調理師の過去問
令和4年度
公衆衛生学 問5

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問題

調理師試験 令和4年度 公衆衛生学 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」第6条に規定される1類感染症として、正しいものを一つ選びなさい。
  • 腸管出血性大腸菌感染症
  • 重症急性呼吸器症候群(SARS)
  • エボラ出血熱
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID−19)

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この過去問の解説 (3件)

01

「感染症法」による感染症の分類の正しい組み合わせを選ぶ問題です。1類感染症は、1~5類の中でも最も危険性が高い感染症です。エボラ出血熱は致死率が25~90%の危険な感染症で、1類感染症に指定されています。

選択肢1. 腸管出血性大腸菌感染症

腸管出血性大腸菌感染症3類感染症なので、1類は間違いです。

3類感染症には、コレラ、赤痢、腸管出血性大腸菌感染症など、感染が起こると特定の職業で営業が制限されるものが分類されています。

選択肢2. 重症急性呼吸器症候群(SARS)

重症急性呼吸器症候群(SARS)2類感染症なので、1類は間違いです。

2類感染症は危険性の高い感染症で、急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、鳥インフルエンザがあります。

選択肢3. エボラ出血熱

エボラ出血熱1類感染症なので正解です。

1類感染症は極めて危険性の高い感染症で、エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱があります。

選択肢4. 新型コロナウイルス感染症(COVID−19)

新型コロナウイルス感染症(COVID−19)は、令和5年5月7日まで2類・新型インフルエンザ等感染症に分類されているため、1類は間違いです。

なお、新型コロナウイルス感染症令和5年5月8日より5類感染症に移行されます。

まとめ

「感染症法」による感染症の分類には目を通しておきましょう。新型コロナウイルス感染症が2類相当から5類へ移行するように、感染症法は改訂されることがあるので、メディアなどで最新の情報も意識しておくことをおすすめします。

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02

正解は、「エボラ出血熱」です。

選択肢1. 腸管出血性大腸菌感染症

不正解です。

腸管出血性大腸菌感染症は、3類感染症です。

潜伏期間は、3~8日で、腹痛、水溶性の下痢、血便などの症状が特徴です。

他の3類感染症は、コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス等があります。

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 重症急性呼吸器症候群(SARS)

不正解です。

重症急性呼吸器症候群(SARS)は、2類感染症です。

潜伏期間は、2~10日で、発熱、悪寒、筋肉痛で発症します。

その1週間後、呼吸困難を伴う肺炎がおこり、最悪の場合死亡することがあります。

重症急性呼吸器症候群は、コロナウイルスに感染することにより発症し、急速に悪化し肺炎を起こすのが特徴です。

他の2類感染症は、急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)、鳥インフルエンザ等があります。

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢3. エボラ出血熱

正解です。

エボラ出血熱は、1類感染症です。

潜伏期間は7~10日程度で、突発的な発熱、頭痛、倦怠感、咽頭痛の症状を発症します。

その後、嘔吐、下痢、胸部痛、吐血、下血等の消化器症状が起こります。

他の1類感染症はエボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱です。

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢4. 新型コロナウイルス感染症(COVID−19)

不正解です。

新型コロナウイルス感染症は、5類感染症です。

新型コロナウイルス感染症は、2類感染症の新型インフルエンザ等感染症に分類していましたが、令和5年5月8日より「5類感染症」になりました。

症状は、インフルエンザと酷似しており、区別が困難です。

初期症状は風邪などにみられる咳などの呼吸器症状で、一部は重症化することもり持続悪化する場合もあります。

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

1~5類感染症の病名、症状などは把握しときましょう。

また、感染症法も合わせて覚えておくと良いでしょう。

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03

感染症法とは公衆衛生を向上・増進させることを目的に、感染症の予防や感染症の患者に対して必要な医療措置を定めた法律です。

 

この法律では集団における感染症の蔓延防止が重視されていました。しかし、感染症の個別の予防・治療が可能になり、それを取り巻く世界的な状況の変化もあわせて1999年にそれまでの伝染病予防法に代わる新しい感染症対策の基本法として感染症法が施行されました。

 

感染症法は、重症化リスクや感染力に応じて感染症を「1類」から「5類」に分けています。

選択肢1. 腸管出血性大腸菌感染症

×

腸管出血性大腸菌感染症の特徴は腹痛、水溶性下痢および血便です。

嘔吐や38℃台の高熱を伴うこともあります。

 

多くの場合は、おおおよそ3~8日の潜伏期をおいて頻回の水様便で発病します。

 

腸管出血性大腸菌感染症は3類感染症にあたります。他に3類感染症にあたるのはコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスです。

 

したがってこちらの選択肢は×です。

選択肢2. 重症急性呼吸器症候群(SARS)

×

重症急性呼吸器症候群(SARS)とはコロナウイルスに感染することにより発症、急速に悪化し肺炎を起こす病気です。人から人へ飛沫感染することが確認されています。2~10日間の症状のない期間のあと、発熱、悪寒、筋肉痛で発症します。さらに1週間後に、呼吸困難を伴う肺炎がおこり、死亡することがあります。

 

重症急性呼吸器症候群は2類感染症にあたります。

選択肢3. エボラ出血熱

エボラ出血熱は潜伏期間が2~21日(通常7~10日程度)の感染症です。

 

潜伏期間のあと、突然の発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、咽頭痛等の症状を呈します。次いで、嘔吐、下痢、胸部痛、出血(吐血、下血)等の消化器症状がみられ、出血熱は1類感染症に分類されます。

選択肢4. 新型コロナウイルス感染症(COVID−19)

×

咳などの呼吸器症状が中心で、多くは軽症ですが一部は重症化することもあります。

 

初期は一般的なウイルス性咽頭炎(いわゆる風邪)やインフルエンザとの区別が困難な症状ですが、改善なく持続悪化する場合は注意が必要です。

 

新型コロナウイルス感染症はこれまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。

まとめ

この問題は感染症の分類についての設問でした。

 

「感染症法」とは感染症の発生と蔓延を予防し、公衆衛生を向上・増進させ、さらには患者に必要な医療措置について定めらた法律です。

 

感染症分類とは感染予防の観点からウイルスを危険度別に並べた分類です。1類から5類まであり、数字が小さいほど危険度が高く数字が大きくなるほど危険度が下がります。

 

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