調理師 過去問
令和6年度
問49 (調理理論 問9)
問題文
なすの調理特性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
調理師試験 令和6年度 問49(調理理論 問9) (訂正依頼・報告はこちら)
なすの調理特性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- なすに含まれる天然色素は、アスタキサンチンである。
- なすのぬか漬けは、さびた古釘やミョウバンを加えると紫色が安定する。
- なすの煮物料理は、鮮やかな紫色を保つために煮る前に高温の蒸気で加熱する。
- なすは、素揚げにすると紫色が退色し、油中に溶け出る。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
この問題はナスの調理特性に関する正しい記述を選ぶ問題です。アントシアニン系色素は酸性で安定し、鉄イオンと結合すると発色が良くなることを理解する事が大切です。それぞれの問題文を解説します。
ナスの紫色は「アントシアニン系色素(ナスニン)」によるものです。アスタキサンチンはエビやカニなどの甲殻類やサケに含まれる赤色系の色素で、ナスには含まれないです。
ナスの色素(アントシアニン)は酸性条件で安定し、アルカリ性で変色します。ミョウバンは酸性で色を安定させる作用があり、また 鉄イオン(古釘)と結合すると紫色が鮮やかに発色します。
ナスの色素(アントシアニン)は 加熱やアルカリ環境で退色しやすいです。蒸気による加熱ではなく、酢を少し加えるなど酸性環境を維持することが色の保持に役立ちます。
ナスのアントシアニン色素は油に溶けやすく、揚げると退色しやすいです。しかし、「紫色が油に溶ける」という表現がやや不正確であり、最も正しい選択肢は「なすのぬか漬けは、さびた古釘やミョウバンを加えると紫色が安定する。」です。
なすの調理特性においてなすの色素について理解することが大切です。食材の持つ色素をそれぞれ、まとめておくことが重要です。
参考になった数19
この解説の修正を提案する
02
正解は「なすのぬか漬けは、さびた古釘やミョウバンを加えると紫色が安定する。」です。
これは、なすの皮に含まれる色素のアントシアニンがさびた古くぎやミョウバンの金属イオンと結合すると色が鮮やかになるためです。
茄子紺(なすこん)色という色の名前もあるほど、なすはその美しい紫色も魅力の一つとされてきました。
しかし、紫色のもととなるアントシアニンは水溶性のため煮汁などに溶けだしやすく、調理の仕方によっては色があせてしまいます。そこで、美しい紫色を保つため、油、ミョウバンなどを使ってアントシアニンを安定化させているのです。
では、各選択肢をみていきましょう。
誤りです。なすにアスタキサンチンは含まれません。
アスタキサンチンはエビ、カニや鮭の赤色のもとになる色素です。
アントシアニンと名前が似ているので、覚え間違え、見間違えに気を付けましょう。
その通り、なすのぬか漬けは、さびた古釘やミョウバンを加えると紫色が安定します。
ミョウバンはアルミニウムを含む食品添加物で、主になすの漬物の変色防止、アク抜き、煮崩れ防止などに使われています。
ミョウバンやさびた古釘に含まれるアルミニウムや鉄の金属イオンは、アントシアニンと反応すると色を安定させるので、なすの漬物の変色を防止することができます。
誤りです。高温の蒸気で加熱しても、なすの紫色を保つ効果は期待できません。
アントシアニンは熱に弱く、水にも溶けだしやすいので、なすを高温の蒸気で加熱すると退色してしまいます。
もしなすの色を保つ目的で下処理をするならば、油で炒める、素揚げする、といった水を使わない方法が適切です。
誤りです。「素揚げ」しても紫色は退色しません。また、アントシアニンは水溶性なので、水には溶けますが油には溶け出ません。
素揚げは、食材に衣をつけずに油で揚げる調理法です。
食材の表面が油の膜でコーティングされるので、その後に煮物に使っても色が煮汁に溶け出なくなります。そのため、なすは素揚げすると鮮やかな紫色を保つことができます。
食品と含まれる天然色素の組み合わせはしばしば出題されています。特になす×アントシアニンについては同じような問題が出やすくなっています。
調理の経験からすでにご存じの方もいると思いますが、色素の名前や特性は覚え間違えのないよう確認しておきたいですね。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問48)へ
令和6年度 問題一覧
次の問題(問50)へ