調理師の過去問
令和5年度
栄養学 問9

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問題

調理師試験 令和5年度 栄養学 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

高血圧症に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 約90%は、原因が特定できる二次性高血圧である。
  • 発症に、生活習慣は関わるが、遺伝的要因は関わらない。
  • 動脈硬化の危険因子である。
  • 野菜、いも、海藻類の摂取は控える。

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この過去問の解説 (3件)

01

高血圧症は、動脈硬化、脳血管疾患、心疾患、腎臓病等を発症させる危険因子になっています。

 

これは正しい説明を選択する問題なので「高血圧症は、動脈硬化の危険因子である。」が正解です。

 

「危険因子」は、病気の発生に関連があるとされる要因のこと。「リスク」ともいいます。

 

高血圧症の種類、原因、危険因子となる疾患についてはたびたび出題されているので、この問題でおさらいしておきましょう。

選択肢1. 約90%は、原因が特定できる二次性高血圧である。

「約90%」の部分が誤りです。正しくは「約10%は、原因が特定できる二次性高血圧である。」です。

 

(言い換えると、「約90%は、原因の特定できない本態性高血圧である。」)

 

高血圧症は大きく分けて「本態性高血圧」と「二次性高血圧」とがあります。

 

本態性高血圧:全体の約90%を占める。生活習慣、環境、遺伝が影響して血圧が上昇する。基礎疾患といった、高血圧の原因となる特定の原因は見当たらない。

 

二次性高血圧:腎疾患、甲状腺疾患など高血圧を引き起こす原因が特定されている。全体の約10%にとどまる。

選択肢2. 発症に、生活習慣は関わるが、遺伝的要因は関わらない。

誤りです。発症には、生活習慣だけではなく遺伝的要因も関わります。

 

高血圧の大半を占める「本態性高血圧」は、生活習慣、環境、遺伝などが影響して発症します。

選択肢3. 動脈硬化の危険因子である。

正解です。高血圧症は、動脈硬化の危険因子です。

 

動脈硬化とは、血管が老化して硬くなる状態のことです。

 

健康な血管はしなやかで弾力性がありますが、血圧が高い状態続くと血管に負担がかかって老化が進み、血管壁が硬くなってもろくなります。

 

あわせて脂質異常症で血中コレステロールが増えると血管にプラークというコブができやすくなり、血管の損傷、詰まりなどを起こして、心疾患、脳疾患、腎疾患などのリスクを高めます。

選択肢4. 野菜、いも、海藻類の摂取は控える。

誤りです。高血圧を予防・改善するために野菜、いも、海藻類を積極的に摂取することが望ましいです。

 

野菜、いも、海藻類にはカリウム食物繊維が豊富に含まれます。

 

このカリウム、食物繊維には、血圧を上昇させるナトリウムを体外に排出するはたらきがあり、積極的に摂取することは血圧上昇の抑制につながります。

 

まとめ

同じような問題が出題されやすいので、高血圧症の特徴をぜひ覚えておきましょう。

 

 

高血圧症の約90%は、原因が特定されない本態性高血圧です。

 

その原因に生活習慣、環境、遺伝が影響しています。

 

血圧が高い状態が続くと血管の老化が進んで硬くなり、脳疾患、心疾患、腎疾患などの危険因子となる動脈硬化が起こりやすくなります。

 

食事から塩分(ナトリウム)を大量に摂取すると血圧が上昇するので、減塩を心がけ、ナトリウムの排出を促進させるカリウム、食物繊維を野菜、いも類、海藻類などから不足しないよう摂取することが望ましいです。

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02

正解は「動脈硬化の危険因子である。」です。

選択肢1. 約90%は、原因が特定できる二次性高血圧である。

不正解です。

 

高血圧の大部分は特定の原因がない原発性高血圧で、二次性高血圧は、他の医学的条件によって引き起こされる高血圧を指しますが、その割合は比較的少ないです。

 

*医学的条件:腎臓疾患、内分泌障害など

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 発症に、生活習慣は関わるが、遺伝的要因は関わらない。

不正解です。

 

高血圧の発症には、生活習慣(食事、運動、ストレスなど)と遺伝的要因の両方が関与しています。遺伝的傾向は、個々の人々が高血圧になるリスクを増加させる可能性があります。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢3. 動脈硬化の危険因子である。

正解です。

 

高血圧は、動脈硬化の危険因子の1つです。

長期間にわたって高い血圧が続くと、動脈に損傷を与え、動脈硬化の進行を促進する可能性があります。
 

*動脈硬化:血管の壁が厚く硬くなる状態

 

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢4. 野菜、いも、海藻類の摂取は控える。

不正解です。

 

野菜、いも、海藻類の摂取は健康に良いとされており、高血圧の管理にも役立ちます。

これらの食品は、食物繊維、ビタミン、ミネラルを含み、心臓血管系の健康を促進します。

 

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

高血圧は、動脈内の血液の圧力が通常よりも高い状態を指します。

高血圧は、心臓や血管に負担をかけ、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

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03

塩分が多い日本食で関係の深い、高血圧症。その症状は、動脈硬化や心疾患等、危険な生活習慣病の原因になります。特徴を理解し、予防に努めましょう。

選択肢1. 約90%は、原因が特定できる二次性高血圧である。

誤っている選択の為、不正解です。

 

原因が特定できる高血圧症は「二次性高血圧」とされ、全体の10%程になります。一方原因が特定できない高血圧症を「本態性高血圧」と言います。

選択肢2. 発症に、生活習慣は関わるが、遺伝的要因は関わらない。

誤っている為、不正解です。

 

発症には、塩分過多、運動習慣、飲酒等の生活習慣が原因である場合と、遺伝による原因があります。本態性高血圧の60%は遺伝と考えられています。

選択肢3. 動脈硬化の危険因子である。

正しい為、正解です。

 

高血圧によって血管に負荷がかかり、血管の内側にある内皮細胞が傷つき、血管壁にコレステロールや中性脂肪などが沈着して血管が硬くなり、血流が悪くなることが動脈硬化の原因です。

選択肢4. 野菜、いも、海藻類の摂取は控える。

誤っている為、不正解です。

 

野菜やいも、海藻類は高血圧の改善に役立ちます。野菜に含まれる「GAVA」が血圧上昇を抑える役割があると話題です。

まとめ

高血圧の原因や特徴を問う問題です。日常生活の中でもイメージしやすい所もあるので、実生活で意識してみることで気付いていきましょう。

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