調理師 過去問
令和6年度
問13 (食品学 問3)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

調理師試験 令和6年度 問13(食品学 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

果実に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞による。
  • かんきつ類は、液果類(漿果(しょうか)類)に分類される。
  • 甘がきは、渋みの主成分であるタンニンを含まない。
  • すいかの果肉の赤色成分は、アントシアニンである。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

この問題は植物性食品の中で果実類の問題です。それぞれの特性を理解しておくことが重要です。

選択肢1. 日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞による。

日本なし(和梨)の果肉には、リグニンを含む「石細胞」が多く含まれており、ざらざらとした食感を生み出します。

選択肢2. かんきつ類は、液果類(漿果(しょうか)類)に分類される。

かんきつ類は、準仁果類に分類されています。

液果類(漿果(しょうか)類)に分類されているのは、ぶどう・いちご・いちじく等です。


 

選択肢3. 甘がきは、渋みの主成分であるタンニンを含まない。

甘がきもタンニンを含みますが、果肉のタンニンが不溶化しているため渋みを感じないです。

選択肢4. すいかの果肉の赤色成分は、アントシアニンである。

すいかの果肉の赤色成分は「リコピン」であり、アントシアニンではないです。

まとめ

果実の特性、成分を理解しておくことが大事です。特に色素や分類を学ぶことが重要です。

参考になった数49

02

正解は、「日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞による。」です。

 

各選択肢については、以下のとおりです。

選択肢1. 日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞による。

正解です。

選択肢2. かんきつ類は、液果類(漿果(しょうか)類)に分類される。

誤りです。

 

かんきつ類は、準仁果類に分類されています。

液果類(漿果(しょうか)類)に分類されているのは、ぶどう・いちご・いちじく等です。

選択肢3. 甘がきは、渋みの主成分であるタンニンを含まない。

誤りです。

 

甘がきは、渋みの主成分であるタンニンを含んでおります。

選択肢4. すいかの果肉の赤色成分は、アントシアニンである。

誤りです。

 

すいかの果肉の赤色成分は、リコピンです。

アントシアニンは、植物界の色素です。

参考になった数11

03

正解は「日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞による。」です。

 

調理師試験では「日本なし」ときたら「食感」「石細胞」がセットで出てくることが多いです。

 

その点を覚えていれば、ほかの選択肢で迷っても正解に導くことができます。

 

では、各選択肢について説明していきます。

選択肢1. 日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞による。

そのとおり、日本なしの独特なざらざらした食感は、果肉中の石細胞によります。

 

石細胞(せきさいぼう)は、細胞が厚く硬くなったもので、植物の組織に含まれ、植物を保護する役割を持ちます。

 

野菜や果物の皮に含まれますが、石細胞を含む、といえば「日本梨」がおなじみです。

 

日本なしは果肉に石細胞が多く含まれているため、シャリシャリとした独特の食感を生み出しています。

 

ちなみに、主な梨には日本梨(和梨)と洋なしがあり、名前に「日本」が付くかどうかがポイントです。洋なしは石細胞がほとんど含まれておらず、果肉は柔らかくて日本なしのようなシャリシャリ感はありません。

選択肢2. かんきつ類は、液果類(漿果(しょうか)類)に分類される。

誤りです。かんきつ類は「準仁果類」に分類されています。

 

果実は分類の仕方がとても多く、覚えるのは大変です。その中で、代表的なものはチェックしておきましょう。

 

液果(漿果)類に分類されるのはブドウやキウイフルーツなど。果肉に水分が多いのが特徴。

 

準仁果類に分類されるのはかんきつ類。「仁果類」(りんご、梨など)のように子房が発達し、種子を含みますが、仁果類とは形態が異なります。

 

液果(漿果)類: ぶどう キウイフルーツ

仁果類   : りんご 梨

準仁果類  : かんきつ類

核果類   : 桃 さくらんぼ

熱帯果実類 : バナナ パインアップル

果菜類   : すいか メロン 

堅果類   : くるみ 栗

選択肢3. 甘がきは、渋みの主成分であるタンニンを含まない。

誤りです。甘がきにもタンニンは含まれています。

 

熟しておらず食べると渋味のある状態の柿は渋がき、熟して甘くなっている状態の柿が甘がきです。

 

タンニンは強い渋みのもとになる成分で、柿、茶葉、ワインなどに含まれます。

 

熟していない柿が渋くて食べられないのは、このタンニンが含まれているためです。ただ、甘がきになってもタンニンは含まれています。

 

渋がきが渋いのは、タンニンが不溶性で食べた時に渋味を感じやすくなるためです。しかし、柿が成熟するとタンニンは水溶性になります。すると食べた時に渋味を感じにくくなるので、甘がきは甘くおいしい状態で食べられるのです。

選択肢4. すいかの果肉の赤色成分は、アントシアニンである。

誤りです。すいかの果肉の赤色はリコピンです。

 

アントシアニンは野菜や果物に含まれる青紫系の色素。なす、ぶどう、黒豆、紫キャベツ、いちごなどに含まれています。

 

リコピンは野菜や果物に含まれる赤、だいだい色の色素。トマトが有名ですが、にんじん、柿にも含まれます。

まとめ

日本なしに含まれる石細胞、果物や野菜に含まれる色素のアントシアニン、リコピン、渋味のもとになるタンニンについては、同じような問題が出やすいので、確実に覚えておきましょう。

参考になった数10