調理師 過去問
令和6年度
問30 (食品衛生学 問5)
問題文
食品添加物に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和6年度 問30(食品衛生学 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
食品添加物に関する記述について、誤っているものを一つ選びなさい。
- 既存添加物は、天然添加物として使用実績があったものである。
- わが国では、ポジティブリスト制度を採用している。
- 一日摂取許容量(ADI)は、無毒性量と同じである。
- キャリーオーバーに該当する食品添加物は、表示が免除される。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は「食品添加物に関する記述について、誤っているものを選ぶ」ものです。食品添加物の知識を正しく理解することが大切です。それぞれの選択肢について解説します。
既存添加物とは、1995年の食品衛生法改正時に長年使用実績がある天然添加物として認められたものです。
日本では食品添加物はポジティブリスト方式(使用可能なものを明確に指定)で管理されています。指定された添加物以外は使用できないです。
ADI(Acceptable Daily Intake)は無毒性量(NOAEL:No Observed Adverse Effect Level)を安全係数(通常100)で割って求めます。無毒性量と同じではなく、安全係数を考慮しています。
キャリーオーバーとは、食品の製造過程で使用されるが、最終製品には効果を持たない添加物です。例を挙げると加工食品の原材料由来でごく微量含まれるが、最終食品に影響を与えないもので、表示義務は免除されます。
食品添加物に関する問題は食品衛生法に基づきますので、十分に理解する必要があります。特に食品添加物の規制についてまとめることが大切です。
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02
“誤っているもの”を選ぶ問題なので「一日摂取許容量(ADI)は、無毒性量と同じである。」を選ぶのが正解となります。
一日摂取許容量(ADI)と無毒性量(NOAEL)は同じではありません。
一日摂取許容量(ADI)は、動物実験で得た無毒性量(NOAEL)に安全係数として1/100をかけて算出するので、数値は同じになりません。
調理師試験に出てくるので、一日摂取許容量(ADI)の定義は覚えておきましょう。では、各選択肢をみていきましょう。
そのとおり、既存添加物は、天然添加物として使用実績があったものです。
既存添加物は、長い間使用されてきた天然添加物で例外的に国の指定なしに使用や販売をすることのできる食品添加物です。
そのとおり、わが国では、食品に直接触れる器具や包装を対象にポジティブリスト制度を採用しています。
ポジティブリスト制度は、食品用器具・容器包装に対し、安全性が確保されている物質のみを使用しても良いと定めた制度です。
調理師試験対策としては、食品ではなく器具や包装が対象になっていることをしっかり覚えておきたいです。
また、ポストハーベスト(収穫後の農作物に使用する農薬のこと)と名前が似ているので、間違えないようにしたいです。
記述が正しくないため、こちらの選択肢を選ぶのが正解となります。一日摂取許容量と無毒性量は同じではありません。それぞれの定義は以下のとおりです。
無毒性量(NOAEL): 動物を対象とした毒性実験で健康に悪影響が出なかった量
↓無毒性量に安全係数として1/100をかけたものをヒトの一日摂取許容量とする
一日摂取許容量(ADI): ヒトが一生、毎日食べ続けたとしても健康に悪影響が出ないとされる、1日あたりの摂取量
そのとおり、キャリーオーバーに該当する食品添加物は、表示が免除されます。
「キャリーオーバーに該当する食品添加物」とは、製造過程で使用され最終的に食品に残ったとしても、ごく微量で添加物として影響しない物を指します。
この問題に出てくる用語はどれも調理師試験に出やすいので、テキストや過去問題にしっかり目を通して、どれが誤りかスムーズに判別できるようにしておきましょう。
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