中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
運営管理 問33

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和4年度(2022年) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)

物流におけるユニットロードおよびその搬送機器に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 一貫パレチゼーションの推進は、荷役作業の効率化につながる。
  • パレチゼーションの目的は、輸送中における貨物の温度管理をすることである。
  • 平パレット1枚に積載できる貨物量は、積載する貨物のサイズによって決まり、重量は無関係である。
  • ユニットロード化を推進しようとすると、モーダルシフトが困難になる。
  • ロールボックスパレットは、それ自体を上方向に積み重ねて使用することにより、商品の保管効率を高めることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

選択肢1. 一貫パレチゼーションの推進は、荷役作業の効率化につながる。

一貫パレチゼーションとは、出発地から到着地まで、パレットなどの同じ輸送機器に荷物を載せたまま、輸送することです。

一貫パレチゼーションのメリットとしては、荷役作業を大幅に低減することがあげられます。

選択肢2. パレチゼーションの目的は、輸送中における貨物の温度管理をすることである。

パレチゼーションの目的は、パレットなどに商品を載せることで、フォークリフトを用いてパレットごと積み替えを行うことができ、輸送作業や荷役作業の効率化を図ることです。

選択肢3. 平パレット1枚に積載できる貨物量は、積載する貨物のサイズによって決まり、重量は無関係である。

平パレットとは、上部構造物がなく、フォークリフトで使用できるフォークの差込口があるパレットです。

積載できる貨物量は、貨物のサイズだけでなく、重量にも影響されます。

選択肢4. ユニットロード化を推進しようとすると、モーダルシフトが困難になる。

ユニットロード化とは、貨物をパレットやコンテナなどの単位にユニット化することです。

ユニットロード化された貨物の輸送には、鉄道や船舶の利用が向いており、モーダルシフトが推進されます。

選択肢5. ロールボックスパレットは、それ自体を上方向に積み重ねて使用することにより、商品の保管効率を高めることができる。

ロールボックスパレットとは、網状または格子状のスチール製の枠で覆われた、カゴ状の容器にキャスターを装着した運搬用の台車のことです。

一般の台車とは異なり、荷物を高く積み重ねることができます。

ロールボックスパレット自体を上方向に積み重ねて使用することはありません。

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02

物流におけるユニットロードおよびその搬送機器に関する問題です。

選択肢1. 一貫パレチゼーションの推進は、荷役作業の効率化につながる。

正解の選択肢となります。

選択肢2. パレチゼーションの目的は、輸送中における貨物の温度管理をすることである。

他の選択肢で述べられていますが、パレチゼーションの目的は荷役作業の効率化です。

 

トラックの荷台への積み下ろしの際に、パレットを用いて荷物を積み付け、フォークリフトでパレットごと積み下ろしすることで作業時間が大幅に短縮化されます。

人手に頼っていた作業を機械化するため、作業負荷も大幅に軽減されます。

選択肢3. 平パレット1枚に積載できる貨物量は、積載する貨物のサイズによって決まり、重量は無関係である。

平パレット1枚に積載できる貨物の重量は、上限が設定されています

 

極端な例を挙げると、平パレットに鉄鋼を載せると平パレットは潰れてしまいます。

また、鉄鋼が重すぎるためフォークリフトで持ち上げることもできません。

選択肢4. ユニットロード化を推進しようとすると、モーダルシフトが困難になる。

ユニットロード化を推進すると、モーダルシフトがしやすくなります。

選択肢5. ロールボックスパレットは、それ自体を上方向に積み重ねて使用することにより、商品の保管効率を高めることができる。

ロールボックスパレットは、それ自体を上方向に積み重ねて使用することはできません

 

ロールボックスパレットとはカゴ車とも呼ばれており、物流倉庫や宅配便の集配拠点などで用いられています。

まとめ

【補足】

過去に出題されたことがありますが、パレチゼーションのデメリットとしては積載効率の低下が挙げられます。

 

人手により荷物を積み上げればトラックの荷台に隙間なく荷物を積むことができますが、荷下ろしに非常に時間がかかり、作業負荷も大きいです。

人海戦術により複数の作業員で荷役作業を行なえば荷役効率は上がりますが、人件費負担が大きくなります。

パレチゼーションを行なうことにより、荷台にデッドスペースが生まれて積載効率が低下するものの、積載効率の低下を補って余りあるだけの荷役作業の効率化が実現します。

 

言い換えると、荷役効率と積載効率はトレードオフ(こちらを立てると、あちらが立たない)の関係にあるということになります。

 

昨今では、トラックドライバー不足により企業間で連携して共同配送などの取り組みが進められています。

その一環として、荷台のデッドスペース部分に別の荷物を積み付けるなどして、輸送回数を減らすとともにパレチゼーションによる積載効率低下を補うことにもつながっています。

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03

物流に関する知識が問われています。

選択肢1. 一貫パレチゼーションの推進は、荷役作業の効率化につながる。

一貫パレチゼーションとは発地から到着地まで同じパレットで輸送することで荷役作業を効率化することを指します。そのため本選択肢が正解です。

選択肢2. パレチゼーションの目的は、輸送中における貨物の温度管理をすることである。

パレチゼーションの目的は温度管理ではなく、複数の荷物を一つのパレットの上で取り扱うことで作業の効率化を図ることです。そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 平パレット1枚に積載できる貨物量は、積載する貨物のサイズによって決まり、重量は無関係である。

1枚のパレットをフォークリフトなどで取り扱う関係上、貨物の重量による制限もあります。そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. ユニットロード化を推進しようとすると、モーダルシフトが困難になる。

ユニットロードは多種の荷物をパレットやコンテナなどにまとめて取り扱うことをです。

モーダルシフトとは環境負荷が高いと言われるトラック輸送から、環境負荷が低い鉄道や海運に輸送手段を変更することです。

ユニットロード化の推進がモーダルシフトを妨げるとは考えにくいため、本選択肢は不正解です。

選択肢5. ロールボックスパレットは、それ自体を上方向に積み重ねて使用することにより、商品の保管効率を高めることができる。

ロールボックスパレットとは柵がついたパレットのことです。運送中にそれを上方向に積み上げて使用することはありえないため、本選択肢は不正解です。

まとめ

物流用語の問題も例年出題される傾向にあります。そのため基本的な知識は学習しておく必要があると考えられます。

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