調理師の過去問
令和4年度
食品衛生学 問1
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問題
調理師試験 令和4年度 食品衛生学 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
食品の保存に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 微生物の生育は、食品を冷蔵保存することで止まる。
- じゃがいもの発芽抑制を目的として、紫外線照射が行われている。
- 乾燥では、食品の水分活性は低下する。
- チルドでは、食品の温度を−10℃付近に保つ。
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この過去問の解説 (3件)
01
食品は長く放置しておくと変質して、風味や香り、外観が悪くなります。
食品の適した保存方法を用いることで変質を防ぎ、衛生的に保つことができます。
微生物の生育は低温で保存することで増殖を抑えることができます。
特に夏場は食品を冷蔵保存することで微生物の増殖を抑制するのに有効的です。
じゃがいもの発芽抑制の目的で「コバルト60」の放射線を照射することが認められています。
また、果物のリンゴが出すエチレンでも、じゃがいもの発芽を抑制する効果があります。
食品の水分は栄養素と結合した結合水と微生物が利用できる自由水に分かれます。
水分活性は自由水の含有量を示す数値で、高いほど微生物が繁殖しやすい状態です。
乾燥によって水分含有量が少なくなれば、水分活性は低下します。
チルドの温度は5℃からマイナス5℃の範囲で食品を保つことです。
凍らせたくない食品の保存に適しています。
食品は衛生的に保ちながら保存することが基本です。
そのために、食品の変質の要因に関わる微生物の生育を抑制できる環境を作ることが重要になります。
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02
乾燥法を用いると、食品を乾燥させることで水分活性が低くなり、微生物が発育しにくくなるために品質の低下を防ぐことができるようになります。
食品や加工品の品質を保つために保存・貯蔵法が用いられます。その種類には
冷蔵・冷凍法
乾燥法
加熱殺菌法
塩蔵・砂糖漬・酢漬法
くん煙法
があります。調理には重要な作業なので、それぞれの特徴はしっかり覚えておきたいです。
「生育が止まる。」は誤りです。微生物は、食品を冷蔵保存することで生育(繁殖)を抑制することはできますが、完全には死滅しないため生育を止めることはできません。
「紫外線照射」の部分が誤りです。じゃがいもの発芽を抑制する目的では放射線が照射されます。
原則として食品に放射線を照射することは認められていませんが、例外的にじゃがいもは発芽防止の目的で照射が認められています。
なお、紫外線は殺菌灯に利用されています。ただ、じゃがいもの芽は紫外線が当たると発芽してしまうという理由でも、じゃがいもへの紫外線照射は正しくありません。
乾燥では、食品の水分活性は低下するので正解です。
食品に含まれる水分には自由水と結合水があり、自由水は細菌が繁殖しやすく、結合水は細菌が繁殖しにくいという特徴があります。
食品を乾燥させると自由水が蒸発し、細菌が繁殖しにくい状態になります。
自由水と結合水の割合をあらわす目安を水分活性(Aw)といい、自由水の割合が少ないほど水分活性の数値は低くなります。水分活性が0.6以下まで低下すれば、微生物の繁殖を抑制することができるようになります。
「−10℃付近」の部分が誤りです。チルドは、食品の温度を-5℃~5℃に保つ冷蔵法です。
この温度帯だと食品が凍結しないので、解凍による品質低下が起こりません。風味や食感を維持する効果があります。
保存・貯蔵法に関する問題は出やすいので、作業の工程や条件などはきちんと覚えておきましょう。
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03
食品の状態を維持するのとても大切です。
それを維持し守るうえで大切なのは期限であり、賞味期限と消費期限があります。
賞味期限とは、製造者が品質を保証する期間であり、消費期限は食品が安全に食べられる最後の日を指します。
〇
微生物は高温で死滅します。
低温では増殖しません。夏場は冷蔵庫での保存が有効です。
×
紫外線照射ではなく、発芽防止としての目的でコバルト60という放射線を照射することが認められています。
〇
水分活性を低下させるには乾燥で自由水を減少させたり、自由水を結合水に変えるという方法があります。
×
チルド(冷蔵)はマイナス5度から5度あたりの温度に保たれています。
野菜、肉、魚、加工食品などの保存に適します。
食品の保存方法は食材によって違います。適当な温度、湿度、目的の違いなどを理解し頭に入れておくと良いでしょう。
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