩は、生麩の生地を焼きあげたものです。生麩と違い保存食として重宝されています。
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グルテン:たんぱく質の塊。粘着性があるのが特徴。
不正解です。
「折り込みパイ」は、小麦粉、バター、塩を混ぜ合わせた生地です。
グルテン形成した生地にバターの層を作り、繰り返し織り込むことで何層ものバターの層ができ、加熱すると層の間のバターから水蒸気が出て、ひとつひとつ層が膨張し薄い層状に焼き上がります。
フランス語で「フイユタージュ」と言います。
ミルフイユ、ガレット・デ・ロワなどが定番に使われます。
似た名前の「練り込みパイ」は、粉にバターを分散させ、液体系の材料と混ぜ合わせます。
混ぜる際は、練るというよりは切るように(重ね合わせるように)作ります。
こうすることで、生地中の分散されたバターが浮き上がりサックリとした食感に焼き上がるのです。
不正解です。
「クレープ」は、生地を寝かせてから使います。
混ぜ合わせた直後の記事は、生地中のグルテンがつながっておらず、シャバシャバしています。
この状態で焼いても美味しくいただけます。
では、生地を寝かせることでどのような事が起きるのでしょうか?
①薄く焼ける。
②破れにくい生地ができる。
③もちもちとした食感になる。
クレープ生地を寝かせるとグルテン同士がつながり、しっとり、もちもちとした生地になるのです。
正解です。
「クッキー」生地の焼き色は、アルミノカルボニル反応によるものです。
アルミノカルボニル反応は、「メイラード反応」とも呼ばれています。
クッキーの茶色は、小麦粉中のアミノ酸と糖が反応するため色が変化します。
この色の変化は、クッキーに限られず他のものでも見られます。
グルテンの性質によって作られるものは様々です。
小麦粉は奥深い食材ですので、深く研究してみても良いでしょう。
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