調理師の過去問
令和4年度
調理理論 問6
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問題
調理師試験 令和4年度 調理理論 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
大量調理に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 炒め物は、高温短時間で均一に加熱できるので、大量調理に最適である。
- 大量調理は、少量の調理に比べ、水分蒸発量は多い。
- 和え物は、味がしみ込むのに時間がかかるので、早めに調味液と和える。
- 大量に煮物をすると、煮汁が少ないため煮くずれしやすい。
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この過去問の解説 (3件)
01
大量調理は少量調理とさまざまな条件が異なるため、少量調理にはない物理的、調理科学的な現象が起こります。
たとえば、大量調理で煮物をすると、煮汁が少ないために加熱ムラができやすいほか、食材の重みでつぶれやすくなる、攪拌(かくはん)が必要であることが重なり、煮くずれしやすくなります。
炒め物は大量調理には適していません。炒め物は、少量調理のほうが高温短時間でおいしく作れます。
大量調理に使う調理釜などの調理器具は熱容量が低いため、大量の食材を入れて炒め物をすると、加熱に時間がかかってしまいます。低温で長時間食材を炒めるため、野菜から放出された水分によって蒸し焼きされた状態になってしまうのです。
逆で、一般に大量調理は少量の調理よりも水分蒸発量が少なくなっています。
早めに和えると水っぽくなってしまうので、和え物は供食の直前に調味液と和えます。
野菜はゆでることで細胞膜の半透性が失われ、調味液が入り込みやすくなっています。一方、野菜は調味液が入ってくることで水分が出やすくなるのでり、和え物は全体的に水っぽくなってしまいます。
和え物をする際は、ゆでた野菜のしぼり加減にあわせて調味液の割合を決め、供食直前に調味を行います。
正解です。大量に煮物をすると、煮汁が少ないため煮くずれしやすいです。
大量調理は少量調理より蒸発率が低いため、煮汁は少量になりがちです。しかし、煮汁が少ないと、火の通り加減や味付けにむらができやすく、攪拌(混ぜる)する必要が出てくるので、つぶれやすくなります。さらに食材の重みが影響して、煮くずれしやすくなります。
施設における大量調理は、大量調理に伴う課題を解消して料理の品質を標準化するため、調理技術がマニュアル化されています。実務に関連する内容なので、しっかりと理解しておきたいです。
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02
大量調理はそれぞれの施設の特徴を理解して安全性や栄養面、嗜好性を満たす工夫が大切です。
炒め物は食材から出る水分で蒸し焼き状態になりやすいので、炒める量や調味液の量を考えて強火で短時間で調理できるように工夫が必要です。
大量調理は少量の調理に比べ、水分蒸発量が少ないです。
そのため、煮物を作る場合は煮汁の量を減らします。
和え物は下茹でなど予め準備を行い、処理後に調味液などを加えて仕上げます。
大量に煮物をすると、煮汁が少ないため煮くずれしやすい状態です。
特にじゃがいもなど食材の重量があるものと一緒に煮る場合は、調理方法に留意しましょう。
大量調理はご家庭の少量調理と異なり、使う食材量や調味料の量に気を付けることが重要です。
また、大量調理は食材に均一に火が入りにくいので、適量で調理することに心がけましょう。
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03
正解は、「大量に煮物をすると、煮汁が少ないため煮くずれしやすい。」です。
不正解です。
炒め物は大量調理には適していません。
大量調理に使う調理器具は熱容量が低いです。そのため、大量の食材を入れて炒め物をすると、加熱に時間がかかります。
低温で炒め続けると野菜から水分が抜け、その水分によって蒸し焼きになってしまうので、炒め物は向いていません。
炒め物は、少量調理で高温短時間で作るのがベストです。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
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熱容量:物質の温度を1度上げるのに必要な熱量のこと。
不正解です。
大量調理は、少量の調理に比べ、水分蒸発量は少なくなります。
少量調理と比べると、どうしても食材が重なりあったり、量が多いため全体の温度が上がるまでに時間がかかります。
この二つの点は、食材から出る水分量が多くなりますが、温度が上がりづらいため水分蒸発量は少なくなります。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
不正解です。
和え物は、配膳の直前に調味料と和えた方が美味しくいただけます。
ただし、揮発性であるお酢を使う際は事前に混ぜたほうが良いです。
野菜(植物)の細胞膜は50度で壊れます。
細胞膜が失われた野菜からは水分が失われ、しんなりとするのです。
しなしなになった野菜は調味料が入りやすくなりますが、調味料が入ってくることで水分が出やすくなります。
水分が出てくることによって和え物は時間が経つにつれ全体的に水っぽくなってしまいます。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
正解です。
大量に煮物をすると、煮汁が少ないため煮崩れしやすくなります。
主な理由としては、大量調理は蒸発率が低いため、煮汁は少量になりがちだからです。
さらに、煮汁が少ないと、
・火の通り加減が一定ではない。
・味付けにむらができやすくなる。
・味を一定にするために混ぜる必要がある。
・食材の重みの影響で、煮くずれしやすくなる。
等のデメリットが生まれます。
芋類などの重たい食材を煮る際は注意して調理しましょう。
したがって、上記の選択肢は正しいです。
大量調理のやり方は、それぞれの事業所で異なります。
基本はマスターしておくのがベターです。
食材の性質やその時の温度、湿度などによって調理時の温度は変わるので、臨機応変に対応して調理しましょう。
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