調理師 過去問
令和4年度
問49 (調理理論 問9)
問題文
じゃがいもの調理性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和4年度 問49(調理理論 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
じゃがいもの調理性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 加熱中断後、再加熱すると組織は、崩れやすくなる。
- 牛乳で煮たものは、水煮したものより硬くなる。
- 褐変防止には、砂糖をまぶすとよい。
- 粉ふきいもは、メークインが適する。
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この過去問の解説 (3件)
01
じゃがいもを牛乳で煮ると、じゃがいもに含まれるペクチンが牛乳中のカルシウムと結合して組織が壊れにくくなるので、水煮するよりも煮くずれしにくくなります。
ペクチンは、じゃがいもの細胞どうしをつなぎ合わせる役割をしています。このペクチンが水溶化することで細胞壁が壊れて煮崩れしやすくなります。
また、じゃがいもは品種や貯蔵の状態によってもでんぷんの含有量が異なり、でんぷんの多いじゃがいもは粉質性でほくほくして煮崩れしやすく、でんぷんの少ない粘質性のじゃがいもはねっとりして煮崩れしにくい特徴があります。
誤りです。じゃがいもやさつまいもは、加熱中断後に再加熱すると組織が硬化することがあります。再加熱後に硬くなっていもはごりいもとも呼ばれます。
正解です。牛乳で煮たじゃがいもは、水煮したものより煮崩れしにくく、硬くなります。
「砂糖をまぶす」は適切ではありません。水にさらすのが正しいです。
切ったじゃがいもの断面は、空気に触れることで酸化して褐変が起こります。そのため、空気に触れないよう水に漬けることで褐変を防ぐことができます。
誤りです。粉ふきいもには、でんぷんが多くてほくほくした粉質性のだんしゃく、キタアカリが適しています。
メークインは粘性質で、でんぷんが少なくねっとりしているので、茹でた後に水気をとばしても、あまり粉がふきません。
じゃがいもに関しては、栄養素、調理性、自然毒(ソラニン・チャコニン)などで問題が出やすいので、身近な食品ですがしっかりおさらいをしておきましょう。
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02
じゃがいもの主成分はデンプンで、カリウムやビタミンB1やB2、Cが含まれます。
じゃがいもを加熱中断後、再加熱すると組織は糊化されません。
デンプンが糊化されない状態で一度冷えると高温で再加熱しても完全に糊化されずに「ごりいも」になります。
牛乳で煮たじゃがいもは、水煮したものより硬くなります。
加熱中に牛乳のカルシウムと結合して変化した状態です。
じゃがいもは水に浸しておくと空気に触れることがないので褐変防止になります。
切ったじゃがいもが変色してしまうのは成分に含まれる「チロシン」と言うアミノ酸が酸化して「メラニン」の物質に変化するためです。
粉ふきいもは男爵いもや成熟したキタアカリが適しています。
粉はじゃがいものデンプンで、加熱すると他の成分であるペクチンが水に溶け、デンプンが浮き上がって粉をふく状態になります。
じゃがいもを使った調理品は数多く存在しており、様々な調理方法が使われています。
また、じゃがいもの種類により特性が異なるため、種類に応じた調理をすることも大切です。
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03
じゃがいもは、加熱や調理法によってその組織や食感が大きく変わります。
また、種類によって調理に適した方法が異なります。
各選択肢について詳しく見ていきましょう。
正しいです。
じゃがいもは加熱中にデンプンがゲル化しますが、
加熱を中断して再加熱すると、細胞壁がさらに弱まり、
組織が崩れやすくなります。
これは誤りです。
牛乳に含まれるカルシウムがペクチンと結合し、
じゃがいもが柔らかくならず硬くなることがあります。
これは誤りです。
じゃがいもは空気に触れると酵素的褐変が起こりますが、
水に浸すことで褐変を防止します。
砂糖をまぶしても効果はありません。
これは誤りです。
粉ふきいもには、ホクホクした食感が得られる男爵いもが適しています。
メークインは煮崩れしにくいので、煮物に適しています。
じゃがいもは再加熱すると崩れやすくなるため、
調理の際には加熱を中断せずに一気に仕上げることがポイントです。
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