調理師 過去問
令和6年度
問19 (栄養学 問3)
問題文
脂質に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
調理師試験 令和6年度 問19(栄養学 問3) (訂正依頼・報告はこちら)
脂質に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- レシチンは、代表的な単純脂質である。
- 脂質は、糖質と比べて胃内の停滞時間が長い。
- コレステロールは、体内で合成されるよりも食事から摂取するほうが多い。
- 胆汁酸は、中性脂肪を原料として合成される。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
脂質が人体に対してどのように、働くかの問題です。脂質との関係、役割を整理することが重要です。
レシチン(ホスファチジルコリン)は、リン脂質(複合脂質)の一種であり、単純脂質ではないです。
脂質は消化に時間がかかるため、胃内に長く留まります。糖質(炭水化物)は比較的早く消化・吸収されます。
コレステロールは、体内(肝臓)で合成される量が食事からの摂取量よりも多いです。
胆汁酸は、コレステロールを原料として肝臓で合成されます。
脂質は糖質よりも効率的なエネルギーです。脂質の成分、分類、種類等を整理し理解しておくことが重要です。
参考になった数36
この解説の修正を提案する
02
正解は、「脂質は、糖質と比べて胃内の停滞時間が長い。」です。
各選択肢については、以下のとおりです。
誤りです。
レシチンは、代表的なリン脂質です。
正解です。
脂質>たんぱく質>糖質 の順に長いです。
誤りです。
コレステロールは、食事から摂取するよりも体内で合成される方が多いです。
誤りです。
胆汁酸は、コレステロールを原料として合成されます。
参考になった数14
この解説の修正を提案する
03
正解は 「脂質は、糖質と比べて胃内の停滞時間が長い。」 です。
これは、三大栄養素の糖質、たんぱく質、脂質について、それぞれ胃内の停滞時間が違うことを知っているかがポイントです。
胃内の停滞時間は、短い方から順に
1.糖質
2.たんぱく質
3.脂質
です。
つまり、糖質が一番胃内の停滞時間が短い、消化吸収が早い、
逆に、脂質が一番胃内の停滞時間が長い、消化吸収が遅い
…ということになります。
では、各選択肢をみていきましょう。
誤りです。レシチンは「単純脂質」ではなく「複合脂質」です。複合脂質のリン脂質といえばレシチンが代表的なので、ぜひ覚えておきましょう。
脂質は大きく分けて単純脂質・複合脂質・誘導脂質の3つがあり、レシチンは複合脂質に分類されます。
さらに、複合脂質の種類にはリン脂質、糖脂質、リポタンパク質があり、レシチンはリン脂質の一種にあたります。
レシチンは脂質にリン酸などの成分が結合した「リン脂質」の一種です。水や油になじみやすい性質を持っていて人体では細胞膜に含まれます。
また、レシチンは食品では大豆や卵黄に含まれ、乳化剤にも使われます。
そのとおり、脂質は、糖質と比べて胃内の停滞時間が長いです。脂っこいものを食べ過ぎると胃もたれすることにも関連しています。
胃は、送られてきた食物を分解してかゆ状して消化しやすくしてから腸へ送る消化器官ですが、糖質、たんぱく質、脂質はそれぞれ消化・吸収にかかる時間が異なります。
糖質、たんぱく質、脂質を分解するのが消化酵素で、それぞれ分泌される器官が異なります(口内、胃、十二指腸など)。
糖質は唾液や胃液に含まれる酵素によって分解されるので消化に時間がかからず、胃内の停滞時間が短いです。たんぱく質も胃液に含まれる酵素よって分解されるので、脂質よりは胃内の停滞時間は短いです。
そして、脂質を分解する消化酵素は胃では分泌されず十二指腸(すい臓)や小腸で分泌されるので、胃では分解されません。そのため、胃内の停滞時間が長く、消化に時間がかかります。
誤りです。逆で、コレステロールは体内で合成される方が多いです。
コレステロールは肝臓で合成され、体内のコレステロールの大半が体内で合成されたものとなっています。
誤りです。中性脂肪ではなくコレステロールを原料として合成されます。
胆汁酸は、脂肪の消化を促進する胆汁の主成分です。肝臓でコレステロールを原料として作られ、胆汁は肝臓から胆のうにいったん送られ貯蔵されます。そして、胃から脂質が十二指腸へ送られてくると、胆汁を十二指腸に送り込んで脂質の消化を助けます。
脂質は種類や特性が複雑で覚えることが多いので、過去問題を繰り返し解くなどして自信をつけておきましょう。
参考になった数11
この解説の修正を提案する
前の問題(問18)へ
令和6年度 問題一覧
次の問題(問20)へ