調理師の過去問
令和4年度
調理理論 問4
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問題
調理師試験 令和4年度 調理理論 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
食塩の作用に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- きゅうりに食塩を加えると、浸透圧の作用により野菜中の水分が出てしんなりする。
- 食塩は、茶碗蒸しの凝固を抑制する。
- グルテンの形成を阻害する。
- 大豆を煮るときに食塩を加えると、硬くなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
食塩は食材の甘味を引き立てたり、なだめたりする相互作用の働きがあります。
また、微生物の生育を抑制する防腐作用があり、塩蔵品なども多く作られています。
きゅうりに食塩を加えると、浸透圧の作用により食材の水分が出てしんなりします。
塩は食材の細胞内の水分を外に出す脱水効果があります。
茶碗蒸しを作る際、含まれる食塩の作用で卵液の熱凝固を促進させる効果があります。
グルテンの形成は小麦粉の主要タンパク質であるグルテニンとグリアジンなどの相互作用で作られますが、食塩を加えることでタンパク質間の相互作用が変化して、より弾力が増します。
大豆を食塩水に浸してから煮ると軟化作用が働き、やわらかくなります。
食塩は使い方次第で食材の味を引き立ててくれます。
また、微生物などの防腐作用やぬめり取り、野菜の色を鮮やかにする効果もあります。
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02
食塩には以下の作用があります。
・野菜に食塩を加えると、浸透圧の作用によって中の水分が出て野菜がしんなりする
・肉、卵などの加熱調理に食塩を加えると、たんぱく質の凝固を促進させ、固まりやすくなる
・小麦粉に塩を加えるとグルテンの形成が促進され、生地が安定する
・植物の組織を柔らかくする作用がある
・塩漬け法にすると、食品の水分活性が低下して微生物の増殖が抑制できる
・塩を加えて葉野菜をゆでると、緑色が鮮やかになる
食塩の調理特性はしっかり覚えておきたいです。
正解です。記述のとおり、きゅうりに食塩を加えると、浸透圧の作用により野菜中の水分が出てしんなりします。
食塩には脱水作用があり、食塩を加えることで、野菜をしんなりさせたり、魚のくさみを水分と一緒に抜いたりできます。
「凝固を抑制する」の部分が誤りです。逆で、食塩は茶碗蒸しの凝固を促進させます。
食塩にはたんぱく質の熱凝固を促進させる作用があります。
「形成を阻害する」の部分が誤りです。逆で、食塩はグルテンの形成を促進させます。
小麦粉に含まれるグルテンは生地の弾力性やコシを生み出す重要な成分です。食塩を加えるとグルテンが形成する網目が安定し、生地の弾力が高まります。
「硬くなる」の部分が誤りです。逆で、大豆を煮るときに食塩を加えると柔らかくなります。
食塩には、植物の細胞に含まれるペクチンを分解して軟化させる作用があります。そのため、大豆や野菜を食塩で煮ると柔らかく仕上がるのです。
食塩にはたくさんの調理特性があります。調理の基本となる知識なので正しく覚えておきたいです。
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03
正解は、「きゅうりに食塩を加えると、浸透圧の作用により野菜中の水分が出てしんなりする。」です。
正解です。
きゅうりに食塩を加えると、浸透圧の作用により野菜中の水分が出てしんなりします。
『青菜に塩』ということわざがあるように、野菜に塩を加えると野菜から水が離水し、柔らかくしんなりします。
ちなみに野菜によって浸透圧は異なります。
したがって、上記の選択肢は正しいです。
不正解です。
食塩は、茶碗蒸しの凝固を促進させます。
食塩に含まれる塩化ナトリウムは、たんぱく質の熱凝固を促進させる作用があります。
卵液を希釈する水が蒸留水だと、加熱してもゲル化しません。そこで、食塩を加えると塩化ナトリウムの作用によりゲル化するのです。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
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ゲル化:液体から個体(半個体)に変化すること。
不正解です。
食塩は、グルテンの形成を促進します。
グルテンは、
「形を整える」(スポンジ生地など)
「膨らませる」(パン生地など)
「コシを出す」(うどんなど)
等の作用があります。
食塩を加えるとこれらの作用を安定させことができるのです。
よく食塩はグルテンの作用を強化させるものと覚えて良いでしょう。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
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グルテン:小麦粉のタンパク質であるグルテニンとグリアジンが変質したものを指します。
不正解です。
大豆を煮るときに食塩を加えると、柔らかくなります。
1%の食塩水に浸漬させてから煮ると、大豆は軟化します。
これは、大豆に含まれるたんぱく質「グリシン」が塩溶性であるためです。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
食塩の調理特性は様々な場面で利用します。
実際に現場に出た際も実用性は非常に高いです。
必ず覚えておきましょう。
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