調理師の過去問
令和4年度
栄養学 問7

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問題

調理師試験 令和4年度 栄養学 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

水分代謝に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 体水分量の0.5%を失うと、健康に障害が起きる。
  • 体重に占める水分重量の割合(%)は、年齢が上がると減少する。
  • 体水分は、90%以上が尿として体外に排泄される。
  • 体水分量が不足すると、高齢者は若年者よりのどの渇きを感じやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

新生児は、体内の水分重量の割合が80%あります。しかし、年齢が上がると水分重量の占める割合は徐々に減少していき、高齢者になると50%程度になります。

生物の体を構成しているのは、水分と5大栄養素(糖質、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミン類)です。この組み合わせも覚えておきましょう。

選択肢1. 体水分量の0.5%を失うと、健康に障害が起きる。

「0.5%」の部分が誤りです。

体水分量の1~2%を失うと喉の渇きをおぼえるようになり、5%で頭痛、10%でけいれんが起こります。また20%の水分量を失うと死に至ります。

選択肢2. 体重に占める水分重量の割合(%)は、年齢が上がると減少する。

正解です。体重に占める水分重量の割合(%)は、新生児が最も多く、年齢が上がると共に減少していきます。

選択肢3. 体水分は、90%以上が尿として体外に排泄される。

「90%」の部分が誤りです。

成人の1日あたりの排尿量は1,500ml程度です。

※体水分の何%にあたるのか、実際に計算してみます。体水分の占める割合は成人で体重の約6割なので、体重60㎏の人の場合は体水分が36㎏あることになります。その90%は約32㎏です。しかし、1日に32㎏も排尿するはずはないので、誤りと判断できます。

選択肢4. 体水分量が不足すると、高齢者は若年者よりのどの渇きを感じやすい。

「高齢者は若年者よりのどの渇きを感じやすい。」の部分が誤りです。

人は加齢によって感覚が衰え、喉の渇きも感じにくくなります。

まとめ

「体重に占める水分重量の割合は、年齢が上がると減少する。」と覚えておけば、消去法でも導き出せそうです。

高齢者より赤ちゃんや子どものほうが体がみずみずしく、体水分が多いことは想像しやすいと思います。

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02

水分代謝は水を飲み、摂取した水分が体内を巡り、汗や尿として体外に排出することを言います。

人体の65%は水分で構築され、無意識でも水分代謝を行っています。

選択肢1. 体水分量の0.5%を失うと、健康に障害が起きる。

体水分量が2%失われると、のどの渇きを感じ、運動機能が低下します。

その後、4%~5%失われると疲労感や頭痛、めまいなどを引き起こし、10%以上失われると死にいたります。

選択肢2. 体重に占める水分重量の割合(%)は、年齢が上がると減少する。

体重に占める水分重量の割合は新生児が多く約80%の体液と呼ばれる水分です。

一般成人では体重の約60%が水分で、年齢とともに低下します。

選択肢3. 体水分は、90%以上が尿として体外に排泄される。

健康な人の1日の尿量は約1リットルから1.5リットル体外へ排出されます。

選択肢4. 体水分量が不足すると、高齢者は若年者よりのどの渇きを感じやすい。

高齢者は若い頃に比べると約10%体水分量が減ります。

そのため、体水分量が少なくなると若い頃より脱水症になりやすくなります。

更に高齢者になると、のどの渇きを感じにくくなり、水分が必要な時でも

のどの渇きが感じにくいです。

まとめ

水分代謝は人体に取って、とても大切なことです。

体水分量が極端に不足する前に、こまめに水分補給を行い、脱水症にならないように気を付けましょう。

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03

人体に最も多くふくまれるのが水です。

成人の体の55~60%を占め、水分含有量の多い順に脳、腸、腎臓、筋肉、肝臓に含まれます。

選択肢1. 体水分量の0.5%を失うと、健康に障害が起きる。

×

成人は1日におよそ10%の水分を体から失います。

人は体内の水分が2パーセント失われるだけで運動能力が低下しはじめます。0.5%ではありません。従って×です。

選択肢2. 体重に占める水分重量の割合(%)は、年齢が上がると減少する。

水分は体重の約半分~3分の2を占めますが、水の摂取量は失われた量とバランスをとらなければなりません。

主に腎臓から尿として排出され体は水分を失います。

年齢が上がるにつれて水分が体重に占める割合が低くなります。

選択肢3. 体水分は、90%以上が尿として体外に排泄される。

×

1日の尿の量は特に状態に問題が無い人だと約1~1.5リットルです。

体重の約60%が水分です。

体水分とは体内に含まれる水分のことを言い、血液・リンパ液・細胞外液・細胞内液などを言います。

例えば、体重が70キロの成人男性の体水分は70×0.6⁼42(約42リットル)となり、その人の尿の量は1.5リットルになります。

つまり42リットルのうち体外に排泄されるのは1.5リットルにすぎません。

なので90%の数字は間違いです。

選択肢4. 体水分量が不足すると、高齢者は若年者よりのどの渇きを感じやすい。

×

年を重ねるごとに体内の水分量は減少します。高齢者の体の水分量は約50%と言われており、若いころより約10%減ります。

年とともに喉の渇きを感じやすくなるのは「口渇中枢」が減退することが原因です。体水分量が不足するからではありません。

まとめ

体重の約半分から3分の2を占めるのが水分です。

健康状態を維持するために、1日に少なくとも約2リットルの水分を摂取する必要があります。

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