調理師の過去問
平成29年度
食品衛生学 問37
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この過去問の解説 (3件)
01
が正解です。
ウェルシュ菌は土壌、水、ヒト・動物の腸内など自然界に広く存在する細菌です。
汚染された食品などを介して体内に取り込まれ、腸で増殖して毒素を産生した時に食中毒が起こります。
主な症状は腹痛、下痢で、一般に軽症ですむことが多いです。
ウェルシュ菌に汚染されやすいのは、食肉、野菜、魚介です。
空気を嫌うため、鍋に入ったカレーやシチューなど煮込み料理の奥など、空気に触れない部分で増殖します。
一度芽胞を作ると、加熱しても死滅しないため、大量に作って翌日に再加熱しながら食べるようなカレーやシチューで、食中毒が起こりやすくなっています。
ウェルシュ菌による食中毒を防ぐには、ウェルシュ菌が増殖しやすい温度(20~50℃くらい)で長時間保管しないことが大切です。
急速に冷やすか、高温のまま保存する、小分けしてなるべく空気にさらすことが、食中毒の予防につながります。
できれば、調理後は早めに食べるのが好ましいことは言うまでもありません。
(1)× 芽胞ができてしまってからは、いくら再加熱しても殺菌することはできません。
(3)× 感染から6~18時間で発症すると言われます。食事から24時間以内に発症することがほとんどです。
(4)× 給食病と呼ばれ、大量調理された食事を介して大規模な集団食中毒を起こすことがあります。
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02
(2)記述の通り。加熱調理した時、食品の中心部分は、嫌気性のウェルシュ菌にとって好ましい酸素のない状態となり、食品の温度が菌の発育に適した温度(20~50℃)に下がると発芽して急速に増殖を始めます。
食品の中で大量に増殖した菌が胃を通過、小腸内で増殖して、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシン(毒素)が生産され、これにより下痢などの症状が起きます。
増殖防止は加熱調理後3時間以内に20℃以下に急冷するか、高温保存して、20~50℃という温度をできるだけ避けた温度で保存することが大事です。
(3)誤り。ウェルシュ菌食中毒の潜伏時間は通常6~18時間、平均10時間です。
喫食後24時間以降に発病することはほとんどありません。
従って、発症まで36時間という記述は誤り、ということになります
(4)誤り。大量の食事を調理する、給食施設などで発生事例が多くあることから「給食病」という異名があり、患者数の多い大規模食中毒事件を起こす特徴があります。
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03
1 . 食品を再加熱することにより防ぐことができる、は誤りです。芽胞は熱に強く、加熱しても完全に死滅することはありません。
3 . 発症まで36時間かかる、は誤りです。発症までは6~18時間ですが、12時間前後が多いと言われています。
4 . 大規模事例になることはない、は誤りです。学校給食などでの大規模集団食中毒を発生させるので、「給食病」の異名があります。
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