調理師 過去問
令和6年度
問2 (公衆衛生学 問2)
問題文
「健康とは、肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または虚弱の存在しないことではない。」と定義したものとして、正しいものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和6年度 問2(公衆衛生学 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
「健康とは、肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または虚弱の存在しないことではない。」と定義したものとして、正しいものを一つ選びなさい。
- 日本国憲法
- WHO(世界保健機関)憲章
- アルマ・アタ宣言
- オタワ憲章
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題におけるポイントは定義を唱えている機関を把握しておくことです。それぞれの役割を覚えておくことが大切です。
日本国憲法には「健康」に関する具体的な定義はありません。憲法第25条では「生存権」として「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」が保障されていますが、健康の定義としては適切ではないです。
WHO憲章(1946年)において、「健康とは、単に病気や虚弱がないということではなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態である」と定義されています。
アルマ・アタ宣言(1978年)は、「プライマリ・ヘルス・ケア(PHC)」に関する国際的な声明であり、健康の定義そのものを定めたものではないです。
オタワ憲章(1986年)は健康増進(ヘルスプロモーション)に関する国際的な枠組みを示したものであり、健康の定義そのものを定めたものではないです。
WHO(世界保健機関)の健康の定義を覚えておくことの他にそれぞれの内容を把握しておくことも大切です。
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02
正解は「健康とは、肉体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病または虚弱の存在しないことではない。」です。
これは、調理師試験では繰り返し出題されている WHO(世界保健機構)憲章の健康 の定義の文章です。
「肉体的」「精神的」「社会的」「 単に疾病や虚弱でない」という特徴的なキーワードが出てきたらWHOと覚えておきたいです。
各選択肢についてもみていきましょう。
誤りです。この定義はWHO(世界保健機構)の憲章として定めたものなので、日本国憲法ではありません。
日本国憲法では、25条で公衆衛生について定義しており、そこには
「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
「国は、すべて の生活部面について社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
と記載があります。(関連する問題は今年の試験でも出ていました。)
正解です。 これはWHO(世界保健機関)憲章で定めた健康の定義です。
WHOは健康の定義において
「病気や虚弱ではない」というだけでは本当の健康とは言わない。肉体的、精神的、社会的にも完全に良好な状態こそが本当の健康だ、と提唱しています。
誤りです。 「健康は基本的人権」と宣言したのがアルマ・アタ宣言です。
「アルア・マタ」というのはカザフスタンにあった地名です。
1978年にアルア・マタで会議が開催され「全ての人に健康を」というスローガンを達成するための保健医療活動「プライマリ・ヘルスケア」(PHC)が採択されました。
その際に「世界中の全ての人が健康を得る権利がある」と提唱したのが、アルア・マタ宣言です。
誤りです。オタワ宣言は「ヘルスプロモーション」に関する宣言です。
WHOが定義した「肉体的、精神的および社会的に良好な状態」を実現するための取り組みが、ヘルスプロモーションといえるでしょう。
カナダの首都オタワで1986年に国際会議で開催され、ヘルスプロモーションに関するオタワ憲章が提唱されました。
ヘルスプロモーションとは、人々が自らの健康をコントロールし、改善することができるようにするためのプロセスについて提唱したものです。
健康の定義、日本国憲法(第25条)、アルア・マタ宣言、オタワ宣言はいずれもWHOと関連しています。それぞれの内容をきちんとおさえておきましょう。
また、アルア・マタ宣言とオタワ宣言はどちらも地名が入って名前がまぎらわしいので、間違えないように気を付けたいです。
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