調理師の過去問
令和2年度12月実施分
調理理論 問56

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問題

調理師試験 令和2年度12月実施分 調理理論 問56 (訂正依頼・報告はこちら)

食品素材の加熱調理時の色の変化に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 小松菜は、ゆでる時に酢を加えると緑色が鮮やかになる。
  • 小麦粉饅頭(まんじゅう)は、生地の中に重曹を加えてから蒸すと皮の色が赤くなる。
  • えびをゆでると赤くなるのは、殻の色素と結合していたたんぱく質が変性し、本来の色素が現れるためである。
  • 塩と亜硝酸塩につけ込んだ肉は、加熱すると灰褐色になる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「えびをゆでると赤くなるのは、殻の色素と結合していたたんぱく質が変性し、本来の色素が現れるためである。」です。

選択肢1. 小松菜は、ゆでる時に酢を加えると緑色が鮮やかになる。

小松菜などの葉菜類は少量の塩を加えて茹でることで緑色が鮮やかになるので誤りです。

選択肢2. 小麦粉饅頭(まんじゅう)は、生地の中に重曹を加えてから蒸すと皮の色が赤くなる。

小麦粉饅頭は生地の中に重曹を加えて蒸すことで皮の色が黄色っぽくなるので誤りです。

選択肢3. えびをゆでると赤くなるのは、殻の色素と結合していたたんぱく質が変性し、本来の色素が現れるためである。

食品素材の加熱調理時の色の変化に関する記述で正しいものは「えびをゆでると赤くなるのは、殻の色素と結合していたたんぱく質が変性し、本来の色素が現れるためである。」です。

エビやカニをゆでると殻の色が赤くなるのは「アスタキサンチン」と呼ばれる赤色色素の影響になり、加熱によってたんぱく質と離れると本来の赤色が現れます。

また、アスタキサンチンはヘマトコッカスと呼ばれる藻を食べているプランクトンをエビやカニが食べているために体内にアスタキサンチンが蓄積されているからです。

選択肢4. 塩と亜硝酸塩につけ込んだ肉は、加熱すると灰褐色になる。

塩や亜硝酸塩につけ込んだ肉は加熱しても変色することはなく、ハムやソーセージなどの発色剤として使用されているので誤りです。

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02

正解は3です。えびをゆでると殻の色素と結合していたたんぱく質が変性し、本来の色素が現れるために赤く見えます。

えびやかになどの甲殻類には、動物性のカロテノイド系色素アスタキサンチンが含まれています。アスタキサンチンの本来の色は赤系ですが、生きている時はたんぱく質と結びついて青黒い色に見えています。アスタキサンチンは加熱するとアスタチンに変化し、その際にたんぱく質との結びつきがなくなるので、本来の赤い色に戻るのです。

食品に含まれる色素について

アスタキサンチン(赤)…甲殻類、サケ

クロロフィル系(緑)… 葉緑素
カロテン(赤、黄色)…緑黄色野菜、かんきつ類、とうもろこしなど
アントシアン系(青、紫、赤) ―黒豆、 なす、ブルーベリーなど

各選択肢については、以下のとおりです。

1 .誤りです。小松菜をゆでる時に酢を加えると色が悪くなります。小松菜に含まれる緑色のクロロフィルは酸によって色が悪くなり、アルカリによって緑色が鮮やかになります。ゆでるなら、塩かアルカリ性の重曹を加えたほうが良いです。

2 .誤りです。小麦粉饅頭の生地に含まれるフラボノイド色素が重曹のアルカリ性に反応し、黄色くなります。(小麦粉に含まれている時のフラボノイドは無色です。)

3 .正解です。えびをゆでると赤くなるのは、殻の色素と結合していたたんぱく質が変性し、本来の色素が現れるためです。

4 .誤りです。亜硝酸塩(亜硝酸ナトリウム)は発色剤として使われる食品添加物で、肉の赤い色を鮮やかに保ちます。

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03

正解は3です。

1:小松菜は、ゆでるときに塩を加えると緑色が鮮やかになります。

2:小麦粉饅頭は、生地の中に重曹を加えてから蒸すと黄色くなります。

これは、小麦粉のフラボノイド色素に反応するからです。

3:エビやカニの色は、アスタシンという動物性のカロテノイドです。生のときは色が隠されていますが、加熱すると結合していたたんぱく質が熱変性を起こし、色素と離れて同時に酸化が起こり、鮮やかな赤色が現れます。

⇒よって正解です。

4:肉は加熱により灰褐色に変わりますが、塩と亜硝酸塩に漬け込んだ肉は、加熱するとピンク色を保持します。ハム・ソーセージなど肉加工品は、発色剤(亜硝酸塩)を加えて加熱することで、鮮やかなピンク色を保つことができます。

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