調理師の過去問
令和5年度
栄養学 問2

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問題

調理師試験 令和5年度 栄養学 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

脂溶性ビタミンに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 油脂の多い食事より、少ない食事の方が吸収率は高くなる。
  • 過剰に摂取しても、体内に蓄積されることはない。
  • 腸内細菌によって、体内で合成されるものがある。
  • 小腸でのカルシウムの吸収を、抑制するものがある。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「腸内細菌によって、体内で合成されるものがある。」です。

選択肢1. 油脂の多い食事より、少ない食事の方が吸収率は高くなる。

不正解です。

 

 

脂溶性ビタミンは、油脂と一緒に摂取することで吸収率が向上するので、油脂の多い食事を摂取することで、脂溶性ビタミンの吸収率が高まります。

実際に、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は脂肪の存在に依存しています。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 過剰に摂取しても、体内に蓄積されることはない。

不正解です。

 

 

脂溶性ビタミンは、過剰摂取された場合に体内に蓄積される可能性があります。

特に、ビタミンAやビタミンDの過剰摂取は、肝臓や脂肪組織などに蓄積されることが知られています。

 

しかし、長期間にわたって過剰な脂溶性ビタミンを摂取すると、中毒症状が引き起こされる可能性があり、そのため、脂溶性ビタミンを摂取する際には、適切な量を守ることが重要です。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢3. 腸内細菌によって、体内で合成されるものがある。

正解です。

 

 

腸内細菌は、特にビタミンKを体内で一部合成することが知られています。

ビタミンKは、血液凝固に必要な因子を作るために重要な役割を果たします。腸内細菌がビタミンKを合成する際には、腸内の細菌叢の健康状態が重要です。

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢4. 小腸でのカルシウムの吸収を、抑制するものがある。

不正解です。

 

 

脂溶性ビタミンの一つであるビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する役割があります。

 

しかし、一部の脂溶性ビタミンやその他の成分は、小腸でのカルシウムの吸収を抑制することが知られています。例えば、ビタミンD以外の脂溶性ビタミンの摂取が過剰になると、カルシウムの吸収を阻害することがあります。また、食物中のオキサレートやファイト酸などの成分もカルシウムの吸収を妨げることがあります。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

脂溶性ビタミンに関する問題でしたが、水溶性ビタミンについても理解しておくと良いでしょう。

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02

脂溶性ビタミンに関する問題です。脂溶性ビタミンはビタミンA、D、E、K、(4つだけDAKE)と覚えておくと便利です。その上で、脂溶性ビタミンの特徴と各ビタミンの特徴を整理していきましょう。

選択肢1. 油脂の多い食事より、少ない食事の方が吸収率は高くなる。

正しくない選択の為、不正解です。

 

脂溶性ビタミンは油に溶けて体内に吸収されます。その為、油脂の多い食事ほ方が吸収率が高くなります。

選択肢2. 過剰に摂取しても、体内に蓄積されることはない。

正しくない選択の為、不正解です。

 

脂溶性ビタミンは過剰摂取すると体内に蓄積されます。一方水溶性ビタミンは過剰摂取しても蓄積されることはなく、尿として排出されます。

選択肢3. 腸内細菌によって、体内で合成されるものがある。

正しい選択の為、正解です。

 

ビタミンKの説明として正しい内容になります。ビタミンKは血液凝固因子生成の役割を持ちます。

選択肢4. 小腸でのカルシウムの吸収を、抑制するものがある。

正しくない選択の為、不正解です。

 

ビタミンKは小腸でカルシウムの吸収を促進します。小腸でカルシウムの吸収を抑制するものはビタミン類ではなく食物繊維、シュウ酸です。

まとめ

脂溶性ビタミンの特徴として油と一緒に摂取することで吸収されること、過剰摂取によって蓄積されることを覚えておきましょう。

また、今回は脂溶性ビタミンの中でもビタミンKの特徴が出てきましたが、他A、D、Eの「特徴」「不足によって起こる症状」「豊富に含まれる食材」を整理しておくと良いでしょう。

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03

正解は「腸内細菌によって、体内で合成されるものがある。」で、これは脂溶性ビタミン「ビタミンK」の説明になっています。

 

ビタミンの中には、体内で合成できないので食品から摂取する必要があるものと、体内で合成できるものがあります。

 

そのうち、腸内細菌によって合成できるビタミンには、

水溶性ビタミンのビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビオチン、葉酸、ビタミンB12)と、脂溶性ビタミンの「ビタミンK」があります。

 

ほかの3つの説明文は正しくありません。それぞれの問題を見てみましょう。

選択肢1. 油脂の多い食事より、少ない食事の方が吸収率は高くなる。

誤りです。油脂の多い食事の方が脂溶性ビタミンは吸収されやすくなります。

 

脂溶性ビタミンは、名前のとおり油(脂肪)に溶ける性質を持ったビタミンです。そのため、油脂といっしょに調理したほうが吸収率が高くなります。

 

また、油脂の量が多いほどビタミンが多く油脂に溶けて吸収されやすくなります。

選択肢2. 過剰に摂取しても、体内に蓄積されることはない。

誤りです。脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいので、過剰摂取すると体内に蓄積されます。

 

脂溶性ビタミンは脂肪に溶ける成分なので、過剰に摂取すると、肝臓や脂肪に溶けて吸収されます。体内に蓄積しやすく、過剰摂取する過剰症を起こすおそれがあります。

 

一方、水溶性ビタミンは過剰摂取しても尿と一緒に排出されるでの、体内に蓄積される心配がありません。

選択肢3. 腸内細菌によって、体内で合成されるものがある。

正解です。脂溶性ビタミンには腸内細菌によって、体内で合成されるものがあります。

 

これは、脂溶性ビタミン「ビタミンK」の説明です。

 

ビタミンKは、血液凝固因子の合成や骨の形成に必要な栄養素です。

選択肢4. 小腸でのカルシウムの吸収を、抑制するものがある。

誤りです。脂溶性ビタミンが小腸でカルシウムの吸収を抑制することはありません。

 

むしろ、脂溶性ビタミンのビタミンKはカルシウムの吸収を促進させます。

 

小腸でカルシウムの吸収を抑制するのは、食物繊維、シュウ酸などです。

まとめ

脂溶性ビタミンには、ビタミンA・D・E・K があります。

 

油脂と一緒に調理すると吸収されやすくなること、体内に蓄積しやすく過剰摂取すると弊害が起こること、ビタミンKは腸内細菌によって合成され、カルシウムの吸収を促進させるということを覚えておきましょう。

 

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