調理師の過去問
令和5年度
栄養学 問7

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問題

調理師試験 令和5年度 栄養学 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

消化液に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 唾液には、ショ糖(スクロース)の分解酵素が含まれている。
  • 胆汁には、リパーゼが含まれている。
  • 胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれている。
  • 膵液には、糖質とたんぱく質の分解酵素は含まれるが、脂肪の分解酵素は含まれていない。

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この過去問の解説 (3件)

01

「胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれている。」が正しいです。

 

消化液には唾液、胃液、膵液、胆汁(たんじゅう)、腸液などがあり、たんぱく質、炭水化物、脂肪を分解して小さな分子にし、消化・吸収しやすい形にしています。

 

ほかの3つの選択肢は、消化酵素とはたらきの説明が正しくありません。消化器官と消化酵素、はたらきの正しい組み合わせを覚えておきましょう。

選択肢1. 唾液には、ショ糖(スクロース)の分解酵素が含まれている。

「ショ糖(スクロース)」が誤りです。正しくは「唾液には、でんぷんの分解酵素が含まれている。」です。

 

唾液には、プチアリン(唾液アミラーゼ)という消化酵素が含まれ、多糖類のでんぷんを二糖類の麦芽糖(マルトース)に分解しています。

選択肢2. 胆汁には、リパーゼが含まれている。

胆汁にリパーゼは含まれていないので誤りです。正しくは「膵液には、リパーゼが含まれている。」です。

 

胆汁は、肝臓で作られて胆のうに貯蔵されている分泌液です。胆のうから胆管を通って十二指腸に流れ込み、脂肪の消化を助けます。

 

リパーゼは膵液に含まれている消化酵素で、脂肪をグリセリンと脂肪酸に分解するはたらきをします。

 

ただし、リパーゼだけでは脂肪を分解することができません。そのため、食事をすると胆汁が分泌され、リパーゼと一緒に脂肪を分解しているのです。

選択肢3. 胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれている。

正解です。胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれています。

 

胃液に含まれる消化酵素のペプシノーゲン(ペプシン)は、たんぱく質をペプトンに分解します。

選択肢4. 膵液には、糖質とたんぱく質の分解酵素は含まれるが、脂肪の分解酵素は含まれていない。

誤りです。膵液には脂肪の分解酵素も含まれています。

 

膵液には、糖質を分解するアミロペプシンたんぱく質を分解するトリプシン脂肪を分解するリパーゼなどが含まれています。

まとめ

この問題は、それぞれの消化液の特徴を覚えておくことで、スムーズに正解を導き出すことができます。

 

消化液と消化酵素、消化酵素のはたらきの組み合わせに関する問題はしばしば出題されているので、名前や正しい組み合わせはおさえておきましょう。

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02

体内に入った食品を消化し栄養を吸収する為に消化液が働きます。

口腔→咽頭→食道→胃→十二指腸→空腸→回腸→結腸→直腸→肛門と消化器がある中で、どの部位で何を消化できるか整理して覚えておきましょう。

選択肢1. 唾液には、ショ糖(スクロース)の分解酵素が含まれている。

誤った選択の為、不正解です。

 

口腔では咀嚼による機械的消化(物理的な分解)と共に、炭水化物の化学的消化(消化液による化学的分解)が行われます。

選択肢2. 胆汁には、リパーゼが含まれている。

誤った選択の為、不正解です。

 

十二指腸で膵液と胆汁が出ています。リパーゼが含まれているのは膵液で脂肪を分解します。一方胆汁は脂肪が水に溶けやすいようミセルを形成します。

選択肢3. 胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれている。

正しい選択の為、正解です。

 

タンパク質は胃でペプシンにより分解されます。ペプシンは強酸性の状況下で働きやすいので、胃液にはペプシンと共に塩酸も含まれています。

選択肢4. 膵液には、糖質とたんぱく質の分解酵素は含まれるが、脂肪の分解酵素は含まれていない。

誤った選択の為、不正解です。

 

膵液には糖質を分解するアミラーゼ、脂肪を分解するリパーゼ、タンパク質を分解するトリプシン、などが含まれています。

まとめ

消化液は消火器と分解する栄養素の組み合わせを整理して覚えておきましょう。

口腔---唾液---アミラーゼ---炭水化物

胃---胃液---ペプシン---タンパク質

小腸(十二指腸・空腸)---膵液---アミラーゼ・リパーゼ・トリプシン---炭水化物・タンパク質・脂質・水分

代表的な所だけでも整理できると安心です。

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03

正解は「胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれている。」です。

選択肢1. 唾液には、ショ糖(スクロース)の分解酵素が含まれている。

不正解です。

 

唾液の主要な消化酵素はアミラーゼで、このアミラーゼはでんぷんを糖に分解します。

 

ショ糖を分解する酵素は腸管内に存在し、腸糖転移酵素といいます。

この酵素は、ショ糖をグルコースとフルクトースに分解します。これにより、ショ糖が分解され、単糖に変換されて吸収されます。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 胆汁には、リパーゼが含まれている。

不正解です。

 

胆汁は、消化酵素を含みません。

 

リパーゼは脂肪を分解する酵素で、膵臓の膵液に含まれる酵素です。

この膵液は他にも「糖質を分解するアミラーゼ」、「たんぱく質を分解するトリプシン」などの消化酵素、核酸の分解酵素を含んでいます。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢3. 胃液には、塩酸とペプシノーゲン(ペプシン)が含まれている。

正解です。

 

胃液には主に塩酸とペプシノーゲンが含まれています。

塩酸は胃液の主要な成分であり、胃の内壁の粘膜から分泌されます。これにより、胃液のpHが非常に酸性になります。

 

ペプシノーゲンはペプシンの前駆体であり、胃の主細胞から分泌されます。

*ペプシン:タンパク質を分解する酵素。

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢4. 膵液には、糖質とたんぱく質の分解酵素は含まれるが、脂肪の分解酵素は含まれていない。

不正解です。

 

膵液には、炭水化物、タンパク質、脂質の分解酵素が含まれています。

膵液にはアミラーゼトリプシンキモトリプシンリパーゼが含まれています。

 

アミラーゼ:炭水化物(糖)を分解する酵素

トリプシンキモトリプシン:タンパク質を分解する酵素

リパーゼ:脂質を分解する酵素

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

消化液と消化酵素、消化酵素のはたらきの組み合わせは正しく覚えておきましょう。

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