調理師 過去問
令和6年度
問27 (食品衛生学 問2)
問題文
食中毒の原因菌に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和6年度 問27(食品衛生学 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
食中毒の原因菌に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- サルモネラ属菌は、芽胞を形成する。
- ボツリヌス菌は、増殖に酸素が必要な好気性菌である。
- エルシニア・エンテロコリチカは、4℃以下でも増殖できる低温菌である。
- カンピロバクター・ジェジュニ/コリは、食品内で毒素をつくる。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、「エルシニア・エンテロコリチカは、4℃以下でも増殖できる低温菌である。」です。
各選択肢については、以下のとおりです。
誤りです。
サルモネラ属菌は、芽胞を形成しません。
芽胞を形成するのは、ウェルシュ菌やボツリヌス菌等の偏性嫌気性菌です。
誤りです。
ボツリヌス菌は、酸素があると増殖ができない偏性嫌気性菌です。
増殖に酸素が必要な好気性菌は、かびです。
正解です。
誤りです。
カンピロバクター・ジェジュニ/コリは、家畜(ウシや豚)・ペット(猫や犬)など動物の消化管の中で毒素を作ります。
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02
この問題は、食中毒の原因菌に関する正しい記述を選ぶものです。食中毒を起こすのは調理師において、一番やってはいけないことです。それぞれの選択肢について解説します。
サルモネラ属菌は芽胞を形成しません。主に卵や鶏肉などに存在し、熱に弱いので加熱調理が有効です。
ボツリヌス菌は嫌気性菌(酸素がない環境で増殖)です。真空パック食品や缶詰などで繁殖しやすいです。
エルシニア・エンテロコリチカは「低温細菌」で、冷蔵庫内でも増殖します。 豚肉や井戸水に存在し、食肉の加熱が重要です。
カンピロバクターは食品内で毒素を作らず、腸内で増殖して食中毒を引き起こします。 主に鶏肉が原因となりやすく、生肉の取り扱いに注意が必要です。
食中毒に関する問題は、その原因菌と特徴を組み合わせますので、必ずまとめておくことが重要です。
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03
正解は「エルシニア・エンテロコリチカは、4℃以下でも増殖できる低温菌である。」です。
多くの細菌は10℃以下で増殖しにくくなるのですが、エルシニア・エンテロコリチカは4℃以下でも増殖できる、という特徴があります。
ほかの3つの選択肢に出てくる微生物も問題に出やすいので、それぞれの特徴をしっかり覚えておきたいです。それでは、各選択肢をみてみましょう。
誤りです。サルモネラ属菌は芽胞を形成する細菌ではありません。
芽胞を形成する細菌には、ウェルシュ菌、セレウス菌、ボツリヌス菌などがあります。芽胞を形成した細菌は耐久性が強くなり、加熱や乾燥をしても完全に死滅しなくなるという特徴があります。
誤りです。ボツリヌス菌は増殖に酸素を必要としません。好気性菌ではなく、酸素が少ないところで増殖する「偏性嫌気性菌」です。
そのため、びん詰めなど酸素の少ない食品でボツリヌス菌食中毒が起こることがあります。
そのとおり、エルシニア・エンテロコリチカは、4℃以下でも増殖できる低温菌です。
エルシニア・エンテロコリチカは豚肉に感染していることが多い細菌です。加熱によって死滅しますが、低温保存しても増殖しやすいため、豚肉は調理時にしっかり火を通すことが大切です。
誤りです。カンピロバクター・ジェジュニ/コリは毒素を作らない細菌です。
細菌性の食中毒は、大きく分けて食品内で毒素を作る「毒素型」と、食品と一緒に体内へ取り込んだ細菌が感染して発症する「感染型」があります。
カンピロバクター・ジェジュニやカンピロバクター・コリは、汚染された食品を食べることで消化器官に感染して炎症を起こす「感染型食中毒」です。
牛、豚、鶏肉に感染していることが多く、特に完全に火の通っていない鶏肉(鳥刺し、タタキなど)からの感染による食中毒が起こりやすくなっています。
今回出てきた細菌は調理師問題で繰り返し出題されているので、過去問題にしっかり目を通すなどして確実におさえておきましょう。特に「カンピロバクター」は出やすいので、特徴をおさらいしておきたいです。
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