調理師の過去問
平成27年度
栄養学 問19
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問題
調理師試験 平成27年度 栄養学 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
食品と健康の関わりに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 食品中に含まれている成分を総称して栄養素という。
- 食品の三次機能は、感覚・嗜好性に関わる機能である。
- 食物繊維は、血中コレステロールを低下させる。
- エイコサペンタエン酸は、血栓形成を促進する。
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この過去問の解説 (5件)
01
1つずつ解説します。
①食品に含まれる成分のうち水と食物繊維は栄養素ではありません。
②食品の三機能は
・第一次機能ー栄養機能
五大栄養素を補給し生体を維持する機能
・第二次機能ー感覚、嗜好性に関わる機能
色、味、香り、歯ごたえ、舌触りなどの五感に美味しいと感じさせる機能
・第三次機能ー生体調節機能、健康性機能
体調リズムの調整や疾患の防止、回復など生体の機能調整する機能
※第三次機能は生体の健康維持や増進などが含まれます。サプリメントや特保などの健康機能食品もこの分類に該当するため、食品の安全性など昨今重視されています。
※安全性や健康性機能を含め食品三次機能の監督、認証を行っているのは農林水産省です。
③食物繊維の効果
・炭水化物の消化・吸収を緩やかにし血糖値の急上昇を抑える効果
・コレステロールなど余分な脂質を吸着して排出し吸収させない効果
・腸粘膜を保護し善玉菌を増やすなど腸内環境を整える効果
・便通の促進、便秘解消効果
などがあります。
④エイコサペンタエン酸(EPA)はコレステロール値を下げ血液の血栓形成を予防します。
※昨今DHAがサプリメントなどで強調されていますがDHAとEPAはお互いの働きを補い合っています。EPAの研究がDHAの研究と比較すると遅れているためにこのような事象が発生していますが、どちらも均等に摂取することが望ましい栄養素です。
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02
「食物繊維」の主な効果として、「コレステロール上昇抑止」、「血糖値上昇抑止」、「肥満防止」、「排便促進」などがあります。
また、実際の試験において、食物繊維に関する設問として、よく分類とエネルギー源となるかについて聞かれます。
食物繊維とは、人の消化酵素では消化することができない成分のことです。大きく「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」とに分類されます。
人の消化酵素では消化できないのですが、腸内細菌によって発酵することで一部がエネルギー源として吸収することができます。
1 栄養学における栄養素とは、栄養のために摂取する物質とされています。5大栄養素である「たんぱく質」、「脂肪」、「炭水化物」、「無機質」、「ビタミン」があります。
現在の定義ですと、栄養のために摂取しているわけではない「食物繊維」は栄養素としては扱われていません。
2 食品の機能については頻出しています。
一次機能 「栄養素」としての機能
二次機能 「感覚」・「嗜好」に与える機能
三次機能 「健康」を維持・増進する機能
4 エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)に関しては、何らかの形でほぼ毎回出題されています。
EPA・DHAともに魚類に含まれる「多価不飽和脂肪酸」です。
EPAは血栓と出来辛くしたり動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞の予防に役立ちます。
DHAは脳や網膜などの神経系に多く含まれており、脳や神経系の健康を改善すると昨今言われています。
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03
1.食品中に含まれている成分を総称して(× 水と食物繊維を除いて)栄養素と呼ぶ。
栄養表示のガイドラインで、栄養素は「エネルギーを供給するもの」「成長、発達、生命の維持に必要なもの」「不足すると特有の生化学または生理学上の変化が起こる原因となるもの」と規定されています。水と食物繊維は大切な成分ですが、エネルギーを供給しないので栄養素ではありません。
2.食品の三次機能は、感覚・嗜好性(× 生体調節)に関する機能である。
一次機能:栄養的機能
二次機能:嗜好的機能
三次機能:生体調節機能(健康維持)
3.食物繊維は、血中コレステロールを低下させる。〇
ペクチン(果物など)・グルコマンナン(こんにゃく)・アルギン酸(海藻類)などの水溶性食物繊維は、血中コレステロールを低下させる働きがあります。
4.エイコサペンタエン酸は、血栓形成を促進(× 抑制)する。
エイコサペンタエン酸(EPA)には血液をサラサラにし血栓を作らせない効果の他、血液中の中性脂肪を減らし、血液中の総コレステロールを抑制、善玉コレステロール(HDL)を増加させ動脈硬化を防ぐ働きもあります。
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04
食物繊維の働きは、コレステロール値の低下や血糖値の急激な上昇の抑制などがあり、肥満予防や便秘予防などの効果があります。
1…栄養素とは、栄養のために生体内に取り入れるものであり、「水」と「食物繊維」は栄養素に含まれません。
2…食品の三次機能に関しては以下の通りです。
(一次機能)…栄養機能
(二次機能)…嗜好・味覚機能
(三次機能)…生体調整機能(健康維持・増進の為の機能)
4…エイコサペンタエン酸(EPA)は、血栓形成を「抑制」します。(血中に存在するコレステロールや中性脂肪を低下する働きがあります)
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05
1.水と食物繊維は栄養素ではありません。しかし、どちらも体にとって大切な成分です。
2.感覚・嗜好性に関わるのは二次機能です。一次機能は生命維持に関わる機能。三次機能は体調調節に関わる機能。免疫の活性化、疾病予防、老化の抑制、肥満防止など。
4.エイコサペンタエン酸(EPA)は、血栓形成を抑制します。人間の体内では作ることのできない非常に有用な栄養素です。
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