技術士の過去問
平成27年度(2015年)
基礎科目「解析に関するもの」 問15
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問題
技術士 第一次試験 平成27年度(2015年) 基礎科目「解析に関するもの」 問15 (訂正依頼・報告はこちら)
数値解析の誤差に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 浮動小数点演算において近接する2数の引き算では、有効桁数が失われる桁落ち誤差を生じることがある。
- 非線形現象を線形方程式系で近似しても、線形方程式の数値計算法が数学的に厳密であれば、得られる結果には数値誤差はないとみなせる。
- テイラー級数展開に基づき微分方程式を差分方程式に置き換えるときの近似誤差は、格子幅によらずにほぼ一定値となる。
- 有限要素法の要素分割を細かくすると近似誤差は大きくなる。
- 数値計算の誤差は対象となる物理現象の法則で定まるので、計算アルゴリズムを改良しても誤差は減少しない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.適切です
浮動小数点演算では、値の近い二つの数を引き算する際、その有効桁数が落ちてしまう現象(桁落ち)が発生します。
2.不適切です
非線形現象を線形方程式系で近似すると、誤差が生じます。
3.不適切です
近似誤差は格子幅が小さいほど小さくなるため、近似の精度が向上します。
4.不適切です
要素分割を細かくすると近似誤差は小さくなります。
5.不適切です
計算アルゴリズムにおいて、格子幅や要素分割を細かくすることで、近似誤差を減少することができます。
よって、1が正解です。
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02
1. 「桁落ち」は、近い数を引き算することで、有効数字が少なくなってしまう現象のことなので、この選択肢は適切になります。
2. 非線形現象を線形方程式系で近似した場合は、必ず誤差が生じますので、この選択肢は不適切です。
3. テイラー級数展開に基づき微分方程式を差分方程式に置き換える際には、格子幅を小さくするほど、近似誤差も小さくなるため、この選択肢も不適切です。
4. 有限要素法の要素分割(メッシュ)を細かくするほど、近似誤差は小さくなるため、この選択肢は不適切です。
5. 数値計算の計算アルゴリズムにおいて、たとえば3.や4.の選択肢のように、格子幅や要素分割(メッシュ)を改良することにより、誤差が減少するケースもしばしばあるため、この選択肢も誤りとなります。
したがって、正解選択肢は1となります。
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03
1.正しい内容です。近接する2つ浮動小数を引き算すると、
数値があった桁の数が0になり、有効桁数が減少する桁落ち誤差が生ずるこ
とがあります。
2.誤った内容です。非線形を線形近似すると、線形では表せない部分で誤差が
生じます。
3.誤った内容です。格子幅を小さくすると、誤差は小さくなります。
4.誤った内容です。要素分割を細かくすると、誤差は小さくなります。
5.誤った内容です。計算による近似誤差を少なく出来るので、誤差減少に繋がります。
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