調理師の過去問
令和5年度
食品学 問5

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問題

調理師試験 令和5年度 食品学 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

鶏卵に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 鶏卵には、ビタミンCが含まれている。
  • 鮮度の低下とともに、濃厚卵白の粘度が上昇する。
  • 卵黄の色は、飼料に由来するカロテノイド色素によるものである。
  • 卵黄には、溶菌作用を持つたんぱく質が含まれている。

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この過去問の解説 (3件)

01

卵黄の色が黄色いのは、飼料にカロテノイド色素が含まれているためです。

 

鶏卵の特徴については、同じ問題が繰り返し出題されています。過去問で傾向をおさえ、迷った場合も消去法で正解を導いていきましょう。

選択肢1. 鶏卵には、ビタミンCが含まれている。

鶏卵にビタミンCは含まれていない」ので誤りです。

 

鶏卵は、体に必要な栄養素がほとんど含まれている栄養価の高い食品です。

 

ただし、ビタミンCと食物繊維は含まれていません。

選択肢2. 鮮度の低下とともに、濃厚卵白の粘度が上昇する。

誤りです。正しくは「鮮度の低下とともに、濃厚卵白の粘度が低下する。」です。

 

卵白は、卵黄の周りにある盛り上がった部分の「濃厚卵白」とその周りの水分が多い「水溶卵白」で構成されています。

 

卵白が新鮮なときは濃厚卵白の粘度が高いので、濃厚卵白がこんもりと盛り上がっています。

 

しかし、鮮度が低下すると濃厚卵白が減って水溶卵白が増えていきます。そのため、古い卵は全体的に水っぽくなって割ったときに広がりやすくなるのです。

 

これは、時間がたつにつれ濃厚卵白のpHが上昇し、濃厚卵白のたんぱく質の粘度が低下するために起こっている現象です。

選択肢3. 卵黄の色は、飼料に由来するカロテノイド色素によるものである。

正解です。卵黄の色は、飼料に由来するカロテノイド色素によるものです。

 

鶏の飼料にはとうもろこしを多く使用しています。とうもろこしに黄色~だいだい色の色素「カロテノイド色素」が含まれているため、カロテノイド色素をとり続けていることで卵黄が黄色くなるのです。

 

ちなみに、卵黄は濃いオレンジ色のほうがおいしそうに見えるので飼料に赤いパプリカ色素を入れたり、あえて卵黄が白い卵を産ませるために、とうもろこしではなく米を与えたりすることもあります。

選択肢4. 卵黄には、溶菌作用を持つたんぱく質が含まれている。

「卵黄」が誤りです。正しくは「卵白には、溶菌作用を持つたんぱく質が含まれている。」です。

 

卵白には「リゾチーム」というたんぱく質が含まれています。

 

このリゾチームは優れた殺菌作用を持つ酵素としてはたらき、卵が菌に感染するのを防いでいます。

 

菌は細胞壁を壊されると、活性化できなくなり死滅します。卵白のリゾチームが菌に触れると、リゾチームの溶菌作用によって菌の細胞壁が溶けるので、菌は死滅してしまうのです。

まとめ

鶏卵の特徴は問題に出やすいので、以下の点を覚えておくとよいでしょう。

 

鶏卵にはビタミンCが含まれていない

卵黄が黄色いのは、飼料にカロテノイド色素が含まれているから

鮮度が低下すると濃厚卵白の粘度は低下する

卵白に溶菌作用を持つたんぱく質リゾチームが含まれている

 

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02

鶏卵の特徴に関する問題になります。栄養価が高く、価格が比較的安定している食品として注目されます。2022年頃からの価格の高騰があったので、近年さらに注目される食品となっています。

選択肢1. 鶏卵には、ビタミンCが含まれている。

誤った選択の為、不正解です。

 

鶏卵は栄養価が高くビタミンC、食物繊維以外の栄養素はほぼ含まれています。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれている栄養素になります。

選択肢2. 鮮度の低下とともに、濃厚卵白の粘度が上昇する。

誤った選択の為、不正解です。

 

卵の鮮度が低下すると、時間の経過と共に濃厚卵白の粘性がなくなり、水溶性卵白へと変わっていきます。新鮮な卵の方が黄身が盛り上がっています。

選択肢3. 卵黄の色は、飼料に由来するカロテノイド色素によるものである。

正しい選択の為、正解です。

 

卵黄の色は、卵を産む鶏の飼料に含まれるカロテノイド色素によります。赤パプリカ等カロテノイドを多く含む飼料を与えると黄色の強い黄身ができますが、栄養価には関係しないと言われています。

選択肢4. 卵黄には、溶菌作用を持つたんぱく質が含まれている。

誤った選択の為、不正解です。

 

卵黄には溶菌作用を持つたんぱく質は含まれていません。一方卵白には溶菌作用を持つリゾチームが含まれています。

まとめ

鶏卵は身近な食品であり、栄養価が高いことから特徴をきちんと把握しておくことで正解を導くことができます。ほとんどの栄養価を含まれているので、含まれていない栄養価を覚えておくと良いでしょう。

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03

鶏卵の栄養価や適切な利用法に関する知識も求められます。

選択肢1. 鶏卵には、ビタミンCが含まれている。

不正解です。

 

鶏卵には、ビタミンCはほとんど含まれていません。

一般的にビタミンCは柑橘類や野菜などの他の食品に多く含まれていますが、鶏卵に含まれる量はそれほど多くありません。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 鮮度の低下とともに、濃厚卵白の粘度が上昇する。

不正解です。

 

鶏卵は鮮度の低下とともに、むしろ濃厚卵白の粘度が低下します。

新鮮な卵の場合、卵白は比較的液状で粘度が低く、鮮度が低下すると卵白が透明でゼリー状に変化します。

 

この現象は卵白の pH 値の変化によるもので、卵白のタンパク質が変性して凝固し始めます。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢3. 卵黄の色は、飼料に由来するカロテノイド色素によるものである。

正解です。

 

鶏卵の卵黄の色は、鶏が摂取した飼料に含まれるカロテノイド色素によって決まります。

特に、トウモロコシやタンポポなどの飼料に含まれるカロテノイドが豊富な場合、卵黄は濃いオレンジ色や黄色になります。

 

このようなカロテノイド色素が卵黄に移行し、色を付けることで、消費者は卵の鮮度や栄養価を判断することができます。

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢4. 卵黄には、溶菌作用を持つたんぱく質が含まれている。

不正解です。

 

鶏卵の卵黄には溶菌作用を持つたんぱく質は含まれていません。

鶏卵の卵黄は、主に脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどが含まれていますが、溶菌作用を持つ成分は含まれていません。

 

溶菌作用を持つたんぱく質は、通常、免疫系に関係していて、細菌やウイルスとの戦いにおいて重要な役割をしていますが、鶏卵にはこれらの成分は含まれていません。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです

まとめ

鶏卵は栄養価が高い食品であり、その特性や成分について把握することが重要です。

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