調理師 過去問
令和6年度
問18 (栄養学 問2)

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問題

調理師試験 令和6年度 問18(栄養学 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

糖質に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • ヒト成人の体内には、体重の5%存在する。
  • 身体の機能を調節する働きがある。
  • 筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用される。
  • ビタミンB6が欠乏すると、体内におけるエネルギー源としての利用性が低下する。

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この過去問の解説 (3件)

01

人体における糖質の役割の問題です。人体に対しての比率、働き方を理解することが重要です。

選択肢1. ヒト成人の体内には、体重の5%存在する。

糖質(グルコースなど)は、体内に大量に蓄積されるわけではなく、主にグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されています。

選択肢2. 身体の機能を調節する働きがある。

糖質は主にエネルギー源として利用され、ホルモンのように身体機能を調節する役割ではないです。

選択肢3. 筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用される。

筋肉に貯蔵されているグリコーゲンは、運動時に分解されてエネルギーとして利用されます。

選択肢4. ビタミンB6が欠乏すると、体内におけるエネルギー源としての利用性が低下する。

ビタミンB6は、アミノ酸代謝に関与しますが、糖質のエネルギー利用には直接関係しないです。

まとめ

糖質が人体に対してどのように働くかを理解しておくことが大切です。

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02

正解は、「筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用される。」です。

 

各選択肢については、以下のとおりです。


 

選択肢1. ヒト成人の体内には、体重の5%存在する。

誤りです。

 

人の体内には糖質は存在しません。

選択肢2. 身体の機能を調節する働きがある。

誤りです。

 

糖質の役割は、脳・神経組織・赤血球などにグルコースを供給することです。

選択肢3. 筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用される。

正解です。

 

筋肉収縮のためのエネルギー源としてのみ利用されます。

選択肢4. ビタミンB6が欠乏すると、体内におけるエネルギー源としての利用性が低下する。

誤りです。

 

ビタミンB6が欠乏すると、体内におけるエネルギー源としての利用性が上昇します。

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03

正解は「筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用される。」です。

 

私たちはエネルギー源として食物から「糖質」を摂取しますが、体内では糖質は「グルコース」や「グリコーゲン」に変換され、エネルギー源として貯蔵されます。筋肉には筋肉のエネルギー源として「グリコーゲン」が貯蔵され、筋肉にエネルギーが必要になった時にそのエネルギー源として利用されていきます。

 

糖質は、体内ではグルコースという形で血液中に、グリコーゲンという形で肝臓や筋肉などに貯蔵されますが、筋肉グリコーゲンは筋肉のためのエネルギー源で、筋肉のためにしか利用されません。この選択肢はそのことを言っているのでしょう。

 

では、各選択肢をみていきましょう。

選択肢1. ヒト成人の体内には、体重の5%存在する。

誤りです。「5%」が正しくありません。

 

成人の場合、体内を構成する成分の割合は、おおよそ以下のようになっています。

 

水 約60%

たんぱく質 約15%

脂質 約20%

無機質(ミネラル) 約5%

糖質 1%未満 

 

体内に含まれる糖質は1%未満とごく少量です。

 

 

 

選択肢2. 身体の機能を調節する働きがある。

誤りです。糖質はエネルギー源であり、体内で身体の機能を調節する働きには直接関わっていません。

 

主に身体の機能を調節しているのはホルモンで、その主な材料になる成分は脂質、アミノ酸などとなっています。

選択肢3. 筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用される。

そのとおり、筋肉グリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として利用されていきます。

 

筋肉に貯蔵されるグリコーゲン(筋肉グリコーゲン)は、運動時など筋肉でエネルギーが必要な時、筋肉にエネルギーを供給するために使われていきます。(筋肉グリコーゲンは筋肉だけにしか使われない、ということです。)

選択肢4. ビタミンB6が欠乏すると、体内におけるエネルギー源としての利用性が低下する。

誤りです。ビタミンB6は体内で糖質のエネルギーの利用性に直接関わっていないので、糖質のエネルギー源としての利用性が低下・上昇することはない、と考えられます。

 

ビタミンB6はたんぱく質の代謝に欠かせない栄養素なので、ビタミンB6が欠乏するとたんぱく質からアミノ酸を合成したりたんぱく質をエネルギー源として利用したりする力は低下する、と考えます。

 

また、糖質の代謝に必要な栄養素はビタミンB1なので、ビタミンB1が欠乏した場合には糖質をエネルギー源へスムーズに変換することができず、エネルギー源としての利用性が低下してしまいます

まとめ

糖質は私たちの主要なエネルギー源ですが、体内ではグルコースやグリコーゲンに変換されるので、体内には糖質という形ではほとんど存在しません。

 

また、筋肉に貯蔵される筋肉グリコーゲンは筋肉のエネルギー源だけに使用され、ビタミンB1が欠乏すると糖質がエネルギー源にスムーズに変換されなくなり、エネルギー不足(疲労や倦怠感)の原因につながってしまいます。

 

糖質に関しては、食品学、栄養学の過去問題を解いて、特性をしっかり把握しておきましょう。

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