調理師の過去問
平成29年度
調理理論 問49
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問題
調理師試験 平成29年度 調理理論 問49 (訂正依頼・報告はこちら)
でんぷんの調理性に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- でんぷんは、油脂を加えて加熱すると、消化のよい糊化でんぷんが得られる。
- 糊化でんぷんは、放置すると粘りがなくなり、老化でんぷんに変わる。
- 同濃度のでんぷん糊は、じゃがいもでんぷんより、トウモロコシでんぷんの方が粘りが高い。
- でんぷん糊は、砂糖を加えると老化しやすくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
が正解です。
加熱していない生のでんぷんは「β-でんぷん」といいます。
生のでんぷんに水を加えて加熱すると、柔らかくなって粘り気が出ます。
この反応を糊化(こか)またはα化といい、糊化(α化)したでんぷんを「糊化でんぷん(α-でんぷん)」といいます。
糊化でんぷんは放置すると再びβ-でんぷんに戻り、粘り気がなくなり硬くなります。この反応を老化(β化)といいます。
また老化したでんぷんを「老化でんぷん」といいます。また老化でんぷんはβ化したものなので、β-でんぷんともいいます。
糊化でんぷんは消化と味が良く、老化でんぷんは消化が悪くて味が劣るのが特徴です。
(1)× 油脂を加えるのではなく、水を加えて加熱した時に糊化でんぷんが得られます。
(3)× じゃがいもでんぷんのほうが、粘りが高いです。
でんぷんは主に、かんしょ(さつまいも)、ばれいしょ(じゃがいも)、トウモロコシから作られます。
じゃがいもでんぷんは「片栗粉」に使われます。
粘度が高く、糊化すると透明感があるので、料理のあんかけに適しています。
トウモロコシでんぷんは別名を「コーンスターチ」といいます。
粘度が低く、冷えても粘度が安定しているので、プリンやブランマンジェなどの洋菓子に使われます。
(4)× 砂糖にはでんぷんの老化を遅らせる作用があります。
砂糖には水分を奪って保持する作用があり、砂糖と一緒にでんぷんを加熱調理すると、糊化でんぷんの水分を砂糖が取り込んで保持するので、乾燥を防いで糊化した状態が長持ちします。
パンやお菓子は、砂糖の作用によって柔らかさを長持ちさせることができます。
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02
(2)記述の通り。デンプンに水を加えて加熱すると、糊化が始まります。そして温度が上がるにつれて粘性が増し、その内に全体が糊状となります。
それを放置して、冷えてくると粘性を失い、最終的にゲル状になり、水が遊離してだんだんしみだしてきます。この状態を老化と言います。
(3)誤り。ジャガイモの方が粘りが強いです。
ジャガイモは、片栗粉
トウモロコシは、コーンスターチ
になります。コーンスターチに比べて片栗粉の方が粘りは強いです。
温度が下がったとき片栗粉は粘りが下がりますが、コーンスターチは持続します。
(4)誤り。糊化したでん粉は水に囲まれた状態にあります。砂糖は水を強く引き付ける性質があるので、少量の水に溶け込むことができます。
糊化でん粉の水分の保持に効果があるため、砂糖を加えると老化しにくくなります。
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03
1 . でんぷんは、油脂を加えて加熱すると、消化のよい糊化でんぷんが得られる、は誤りです。水を加えて加熱するとα-でんぷんになり、この変化を糊化と言います。
3 . 同濃度のでんぷん糊は、じゃがいもでんぷんより、トウモロコシでんぷんの方が粘りが高い、は誤りです。ジャガイモのほうが粘りが強いです。
4 .でんぷん糊は砂糖を加えると老化しやすくなる、は誤りです。α-でんぷんに大量の砂糖を加えると、α化したままででんぷんが保たれます。
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