調理師の過去問
平成26年度
栄養学 問22
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この過去問の解説 (4件)
01
消化液とは、消化管から分泌され,食物の消化を助ける液です。
消化液には、唾液・胃液・膵液・腸液など消化酵素を含むものと、胆汁など消化酵素は含みませんが、これらの酵素を働きやすくするものとがあります。
消化酵素とは、消化に用いられる酵素です。それぞれ分解される栄養素によって、
炭水化物分解酵素、たんぱく質分解酵素、脂肪分解酵素の3種類に分けられます。
口—唾液—炭水化物分解酵素「アミラーゼ」でんぷんを麦芽糖へ
胃—胃液—たんぱく質分解酵素「ペプシン」たんぱく質をペプトンへ
膵臓—膵液—炭水化物分解酵素「膵アミラーゼ」でんぷんを麦芽糖へ
—たんぱく質分解酵素「トリプシン」たんぱく質をペプトンへ
—たんぱく質分解酵素「キモトリプシン」たんぱく質をペプトンへ
—脂肪分解酵素「リパーゼ」脂肪を脂肪酸とグリセリンへ
小腸—腸液—炭水化物分解酵素「スクラーゼ」ショ糖をブドウ糖へ
—炭水化物分解酵素「マルターゼ」麦芽糖をブドウ糖へ
—炭水化物分解酵素「ラクターゼ」乳糖をブドウ糖へ
—たんぱく質分解酵素「アミノペプチターゼ」ポリペプチドをアミノ酸へ
肝臓で生産され、胆のうに貯められている胆汁は、食事をすると分泌されます。胆汁は消化酵素は含んではいませんが、脂肪を消化しやすく変化させたり、脂肪の消化酵素のリパーゼを活性化し消化を助けます。
腸液のアミノペプチターゼは、胃液や膵液で分解されて小さくなった物質(ペプトン・ポリペプチドなど)を、さらに小さい物質であるアミノ酸へ分解するもので、直接たんぱく質の分解はしません。
(1)正解です。でんぷんは唾液のアミラーゼによって分解されます。
(2)誤りです。ショ糖は炭水化物であり、小腸でスクラーゼによってブドウ糖に分解されます。問題のペプシンは胃で作られるたんぱく質分解酵素です。
(3)誤りです。たんぱく質は胃液のペプシン、膵液のトリプシン、キモトリプシンです。
(4)誤りです。脂肪は膵液のリパーゼによって分解されます。脂肪を分解するのはこのリパーゼだけです。
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02
1.でんぷん - アミラーゼ (○)
でんぷんは、唾液アミラーゼ(プチアリン)と膵液アミラーゼ(アミロプシン)によって、麦芽糖に分解されます。
2.ショ糖 - ペプシン(× スクラーゼ)
ショ糖は、腸液のスクラーゼによって、ブドウ糖と果糖に分解されます。胃液のペプシンによって分解されるのはたんぱく質です。
3.たんぱく質 - リパーゼ(× ペプシン・トリプシンなど)
たんぱく質は、胃液のペプシン、膵液のトリプシン、腸液のアミノペプチターゼなどの消化酵素によってアミノ酸、ジペプチド、トリペプチドに加水分解され、小腸で吸収されます。膵液のリパーゼによって分解されるのは脂肪です。
4.脂肪 - トリプシン(× リパーゼ)
脂肪は胆汁酸によって乳化された後、膵液リパーゼによって脂肪酸とモノグリセライドに分解され、小腸で吸収されます。膵液のトリプシンによって分解されるのはたんぱく質です。
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03
問題の誤り部分は
②ショ糖ースクラーゼ
③タンパク質ーペプシン・トリプシン・キモトリプシン・エラスターゼ・カルボキシペプチダーゼ・ジペプチダーゼ(アミノペプチダーゼ)
④脂質ーリパーゼ
口から入った食物は「物理的消化」と「化学的消化」を繰り返しながら、消化吸収されます。「物理的消化」とは歯の咀嚼や、胃の撹拌です。
以下「化学的消化」について、栄養素ごとに解説します。
炭水化物ーでんぷん
①唾液に含まれる炭水化物分解酵素「アミラーゼ」により、大雑把に分子が切断されマルトースやデキストリンに変化します。(飲み込むのが早いとでんぷんのまま通過してしまう物も多数存在します。また元々分子が小さいスクロースやラクトースはそのまま通過します)
②唾液で消化しきれなかった、でんぷんやデキストリンを十二指腸で膵液に含まれる炭水化物分解酵素「膵アミラーゼ」によりマルトース(二糖類)に分解します。
③小腸に送られた糖類は最終分解され単糖になって吸収されます。
・マルトース(麦芽糖)ー炭水化物分解酵素「マルターゼ」によりグルコースに分解されます。
・スクロース(ショ糖)ー炭水化物分解酵素「スクラーゼ」によりフルクトースとグルコースに分解されます。
・ラクトース(乳糖)ー炭水化物分解酵素「ラクターゼ」によりガラクトースとグルコースに分解されます。
タンパク質
①タンパク質は胃でタンパク質分解酵素「ペプシン」により、ポリペプチド(ペプトン)に分解されます。
②十二指腸で膵液に含まれるタンパク質分解酵素「トリプシン」「キモトリプシン」「エラスターゼ」「カルボキシペプチダーゼ」によりペプチドに分解されます。
③小腸に送られると、タンパク質分解酵素「ジペプチダーゼ(アミノペプチダーゼ)」によりアミノ酸に分解され、吸収されます。
脂質
膵液に含まれる「リパーゼ」により、トリグリセリド(中性脂肪)を脂肪酸とモノグリセリドに分解します。
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04
主な消化酵素の、消化器官ごとの消化酵素とその作用は覚えましょう。
口腔(だ液):プチアリん(だ液アミラーゼ):デンプンを麦芽糖(マルトース)に分解
胃(胃液):ペプシン:タンパク質をペプトン、プロテオースに分解
十二指腸(膵液):トリプシン、キモトリプシン:タンパク質、ペプトン、プロテオースをポリペプチドに分解
:カルボキシペプトダーゼ:ポリペプチドをアミノ酸に分解
:アミロプシン(膵液アミラーゼ):デンプンを麦芽糖に分解
:マルターゼ:麦芽糖をブドウ糖に分解
:ステアプシン(膵液リパーゼ):脂肪を脂肪酸、モノグリセリド、グリセロールに分解
小腸(腸液):マルターゼ:麦芽糖をブドウ糖に分解
:ラクターゼ:乳糖をブドウ糖、ガラクトースに分解
:エレプシン:ポリペプチドをアミノ酸に分解
:シュクラーゼ(スクラーゼ):ショ糖をブドウ糖、果糖に分解
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