調理師の過去問
平成26年度
栄養学 問24
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この過去問の解説 (5件)
01
誤っているものは【ビタミン D は、β-カロテンから変換される。】です。
【ビタミンAの欠乏症】
・成長がとまる
・骨、歯の発育が悪い
・夜盲症
・乾燥眼炎感染に対する抵抗が減少
・皮膚や粘膜の上皮の角化
【ビタミンDについて】
・吸収されたビタミンDは肝臓と腎臓を経て活性型Dに変化し、カルシウムやリンの取り込みを開始します。
・βカロチンはビタミンAへの作用が強く、緑黄色野菜に多く含まれています。
【ビタミンEの生理作用】
・ビタミンAやカロテンの酸化を防ぎます。
【ビタミンKの生理作用】
・血液凝固作用の補酵素として作用します。
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02
ビタミンは食物に存在する物質で、体内で物質の代謝など重要なはたらきをします。
ビタミンは、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。
・水溶性ビタミンは、水に溶けやすいビタミンで、その性質から使われないものは体内に貯蔵されずに尿と一緒に排出されます。
【ビタミンB(B1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸)、ビタミンC】があります。主な欠乏症についてあげます。
①ビタミンB1は脚気がおこります。
②ビタミンB2は口唇炎や口角炎、舌炎がおこります。
③ビタミンB6は皮膚炎やかぶれがおこります。
④ビタミンB12は巨赤芽球性の悪性貧血がおこります。
⑤葉酸は貧血、疲労、めまいなどがおこります。
⑥ナイアシンは皮膚炎がおこります。
⑦ビオチンは皮膚炎などがおこります。
⑧パントテン酸は脂質の代謝をすため、栄養障害などがおこります。
⑨ビタミンCは壊血病や脱毛がおこります。
・脂溶性ビタミンは、脂肪に溶けやすいビタミンで、脂肪組織や肝臓などに貯蔵されます。尿によって排出されません。
【ビタミンA、D、E、K】があります。主な欠乏症についてあげます。
①ビタミンAは網膜のはたらきに関係しているため、欠乏すると夜盲症になります。また、β-カロテンは体内でビタミンAが不足すると、ビタミンAに変化する性質があります。
②ビタミンDはくる病や骨軟化症になります。
③ビタミンEは高い抗酸化作用をもつため、欠乏することで体内の活性酸素が増えるため疲れやすくなり、貧血や運動失調、脂肪吸収障害になります。
④ビタミンKは血液凝固の過程で必要なもので、出血しやすくなったり、血液凝固に異常をきたします。
ビタミンAは欠乏により夜盲症を起こします。
誤りです。
β-カロテンはビタミンAに変化します。β-カロテンは主に緑黄色野菜に含まれています。
ビタミンEは高い抗酸化作用をもっています。
ビタミンKは血液凝固に必要です。
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03
βーカロテンは、ビタミンAの前駆体ですので、変換されるのはビタミンDではなくビタミンAです。
なお、脂溶性ビタミンは、問題文にも出てきた4つのみです。A、D、E、K。
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04
脂溶性ビタミンに関する記述については以下の通りです。
ビタミンAは、欠乏すると夜盲症を発症する(○)
レバーや緑黄色野菜、うなぎ、卵黄に多く含まれるビタミンAには、皮膚や粘膜を正常に保ち、神経や骨の発達、免疫細胞の活性化や視覚に関わるたんぱく質成分になるなどの働きがあり、欠乏すると夜盲症、成長障害や、皮膚や粘膜の乾燥などが起こります。
ビタミンD(× A)は、β-カロテンから変換される。
魚介類やきのこに豊富なビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を促進、骨の代謝に関わり、腎臓でカルシウムの再吸収を促す等の働きがあり、欠乏するとくる病、骨軟化症、骨粗しょう症などが起こります。
β-カロテンから変換されるのはビタミンAで、
ビタミンDに変換されるのは紫外線を浴びた皮膚です。
ビタミンEは、抗酸化作用を示す。(○)
植物油や魚介類、胚芽米やナッツなどに多く含まれるビタミンEは、体内の脂質、細胞膜などの多価不飽和脂肪酸の抗酸化作用があります。欠乏すると溶血性貧血や乳児の皮膚硬化症などが起こります。
ビタミンKは、血液凝固に必要である。(○)
緑黄色野菜や海藻、豆類に多く含まれるビタミンKは、血液凝固因子の合成や骨の形成に必要なビタミンで、腸内細菌によっても合成されます。欠乏すると血液凝固不良などが起こります。
本設問は誤りを選ぶので、正解は「ビタミン D は、β-カロテンから変換される。」になります。
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05
βカロテンはビタミンAに変換されます。
脂溶性ビタミンとは、脂と交わって溶けるビタミンの総称です。問題にあるビタミンA・D・E・Kが脂溶性ビタミンの全てです。それぞれの特徴について解説していきます。
ビタミンA
全身に分布し、主に皮膚・目・口腔・気管支・胃腸・肺・膀胱・子宮などの粘膜を健康に保つ役割をしています。
主な欠乏症ー夜盲症・脱毛・爪がもろくなる
主な過剰症ー植物由来のβカロテンでは過剰症は認められていません。しかし動物由来のレチノールは過剰摂取で頭痛・吐き気・発疹・疲労感が現れます。
ビタミンD
主にカルシウムの調整が役割で、骨の形成や成長を促します。日光浴で生成されるビタミンでもあります。
主な欠乏症ー幼児では「くる病」大人では「骨軟化症」です。閉経後の女性では「骨粗鬆症」のリスクが高まります。
主な過剰症ー乳幼児が大量に摂取すると、血管や臓器にカルシウム沈着が発生し、高カルシウム血症を引き起こす可能性があると言われています。
ビタミンE
抗酸化作用が強いビタミンで、動脈硬化や心筋梗塞・脳卒中などの成人病予防に効果が期待できます。
主な欠乏症ービタミンEは血行を良くする効果があるため、欠乏すると血流障害が発生しやすくなります。肩こり・冷え性・頭痛・しもやけ・更年期障害の悪化など
主な過剰症ー過剰症を心配することはまずない脂溶性ビタミンと言われていますが、サプリメントなどで大量に摂取すると「血液が固まりにくくなる」という研究結果があります。
ビタミンK
体外に出血する血液を凝固させる働きがあります。また体内では逆に血流を良くする働きがあります。さらにビタミンKには骨を保護する役割もあり、カルシウムが骨から溶け出すのを防ぐ働きもしています。
主な欠乏症ー出血が止まりにくい・内出血が起こりやすい。新生児では脳内出血がありますが、現在は出生後間もなく「ビタミンK2シロップ」を飲ませるため、この危険性は極めて低くなっています。
主な過剰症ーあまり心配はありません。しかし血栓症の方や血液凝固剤を服用している方は摂取制限が必要になることがあります。
ビタミンは欠乏症ばかりが目立って語られていますが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるため、サプリメントが溢れる現代では過剰症も気を付けなければなりません。
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