調理師の過去問 令和4年度 食品学 問4
この過去問の解説 (2件)
油脂に関する内容は食品学の油脂類で解説されている項目です。
食用の油脂は色々な種類があり、原料によって植物性と動物性に分けられます。
主成分の中性脂肪を構成する脂肪酸の種類や含有量により性質が異なり、常温(20℃)で液体は油、固体のものを脂と呼んでいます。
選択肢1. 動物油脂は、植物油脂に比較して不飽和脂肪酸含量が高い。
動物油脂は飽和脂肪酸を多く含みます。
植物油脂は一般的に不飽和脂肪酸を多く含んでいます。
不飽和脂肪酸は融点が低く溶けやすいのが特徴です。
不飽和脂肪酸のリノール酸などの必須脂肪酸は人の成長や発育を促し,血中コレステロールの低下、血栓予防などの働きがあります。
選択肢2. 褐色のごま油は、ごま種子を焙煎してから圧搾して製造される。
褐色のごま油はごま種子を焙煎してから油脂を圧搾して製造されています。
時間をかけてごま種子を煎れば煎るほど、ごま油の色は濃くなります。
選択肢3. エクストラバージンオリーブオイルは、最も精製度の高いオリーブオイルである。
エクストラバージンオリーブオイルは最も品質が高いオリーブオイルです。
エクストラバージンオリーブオイルは品質の高いオリーブの果実を圧搾した状態で香りや味、酸度などを分析と評価で基準値をクリアしたものに与えられます。
選択肢4. マーガリンの油脂含有率は、80%以下と定められている。
マーガリンの油脂含有率は80%以上と日本農林規格(JAS規格)で定められています。
また、その他に日本農林規格(JAS規格)では成分や製造方法なども定められています。
まとめ
油脂類は少量でも多くのエネルギーを取ることができ、健康管理に欠かせません。
また、調理でも幅広く活用され、食物の味を引き立たせてくれます。
しかし過剰摂取には注意が必要です。
ごま油は、ごま種子を圧搾・抽出して製造されています。ごま種子を焙煎しなければ無色のごま油になり、焙煎すれば褐色のごま油になります。
このことを覚えていれば、迷わず正解が導き出せるかと思います。
選択肢1. 動物油脂は、植物油脂に比較して不飽和脂肪酸含量が高い。
動物性油脂は飽和脂肪酸が多く含まれているので「植物油脂に比較して不飽和脂肪酸含量が高い」は間違いです。
油脂を構成する脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
飽和脂肪酸:炭素間に二重結合を持たない
動物性食品(肉、乳製品、卵)に多く含まれます。とり過ぎると血中コレステロール値が上昇し、生活習慣病のリスクを高めるといわれています。ステアリン酸・パルミチン酸などがあります。
不飽和脂肪酸:炭素間に二重結合を持つ
植物性食品、魚に多く含まれます。炭素間に二重結合を持つために飽和脂肪酸より酸化しやすいという性質を持っています。α-リノレン酸・リノール酸・アラキドン酸など体の必要な脂肪酸があります。
選択肢2. 褐色のごま油は、ごま種子を焙煎してから圧搾して製造される。
褐色のごま油は、ごま種子を焙煎してから圧搾して製造されるので正解です。
ごま油は、ごま種子を圧搾(力を加えてしぼり出す)して油分を抽出して製造されます。
褐色のごま油は、焙煎したごま種子から作られるので色が濃くなっており、食欲をそそる香ばしい香りが特徴です。
一方、透明なごま油は、焙煎していないごま種子の油分を圧搾したもので、無色透明でごまの風味が少ないので幅広い料理に使われます。
選択肢3. エクストラバージンオリーブオイルは、最も精製度の高いオリーブオイルである。
エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブオイルのグレードのなかで「最も品質が良いもの」にあたるので「最も精製度の高いオリーブオイル」は間違いです。
エクストラバージンオリーブオイルは、オリーブオイルのうち「遊離酸度が0.8%以下で、特に風味が優れたもの」と定義されています。
選択肢4. マーガリンの油脂含有率は、80%以下と定められている。
マーガリンの油脂含有率は80%以上と定められているので、80%以下は間違いです。
バターは乳脂肪分が80%以上、マーガリンは油脂含有率が80%以上でなければなりません。油脂含有率が80%未満のものは「ファットスプレッド」に区別されます。
まとめ
油脂には動物性油脂、植物性油脂、加工油脂があり、それぞれ製法や特性、栄養価が異なります。今回の問題と類似した問題は出やすいので、油脂の特徴は覚えておきましょう。
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