調理師の過去問
令和5年度
栄養学 問8

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問題

調理師試験 令和5年度 栄養学 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

成長期の栄養に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
  • 幼児期は、間食によって総エネルギーの30~40%を補給することが望ましい。
  • 学童期は、偏食癖が容易に形成され、個食・孤食・欠食などの習慣が定着しやすい。
  • 思春期は、一生で最も多くのエネルギーと栄養素が必要である。
  • 思春期の女子においては、鉄が不足しやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「幼児期は、間食によって総エネルギーの30~40%を補給することが望ましい。」です。

選択肢1. 幼児期は、間食によって総エネルギーの30~40%を補給することが望ましい。

正解です。

 

幼児期における間食の割合は、総エネルギーの5〜10%程度が望ましいとされています。

間食は栄養補給の機会であり、健康な食習慣を形成するために大切ですが、過度に摂取すると主食や副食からの栄養バランスが崩れる可能性があります。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りなので正解です。

選択肢2. 学童期は、偏食癖が容易に形成され、個食・孤食・欠食などの習慣が定着しやすい。

不正解です。

 

学童期は成長が緩やかになり、個々の食事の好みや習慣が形成される時期です。

この時期には、偏食の癖が容易に形成される傾向があります。

 

また、個食、孤食、欠食などの習慣が定着しやすくなります。

これらの習慣が長期間続くと、栄養バランスが乱れたり、健康への影響が出る可能性があります。

 

*個食:家族と一緒に食事をすることを避けること

*孤食:孤立した状況で食事を摂ること

*欠食:必要な栄養が不足している状態

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいので誤りです。

選択肢3. 思春期は、一生で最も多くのエネルギーと栄養素が必要である。

不正解です。

 

思春期は成長が最も著しい時期の一つであり、身体的な変化や発育が急速に進む時期です。この時期には、体格の変化やホルモンの分泌の増加により、エネルギーと栄養素の需要が高まります。

 

特に、たんぱく質、カルシウム、鉄、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が必要とされます。思春期の適切な栄養摂取は、健康な発育や成長、免疫機能の維持に重要です。

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいので誤りです。

選択肢4. 思春期の女子においては、鉄が不足しやすい。

不正解です。

 

思春期の女子においては、月経による血液の損失や急激な成長による代謝の増加などの要因から、鉄の需要が増加します。特に、月経による鉄の損失は重要な要因です。

 

鉄は血液中のヘモグロビンやミオグロビンの構成要素であり、酸素の運搬や貯蔵に重要な役割を果たします。鉄の不足は貧血などの健康問題を引き起こす可能性があります。

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいので誤りです。

まとめ

成長期の栄養に関する問題を解く際は、成長に必要な栄養素の把握、思春期のホルモン変化や月経による影響、要因、健康的な食習慣を正確に理解しておきましょう。

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02

誤っているものを一つ選ぶ問題なので、説明の正しくない「幼児期は、間食によって30~40%を補給することが望ましい。」を選ぶのが正解です。

 

幼児期は発育が盛んなために多くの栄養が必要です。ただし、消化機能が未発達なので3食だけで必要な栄養を補うことは困難です。そこで栄養のバランスをとるため、間食から総エネルギーの10%を補うようにします。

 

ほかの3つの選択肢は正しい内容が書かれています。成長期には乳児期・離乳期・幼児期・学童期・思春期があり、発育に合わせた栄養が必要です。それぞれの特徴を把握しておきましょう。

 

選択肢1. 幼児期は、間食によって総エネルギーの30~40%を補給することが望ましい。

誤っているものを一つ選ぶ問題なのでこちらが正解です。正しくは「総エネルギーの10%」です。

 

「総エネルギーの30~40%」は明らかに多過ぎます。3~5歳の男児で1日に必要な総エネルギーが1300kcalとすると1日に390~520kcalもの間食を食べる計算になります。

選択肢2. 学童期は、偏食癖が容易に形成され、個食・孤食・欠食などの習慣が定着しやすい。

その通り、学童期は、偏食癖が容易に形成され、個食・孤食・欠食などの習慣が定着しやすい傾向があります。

 

記述の内容が正しいので、こちらは選択しません。食習慣が確立される時期なので、正しい食生活を心がけることが課題となります。

選択肢3. 思春期は、一生で最も多くのエネルギーと栄養素が必要である。

その通り、思春期は、一生で最も多くのエネルギーと栄養素が必要となります。

 

記述の内容が正しいので、こちらは選択しません。思春期は発育が急速で活動量も増加するので、一生で最も多くのエネルギーと栄養素が必要となります。

選択肢4. 思春期の女子においては、鉄が不足しやすい。

その通り、思春期の女子においては、鉄が不足しやすくなります。記述の内容が正しいので、こちらは選択しません。

 

思春期の女子は急激な成長に造血が追いつかず貧血になりやすいので、鉄が不足しないよう注意する必要があります。 

まとめ

幼児期は間食によって10%を補給することが望ましい、と覚えておきましょう。

 

ライフステージと必要な栄養については似ている問題が出題されやすいので、それぞれの特徴の違いは把握しておきたいです。

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03

成長期とは、子どもから大人になるプロセスにおいて、最もカラダが成長する時期のことを指します。男子では約12歳、女子では10歳にこの時期を迎えるといわれています。この時期の食生活、運動習慣について誤っているものを選択する問題になります。

選択肢1. 幼児期は、間食によって総エネルギーの30~40%を補給することが望ましい。

誤りです。

 

幼児期のおやつ(補食)については、一度にたくさん食べられないが、カロリーなどの栄養が必要なので、幼児の場合は、3食のごはんの他に、おやつ(補食)が必要になります。その必要量は5~10%と言われています。

選択肢2. 学童期は、偏食癖が容易に形成され、個食・孤食・欠食などの習慣が定着しやすい。

正しいです。

 

学童期(6~11歳)は、幼児期に続き、全身の骨格の成長がみられ、歯も乳歯から永久歯へと生え変わる時期です。消化・吸収力や代謝が高まり、活発に運動することも増え、エネルギー代謝は亢進し食欲旺盛になります。また、食生活の基礎ができ、食習慣が確立される時期です。正しい生活習慣を身に付けていくことを大切になります。

選択肢3. 思春期は、一生で最も多くのエネルギーと栄養素が必要である。

正しいです。

 

思春期(12~17歳)は、必要なエネルギー量が最も高い時期です。この時期に栄養素の不足や偏りなどで発育が抑制されると、将来の健康にも悪影響を与えかねません。また、生活習慣が自立するようになり、自ら選んで食事をする機会も増えます。運動量は個人差が大きいため、活動量に合ったエネルギー量を摂取するようにします。この時期の目標は、正しい生活習慣を実行していくことです。

選択肢4. 思春期の女子においては、鉄が不足しやすい。

正しいです。

 

思春期は、著しい体位の向上や女子の場合は月経のため、体内の鉄が不足しやすく、生理的に貧血状態になりやすい原因としては、欠食や偏食、食欲不振などによって、鉄の摂取量が不足することなどが考えられます。

まとめ

どの世代でも健康的な食生活は重要になりますが、その上で各ライフステージでの食を知ることで必要なことが分かります。各時期の特徴を整理して理解していきましょう。

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