調理師の過去問
令和4年度
食品衛生学 問2
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問題
調理師試験 令和4年度 食品衛生学 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
細菌性およびウイルス性食中毒に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- サルモネラ属菌による食中毒の潜伏期間は、5〜10日程度である。
- ノロウイルスは、乾物からは感染しない。
- 黄色ブドウ球菌の毒素は、煮沸処理では不活性化しない。
- カンピロバクターは、海産魚介類の生食から感染する場合が多い。
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この過去問の解説 (3件)
01
細菌性およびウイルス性食中毒は飲食物に食中毒を引き起こす細菌が付着していたり、汚染された飲食物を摂取したときに腹痛や嘔吐、下痢、発熱などの症状を引き起こす病気です。
サルモネラ属菌による食中毒の潜伏期間は6~72時間程度です。
サルモネラ属菌は感染症で食肉や加工品、鶏肉料理、レバーなどが原因と言われ、急激な発熱が特徴で、腹痛や下痢、嘔吐の症状が起こります。
ノロウイルスは、乾物である海苔などからでも感染が起ります。
ノロウイルスは乾燥に非常に強く、気温にも左右されますが、1カ月以上存在する可能性があります。
そのため、乾物を扱う場合でもしっかりとした衛生対策を行う必要があります。
黄色ブドウ球菌に存在するエンテロトキシンと呼ばれる毒素は、加熱処理や煮沸処理でも破壊されず、不活性化しません。
黄色ブドウ球菌は毒素型で、たんぱく質に富んだ食品に多く、あん類やシュークリームなどが原因と言われ、潜伏期間は1~5時間程度で嘔吐や吐き気、下痢、腹痛の症状を起こします。
カンピロバクターは、加熱不十分の肉や食肉製品、生乳、細菌を含んだ牛乳などが原因です。
カンピロバクターは感染型で潜伏期間1日~10日と長いのが特徴で、下痢や腹痛、発熱の症状を起こします。
食中毒に関する内容は飲食に携わる人にとって重大なことです。
食中毒になる原因や種類、予防対策をこまめに確認しておくことが大切になります。
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02
細菌性食中毒には「感染型」と「毒素型」があります。毒素型食中毒を引き起こす黄色ブドウ球菌が出す毒素は加熱しても不活性化しないという点がポイントになります。
感染型の細菌性食中毒を起こす細菌には
・病原性大腸菌
・カンピロバクター
・サルモネラ
・腸炎ビブリオ
・ウェルシュ菌
などがあります。
毒素型の細菌性食中毒を起こす細菌には
・黄色ブドウ球菌
・セレウス菌
・ボツリヌス菌
があります。
また、ウイルス性食中毒を起こすウイルスにはノロウイルスがあります。
黄色ブドウ球菌の毒素は加熱しても不活性化しないことを必ず覚えておきましょう。
サルモネラ属菌による食中毒の潜伏期間は12~24時間、と比較的短いです。
ノロウイルスは、乾物のように加熱せずそのまま食べられる食品からも感染が起こっています。
ノロウイルスは乾燥した環境でもしばらくは生き残ることができ、海苔、パンなどから食中毒が起きた事例があります。加熱せずそのまま食べられる食品などは、食品取扱者がノロウイルスに汚染された手指で触ったために感染することも多いです。
正解です。記述のとおり、黄色ブドウ球菌の毒素は、煮沸処理では不活性化しません。
黄色ブドウ球菌はヒトの鼻腔、化膿した傷に常在する菌で、それ自体は食中毒を引き起こすものではありません。
しかし、食品に感染した黄色ブドウ球菌がエンテロトキシンという毒素を産生してしまうと、エンテロトキシンは加熱しても破壊されないために食中毒に至ります。
「海産魚介類」の部分が誤りです。カンピロバクターは、生の肉や水から感染することの多い細菌です。
ちなみに、海産魚介類の生食から感染するものには腸炎ビブリオ、ノロウイルスがあります。
黄色ブドウ球菌の毒素は加熱しても不活性化しないことを覚えていれば、消去法でも解くことができる問題です。
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03
食中毒は原因となる細菌、ウイルスが食べ物に付着して体内に侵入することで発生します。
食中毒を防ぐには「付けない」「増やさない」「やっつける」の3つが原則となります。
×
サルモネラ属菌による食中毒の潜伏期間は、6時間から72時間です。
×
ノロウイルスはカキ、アサリ、シジミなどの2枚貝から主に感染しますが、弁当、寿司、サラダなども感染源になりえます。
〇
黄色ブドウ球菌は10度以下で保存することで不活性化し、煮沸処理では不活性化しません。
×
カンピロバクターは、家畜ペットの排せつ物により汚染された食品や水を介し感染するものであり、海産魚介類の生食から感染するものではありません。
細菌性の食中毒にかかる人が多くでるのが6月から9月ごろです。
ウイルスによる食中毒は冬に流行します。キノコや魚のふぐ毒など自然に有毒な物質を含んでいるものがあり、それらによる食中毒もあります。
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