調理師の過去問
令和4年度
食品学 問3
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問題
調理師試験 令和4年度 食品学 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
海藻に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 海藻には、でんぷんなどの消化性多糖類が多く含まれる。
- 干しこんぶの表面に見られる白色粉末は、うま味成分のイノシン酸である。
- ひとえぐさは、寒天の原料となる。
- 生のひじきは、渋味が多いので、水煮して渋抜きして食用とする。
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この過去問の解説 (3件)
01
海藻に関する内容は食品学の植物性食品で解説されている項目です。
海藻類には昆布、わかめ、ひじき、モズク、海苔などがあり、主な成分は炭水化物で大部分が消化が悪い粘性ある多糖類です。
また無機質成分にはカリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、鉄、ヨウ素などが含まれています。
海藻は大部分が消化悪く、粘性を持つ難消化性多糖類です。
消化性多糖類はでんぷんやグリコーゲンなどで不足するとエネルギー不足により疲労感や集中力の低下が見られます。
干しこんぶの表面に見られる白色粉末はマンニットと呼ばれる甘味成分の一つです。
うま味成分はアミノ酸のグルタミン酸とアスパラギン酸になります。
ひとえぐさは主にあおさ、あおのりなどの食品として広く活用されている海藻です。
寒天の原料はテングサ(マクサ)になります。
生のひじきは渋味があるので水煮して渋抜きしてから食用とします。
渋味成分は主にタンニンのポリフェノールの一種です。
海藻類は多くの食事の中で幅広く活用されています。
また、海藻類は多くの加工食品の原料として利用されています。
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02
生のひじきは渋味が多いので、水煮して渋抜きしなければ食べられません。過去にも同じ問題が出ているので、ぜひ覚えておきましょう。
海藻にでんぷんなどの消化性多糖類は含まれていません。海藻に含まれているのは「難消化性多糖類」なので、消化性多糖類は間違いです。
※炭水化物は糖質と食物繊維に分類され、さらに糖質は多糖類、小糖類、単糖類に分類されます。
さらに、多糖類は「消化性多糖類」「難消化性多糖類」に分類されます。
消化性多糖類はでんぷん、グリコーゲンがあり、消化吸収されてエネルギー源に使われます。
難消化性多糖類には、セルロースや海草に含まれるカラギーナンなどがあり、ヒトの体内ではほとんど消化吸収されません。
干しこんぶの表面に見られる白色粉末はマンニトール(マンニット)なので、イノシン酸は間違いです。
イノシン酸はかつお節、煮干しに多く含まれるうまみ成分です。
ひとえぐさはアオサの原料になる緑藻類で、寒天の原料は間違いです。
寒天の原料になるのは紅藻類の「天草(てんぐさ)」です。
正解です。生のひじきは、渋味が多いので、水煮して渋抜きしてから食用としています。
生のひじきは、渋み成分のタンニンが多く含まれる上に硬くて、そのままでは食べられません。そのため、茹でて柔らかくし、渋みを除いてから乾燥させたものが食品として流通しているのです。
なお、生のひじきは緑色をしていますが、茹でる際にタンニンが反応するため色が黒くなります。(類似問題が出ています。)
海藻、その中でも昆布、ひじき、わかめ、寒天に関する問題はしばしば出題されています。
「海藻に含まれているのは難消化性多糖類」「うまみ成分のイノシン酸はかつお節に含まれる」「ひとえぐさはあおさの原料」は覚えておきたいところです。
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03
海藻には鉄、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれています。
食物繊維も豊富で生活習慣病予防にも効果が期待できます。
×
でんぷんとは、植物の光合成によって作られる炭水化物(多糖類)であり、含まれるのは米や小麦、トウモロコシ、ジャガイモなどです。
×
昆布の表面の白い粉末はマンニットと呼ばれる糖です。
単糖類の1つである「マンノース」の糖アルコールであり、昆布などの褐藻類に多く含まれます。
昆布の旨味成分はアミノ酸であるグルタミン酸とアスパラギン酸です。
イノシン酸ではありません。
×
寒天の原料となるのはテングサ、オゴノリなどの紅藻類です。
ひとえぐさは緑色の一年生の海藻で、植物体が一層の細胞からなるため「一重草(ひとえぐさ)」といいます。
したがってひとえぐさは寒天の原料ではありません。
〇
生のひじきは水洗いをしてからその後30分ほど水に浸けます。
鍋に湯を沸かしヒジキを投入し、再沸騰させて5~10分ほど茹で「ゆでこぼし」をします。それにより渋みが抜けます。
「海藻類」「緑藻類」「褐藻類」と大きく3つのグループに分けられます。
「わかめ、昆布、めかぶ、ヒジキ」のような代表的な食用の海藻は全て「褐藻類」に含まれています。
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