調理師の過去問 令和4年度 食品学 問2
この過去問の解説 (2件)
大豆とその加工品に関する内容は食品学の植物性食品で解説されている項目です。
大豆は良質のたんぱく質、脂質が豊富な食品です。大豆に含まれる栄養成分はたんぱく質(35%)、脂質(19%)、糖類(24%)、ビタミンB類、無機質のカリウムやリンなどを多く含みます。
主に大豆油、豆腐、納豆、油揚げ、湯葉、みそ、しょうゆ、きな粉などの加工食品の原料です。
選択肢1. 大豆の第1制限アミノ酸は、リシンである。
大豆の第1制限アミノ酸はメチオニンです。
リシンは肉や魚、大豆製品(湯葉)に多く含まれている成分です。
選択肢2. 青大豆は、うぐいすあんの製造に用いられる。
青大豆はずんだあんの原料に使われています。
うぐいすあんは青えんどう豆が主原料で製造されています。
選択肢3. 納豆は、生大豆に比べビタミンKが多い。
納豆は非常に多くのビタミンKが含まれています。
ビタミンKを多く含む食品はブロッコリーやモロヘイヤ、小松菜、ほうれん草、わかめ、海苔などです。生大豆は100グラムあたり18~34㎍で、納豆は1パック(40g)で240㎍含まれています。
選択肢4. 大豆に含まれる油脂の構成脂肪酸には、EPA(エイコサペンタエン酸)が多い。
大豆に含まれる油脂の構成脂肪酸はパルミチン酸の飽和脂肪酸が10%強、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸が20%、多価不飽和酸n-3系のリノレン酸が10%、n-6系のリノール酸が50%です。
エイコサペンタエン酸(EPA)は主に青魚に含まれ、いわし、さば、あじなどに多く含まれるn-3系脂肪酸の一つです。
まとめ
大豆は多くの栄養成分が含まれており、数多くの加工食品の原料として利用されています。
植物性食品の中でも豆類、特に「大豆」に関する問題は出題されやすくなっています。大豆やその加工品の特性を把握し、正しい記述を選択しましょう。
選択肢1. 大豆の第1制限アミノ酸は、リシンである。
大豆の第1制限アミノ酸はメチオニンなので、リシンは間違いです。
ちなみに制限アミノ酸とは、アミノ酸価(アミノ酸スコア)が最高値の100に達していないアミノ酸のことです。
そのうち、最も数値が低いものから順に第1制限アミノ酸、第2制限アミノ酸と呼ばれます。
リシン(リジン)は必須アミノ酸のひとつで、 体内で合成できないため食べ物から摂取する必要があります。大豆、肉や魚に多く含まれていて、米や小麦にはあまり含まれていないので、米飯は大豆、肉や魚を一緒に食べることがのぞましい、とされます。
選択肢2. 青大豆は、うぐいすあんの製造に用いられる。
うぐいすあんは青えんどう豆から作られるので、青大豆は間違いです。
青大豆は大豆の一種です。大豆は熟すと黄色くなりますが、青大豆は熟しても色が緑色のままという特徴があります。
また、ずんだにも使われる枝豆と似ていますが、枝豆は大豆が熟す前に収穫したものなので、青大豆とは別のものになります。
選択肢3. 納豆は、生大豆に比べビタミンKが多い。
正解です。納豆は蒸した大豆を納豆菌によって発酵させて作ります。納豆菌にビタミンKの産生を促進するはたらきがあるので、納豆は生大豆に比べビタミンKが多いのです。
納豆は、全食品の中でもビタミンKの含有量がトップクラスをほこります。しかし、生の大豆そのものには、ビタミンKがあまり含まれていません。
選択肢4. 大豆に含まれる油脂の構成脂肪酸には、EPA(エイコサペンタエン酸)が多い。
大豆にEPA(エイコサペンタエン酸)は含まれていないので、間違いです。
大豆の構成脂肪酸で最も多いのはリノール酸と覚えておきましょう。
EPA(エイコサペンタエン酸)は魚油に多く含まれる多価不飽和脂肪酸です。摂取すると動脈硬化を予防する効果が期待されています。動物性油脂であり、植物性食品の大豆に含まれることはありません。
まとめ
「大豆の第1制限アミノ酸はメチオニン」「うぐいすあんの原料は青えんどう豆」「EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれるのは魚油」を覚えていれば、消去法でも正解が導き出せます。
類似問題が出やすいので、これらはぜひ覚えておきたいところです。
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