調理師の過去問
平成28年度
調理理論 問52

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問題

調理師試験 平成28年度 調理理論 問52 (訂正依頼・報告はこちら)

食べ物のおいしさに関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 五味のうち、砂糖溶液の閾値がもっとも高い。
  • おいしさのうち、感情や緊張によって左右される要因を生理的要因という。
  • ミラクルフルーツ(味覚変革物質)は、甘い食物を酸っぱい味に変える。
  • コーヒーに砂糖を入れて、苦味が弱まるのは対比効果である。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解  1 . 五味のうち、砂糖溶液の閾値がもっとも高い。

甘味は閾値が高い味覚です。

閾値の高い順に並べると

甘味>旨味>塩味>酸味>苦味

となっています。

食べても安全なものに含まれることが多い甘味や旨味は閾値が高く、腐敗した物や毒に含まれやすい苦味や酸味は閾値が低くなっています。

閾値(いきち・しきいち)とは、感覚が反応するのに必要な刺激の最小値のこと。

閾値が低いものほど、ごく少量・低濃度の刺激ですぐ察知することができます。

つまり、五味の中では苦みや酸味には非常に敏感だということです。

これは有害な物質を食べないようにするための防衛本能といえます。

(2)感情や緊張によって左右されるのは「心理的要因」で「生理的要因」ではありません。

よって×です。

(3)設問の逆で、ミラクルフルーツには酸味を甘味に感じさせる作用があります。

(4)コーヒーに砂糖を入れると苦味がやわらぐ作用は「抑制効果」といいます。

よって「対比効果」は×です。

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02

(1)○ 閾値(いきち)とは、感覚や反応を引き起こすために必要な、最小限のエレルギー値を指します。

つまり、閾値が高いほどその味を感じにくく、閾値が低いほど敏感にその味を察知することができるということです。

食べても無害なものに含まれることが多い甘味は、閾値が高く、一方腐敗したものや毒に含まれることが多い酸味や苦味は閾値が低くなります。

酸味や苦味を敏感に感じるのは、有害なものを摂取しないようにする防衛反応といえます。

(2)× 感情や緊張によって美味しさが左右されることは「心理的要因」といいます。

(3)× ミラクルフルーツには、酸っぱさを甘く感じさせる効果があります。

(4)× コーヒーに砂糖を入れると苦味がやわらぐことは「抑制効果」といいます。

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03



【 正解 】 1 . 五味のうち、砂糖溶液の閾値がもっとも高い。
▶︎味覚における「閾値(いきち)」とは、「味を感じるのに必要な、最低限度の量」を指します。
「閾値がもっとも高い」ということは、
「味を感じるのに必要な最低限の量がもっとも多い」という意味です。
「味が感じやすい」という意味ではないので注意しましょう。

【 不正解 】

 2 . おいしさのうち、感情や緊張によって左右される要因を【×生理的要因】という。
▶︎おいしさを感じる要因として、主に以下が挙げられます。
・心理的要因:感情や緊張によって左右される
・生理的要因:心理にかかわらず、一定である
・先天的要因:生まれたときからの好み
・後天的要因:成長する中で経験を通して生じた好み
よって、感情に左右される要因は生理的でなく心理的要因です。

3 . ミラクルフルーツ(味覚変革物質)は、【×甘い食物を酸っぱい味に変える】。
▶︎赤い果実のミラクルフルーツは「のちに食べる酸っぱい食物を甘く感じさせる」ので、これは誤りです。
 
4 . コーヒーに砂糖を入れて、苦味が弱まるのは【×対比効果】である。
▶︎これは二種以上の味覚を混合したときに起こる作用についての問題で、以下の4つが挙げられます。
・対比効果:一方および両方の味覚が強まる
・抑制効果:一方および両方の味覚を弱める
・相乗効果:味覚を強めあう
・変調効果:後に食べるものの味覚が変化する(←3のミラクルフルーツはコレです!)

コーヒーに砂糖を入れて苦味が【弱まる】のは、「抑制効果」が正しいです。

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04

1が正解です。

1.五味のうち、砂糖溶液の閾値がもっとも高い為正解です。
閾値とは
生体の感覚に、反応や興奮を生じさせるために必要な刺激の最小値です。

 ・苦味はほんの少量でも反応します→閾値が低い
 ・甘味(砂糖溶液)はほんの少量では味を感じる事
  ができない、反応しません。→閾値が高い

2.生理的要因ではなく心理的要因の為誤りです。
生理的要因とは
食欲、空腹感、健康状態などに左右されます。

心理的要因とは
感情・緊張などの心理状態によって、おいしさは左右されます。

3.甘い食物を酸っぱい味に変えるのではなく、酸っぱい食物を甘い味に変化させる為誤りです。
ミラクルフルーツは、舌の甘味受容体を刺激するので酸味が甘く感じられます。

4.対比効果ではなく抑制効果のため誤りです。
コーヒーに砂糖を合わせた時、コーヒーの苦みを、砂糖が弱める現象が起きています。

対比効果
2種類以上の違った味を合わせた時、1種類のみ、あるいは両方の味が強く感じる現象を言います。
抑制効果
2種類以上の違った味を合わせた時、1種類のみ、又は両方の味が弱められる現象をいいます。


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