技術士 過去問
令和5年度(2023年)
問44 (適性科目 問14)
問題文
技術者にとって製品の安全確保は重要な使命の1つであり、この安全確保に関しては国際安全規格ガイド【ISO/IEC Guide51-2014(JIS Z8051-2015)】がある。
この「安全」とは、絶対安全を意味するものではなく、「リスク」(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて、許容不可能な「リスク」がないことをもって、「安全」と規定している。
次の記述のうち、不適切なものはどれか。
この「安全」とは、絶対安全を意味するものではなく、「リスク」(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて、許容不可能な「リスク」がないことをもって、「安全」と規定している。
次の記述のうち、不適切なものはどれか。
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問題
技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 問44(適性科目 問14) (訂正依頼・報告はこちら)
技術者にとって製品の安全確保は重要な使命の1つであり、この安全確保に関しては国際安全規格ガイド【ISO/IEC Guide51-2014(JIS Z8051-2015)】がある。
この「安全」とは、絶対安全を意味するものではなく、「リスク」(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて、許容不可能な「リスク」がないことをもって、「安全」と規定している。
次の記述のうち、不適切なものはどれか。
この「安全」とは、絶対安全を意味するものではなく、「リスク」(危害の発生確率及びその危害の度合いの組合せ)という数量概念を用いて、許容不可能な「リスク」がないことをもって、「安全」と規定している。
次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 「安全」を達成するためには、リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスが必須である。許容可能と評価された最終的な「残留リスク」については、その妥当性を確認し、その内容については文書化する必要がある。
- リスク低減とリスク評価の考え方として、「ALARP」の原理がある。この原理では、あらゆるリスクは合理的に実行可能な限り軽減するか、又は合理的に実行可能な最低の水準まで軽減することが要求される。
- 「ALARP」の適用に当たっては、当該リスクについてリスク軽減を更に行うことが実際的に不可能な場合、又はリスク軽減費用が製品原価として当初計画した事業予算に収まらない場合にだけ、そのリスクは許容可能である。
- 設計段階のリスク低減方策はスリーステップメソッドと呼ばれる。そのうちのステップ1は「本質的安全設計」であり、リスク低減のプロセスにおける、最初で、かつ最も重要なプロセスである。
- 警告は、製品そのもの及び/又はそのこん包に表示し、明白で、読みやすく、容易に消えなく、かつ理解しやすいもので、簡潔で明確に分かりやすい文章とすることが望ましい。
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この過去問の解説 (3件)
01
安全に関する出題です。不適切なものを選択するものですので、また常識と照らし合わせて考えてみましょう。
「安全」を達成するためには、リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスが必須である。許容可能と評価された最終的な「残留リスク」については、その妥当性を確認し、その内容については文書化する必要がある。
適切な記述です。リスクアセスメント及びリスク低減の反復プロセスが安全達成のためには必要で、許容できるリスクについても内容を確認する必要があります。
リスク低減とリスク評価の考え方として、「ALARP」の原理がある。この原理では、あらゆるリスクは合理的に実行可能な限り軽減するか、又は合理的に実行可能な最低の水準まで軽減することが要求される。
適切な記述です。ALARP(as low as reasonably practicable)はALARPの原則とはリスクは合理的に実行可能な限り出来るだけ低くしなければならないというものです。
「ALARP」の適用に当たっては、当該リスクについてリスク軽減を更に行うことが実際的に不可能な場合、又はリスク軽減費用が製品原価として当初計画した事業予算に収まらない場合にだけ、そのリスクは許容可能である。
誤った記述ですので、この選択肢が正解です。予算に収まらない、リスク軽減が不可能だったからといって許容可能なリスクに変化したりはしません。
設計段階のリスク低減方策はスリーステップメソッドと呼ばれる。そのうちのステップ1は「本質的安全設計」であり、リスク低減のプロセスにおける、最初で、かつ最も重要なプロセスである。
適切な記述です。スリーステップメソッドとは①本質的安全設計方策②安全防護および追加保護方策③使用上の情報の3つから①>②>③の優先順位で安全設計を検討するプロセスです。
警告は、製品そのもの及び/又はそのこん包に表示し、明白で、読みやすく、容易に消えなく、かつ理解しやすいもので、簡潔で明確に分かりやすい文章とすることが望ましい。
適切な記述です。警告としては万人が分かりやすいものであることが望ましいです。
安全に関する出題は毎年必ずあります。ALARPやスリーステップメソッドなど出されてくる用語もお決まりなので本問題で覚えましょう。
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02
製品の安全確保に関する問題も、技術士試験で頻出されている課題となります。
残留リスクも文書化する必要があり、適切です。
合理的に実行可能な最低の水準まで軽減することが求められ、適切です。
当初計画した事業予算に収まらない場合にだけ、というのは不適切です。本選択肢が正解です。
適切です。
警告の記載として、適切です。
国際安全規格ガイドなどとも関連しており、また頻出問題ですので、一度整理しておく必要があります。
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03
この問題は安全設計に関する基本的な考え方を問うものです。
同様のテーマが出題された際にも対応できるように、リスク評価や設計プロセスについて繰り返し確認しておきましょう。
適切です。
「安全」を達成するためにはリスクアセスメントとリスク低減を繰り返すことが不可欠で、最終的に残るリスクについては文書化と妥当性の確認が求められます。
適切です。
リスクの低減方法として「ALARP」の原理があり、「合理的に実行可能な限りリスクを低減する」という考え方に基づきます。
不適切です。
「ALARP」の適用について、リスク軽減が実際に不可能な場合や、費用対効果の検討を行ってもリスク低減策が非常に困難なときに、やむを得ずリスクを許容するというのが本来の考え方です。「事業予算に収まらないから」という理由だけで許容できるわけではありません。
適切です。
設計段階では、本質的安全設計を最初のステップとするスリーステップメソッドが基本になります。
適切です。
警告表示は、製品やその包装にわかりやすい形で示すことが望ましいとされています。
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