技術士の過去問
令和5年度(2023年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問1
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問題
技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
生物多様性国家戦略2023-2030に記載された、日本における生物多様性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 我が国に生息・生育する生物種は固有種の比率が高いことが特徴で、爬虫類の約6割、両生類の約8割が固有種となっている。
- 高度経済成長期以降、急速で規模の大きな開発・改変によって、自然性の高い森林、草原、農地、湿原、干潟等の規模や質が著しく縮小したが、近年では大規模な開発・改変による生物多様性への圧力は低下している。
- 里地里山は、奥山自然地域と都市地域との中間に位置し、生物多様性保全上重要な地域であるが、農地、水路・ため池、農用林などの利用拡大等により、里地里山を構成する野生生物の生息・生育地が減少した。
- 国外や国内の他の地域から導入された生物が、地域固有の生物相や生態系を改変し、在来種に大きな影響を与えている。
- 温暖な気候に生育するタケ類の分布の北上や、南方系チョウ類の個体数増加及び分布域の北上が確認されている。
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この過去問の解説 (2件)
01
生物多様性国家戦略2023-2030に関する出題です。時事問題ですが、常識的に知っていることで解答できる部分もあります。
我が国に生息・生育する生物種は固有種の比率が高いことが特徴で、爬虫類の約6割、両生類の約8割が固有種となっている。
日本は島国であり、国土が南北に長く気候に恵まれていること、標高差があり地形が複雑であること、数多くの離島があることなどから固有種に比率が他国よりも高くなっています。本記述は正しい記述です。
高度経済成長期以降、急速で規模の大きな開発・改変によって、自然性の高い森林、草原、農地、湿原、干潟等の規模や質が著しく縮小したが、近年では大規模な開発・改変による生物多様性への圧力は低下している。
公害なども発生した過去と比較すると環境アセスメント(環境影響評価)なども導入され、環境への悪影響を考慮されるようになったため低下したといえます。本記述は正しい記述です。
里地里山は、奥山自然地域と都市地域との中間に位置し、生物多様性保全上重要な地域であるが、農地、水路・ため池、農用林などの利用拡大等により、里地里山を構成する野生生物の生息・生育地が減少した。
農地、水路・ため池、農用林なども里地里山を構成する重要な要素であり、これらが減少したことで野生生物の生息・生息地が減少したという指摘があります。農地などが減らす原因となったではありません。よって本記述が誤っています。
国外や国内の他の地域から導入された生物が、地域固有の生物相や生態系を改変し、在来種に大きな影響を与えている。
マングースやペットなどが野生化してその地域の生態系を破壊することがあります。本記述は正しい記述です。
温暖な気候に生育するタケ類の分布の北上や、南方系チョウ類の個体数増加及び分布域の北上が確認されている。
温暖化による影響で、温暖な環境を好む生物が増えたり、生息限界が北上している観測結果があります。本記述は正しい記述です。
生物多様性に関する出題でしたが、選択肢をすべて細かく見ないと正しい回答を見極めるのは難しいです。
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02
生物多様性に関する知識を問う問題となります。選択肢それぞれをよく読んでから回答することが必要です。
国内の固有種の比率はかなり高くなっています(適切)。
最近の大規模開発では、生物多様性の観点からも比較的考慮されています(適切)。
里地里山のまわりの農地などの縮小により、結果的に生物生息地が減少する傾向があります(まわりの環境も必要)。従って、適切ではなく、本選択肢が正解です。
国外から導入された生物の問題が、年々増加しています(適切)。
温暖化で生育地が北上しています(適切)。
環境対策も今後出題される可能性があります。
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