調理師 過去問
令和5年度
問16 (食品学 問6)

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問題

調理師試験 令和5年度 問16(食品学 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

食品の流通に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • フードマイレージとは、国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合のことである。
  • 地産地消の促進により、フードマイレージは減少する。
  • 卸売市場を経由しないで直接産地から売買人が仕入れることを「競り」という。
  • 青果物は、生産者から卸売市場を経由して売買が行われる。

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この過去問の解説 (4件)

01

「フードマイレージ」について正しい説明をしている

地産地消の促進により、フードマイレージは減少する

が正解です。

 

【フード・マイレージ】

フード=dood(食品)と マイレージ=milage(輸送距離)を組み合わせた造語。

 

食料輸送量×輸送距離で計算されます。つまり、産地が近い(輸送距離が短い)ほどフードマイレージの数値は小さくなるということです。

 

「地産地消」は生産者の地元で農産物を消費することです。つまり輸送距離が短いので、遠方から仕入れるよりもフードマイレージは減少することになります。

 

フードマイレージの説明に関する問題はしばしば出題されています。フードマイレージの意味をしっかりおさえておきましょう。そうすれば、ほかの3つの選択肢が正しいかどうかわからなくても迷わずに正解を導くことができます。

 

選択肢1. フードマイレージとは、国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合のことである。

誤りです。「国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合」は「食品自給率」のことです。

 

フードマイレージ

食品が生産地から消費者のもとへ輸送されるまでに排出される二酸化炭素量を数値化したもの」です。

 

食料輸送量×輸送距離で計算され、環境負荷の大きさを計る数値として活用されています。

選択肢2. 地産地消の促進により、フードマイレージは減少する。

正解です。地産地消を促進すると輸送距離が短くなるので、フードマイレージは減少します。

 

一方、輸入食料の割合が増えると、輸送距離が長くなるのでフードマイレージは増大します。

 

ちなみに、日本は食品の多くを輸入に頼っているためにフードマイレージが高い、という問題があります。

選択肢3. 卸売市場を経由しないで直接産地から売買人が仕入れることを「競り」という。

「競り」は卸売市場で行われているので、「卸売市場を経由しない」は誤りです。

 

競り(せり)」とは、卸売市場で売り手が買い手に競争させて買い値を決めさせ、最も高い値段を付けた買い手に売る方法です。

選択肢4. 青果物は、生産者から卸売市場を経由して売買が行われる。

誤りです。たしかに青果物は卸売市場を経由して売買されますが、それ以外に生産者が直接スーパーなどの小売店や消費者に出荷することもあります。

 

一般的な流通経路は、生産者→農業協同組合(JA)→卸売市場→小売店→消費者 となっていますが、流通経路はさまざまです。

 

通販が普及し、生産者が消費者に直接販売を行う産地直送も増えています。

まとめ

フードマイレージ」の意味をしっかり覚えておくと心強いでしょう。

 

試験では以下の用語も一緒に出てくることがありますが、フードマイレージと混同しやすいので、おさらいしておくことをおすすめします。

 

流通 → 商品が生産者から消費者の手元に届くまでの経路

トレーサビリティ → 食品の流通過程を記録し、食品の移動ルートを把握できるようにすること

食品自給率 → 国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合

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02

食品流通の特徴を問う問題になります。各言葉の意味、特徴を把握し、各選択を確認してきましょう。

選択肢1. フードマイレージとは、国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合のことである。

誤った選択の為、不正解です。

 

フードマイレージは、食品が生産地から消費地まで運ばれる際にかかる距離や輸送に伴うエネルギー消費量です。国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合は自給率です。

選択肢2. 地産地消の促進により、フードマイレージは減少する。

正しい選択の為、正解です。

 

地産地消は地域で生産された農林水産物を、その地域で消費する活動を意味します。輸送エネルギーを抑えられるメリットがあり、近年は特にSDGs目標の達成に深くかかわる取り組みとして、注目を浴びています。

選択肢3. 卸売市場を経由しないで直接産地から売買人が仕入れることを「競り」という。

誤った選択の為、不正解です。

 

「競り」とは、生産者から届けられた魚や野菜を、誰がいくらで買うかを決める作業です。卸売市場を経由しないで直接産地から売買人が仕入れることは「直買」と言います。

選択肢4. 青果物は、生産者から卸売市場を経由して売買が行われる。

誤った選択の為、不正解です。

 

青果物は生産者から卸売市場を経由して売買が行われる「市場流通」と生産者が直接売買する「直売」があります。直売の方が利益は多くなるケースがありますが、個人で取引を行うのに限界がある為、市場が存在します。

まとめ

食品流通は生産者だけでなく、市場関係者、輸送ドライバー等様々なポジションの人がいることで成り立っています。ニュースで意識的に情報を入手するようにしましょう。

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03

正解は「地産地消の促進により、フードマイレージは減少する。」です。

選択肢1. フードマイレージとは、国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合のことである。

不正解です。

 

フードマイレージとは、食品が生産地から消費地まで運ばれる際にかかる距離や輸送に伴うエネルギー消費量を表す概念です。

 

国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合は「自給率」と言います。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 地産地消の促進により、フードマイレージは減少する。

正解です。

 

地産地消は、地域内で生産された食品をその地域内で消費することを指します。

 

フードマイレージとは、食品が生産地から消費地まで運ばれる際にかかる距離や輸送に伴うエネルギー消費量を指す概念です。

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢3. 卸売市場を経由しないで直接産地から売買人が仕入れることを「競り」という。

不正解です。

 

「競り」とは、卸売市場で行われる取引方法を指します。

 

生産地から直接売買人が仕入れる取引は、「直売」または「直接取引」と呼ばれます。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢4. 青果物は、生産者から卸売市場を経由して売買が行われる。

不正解です。

 

一般的に、青果物は生産者から卸売市場を経由して販売されます。

 

しかし、卸売市場を通さず生産者や出荷団体から直接スーパーマーケットや生活協同組合へ出荷するなど様々なルートがあるため、絶対に生産者から卸売市場を経由して売買が行われているとは限りません。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

食品の流通に関する記述問題を解く際は、「 概念の理解」「流通のプロセス」「地域特性」「正確な用語の把握」がポイントになります。

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04

食品の流通は、農産物や食品が生産者から消費者に届くまでの過程で、さまざまな経路や方法が用いられます。

フードマイレージや地産地消といった概念は、輸送の環境負荷や地域経済の活性化に関わる重要な要素です。

選択肢1. フードマイレージとは、国内生産食料と輸入食料の合計重量に占める国内生産食料重量の割合のことである。

これは誤りです。フードマイレージとは、食品の輸送距離と重量を掛け合わせた数値で、輸送に伴う環境負荷を示す指標です。国内生産食料と輸入食料の割合とは異なります。

選択肢2. 地産地消の促進により、フードマイレージは減少する。

正しいです。 地産地消は、地域で生産された食料をその地域内で消費することを促進する取り組みであり、これにより食品の輸送距離が短くなるため、フードマイレージが減少します。これにより、環境負荷が低減されます。

選択肢3. 卸売市場を経由しないで直接産地から売買人が仕入れることを「競り」という。

これは誤りです。「競り」は、卸売市場などで商品を入札形式で取引する方法を指します。産地から直接仕入れることは、通常「直接取引」と呼ばれます。

選択肢4. 青果物は、生産者から卸売市場を経由して売買が行われる。

これは一部正しいですが、近年では、青果物が産地直送直接取引で流通するケースも増えています。必ずしも卸売市場を経由するわけではありません。

まとめ

地産地消は、食品の輸送距離を短くし、フードマイレージを減少させるため、環境負荷の低減に寄与します。

食品の流通は多様化しており、地域経済や環境に配慮した取り組みが注目されています。

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