調理師の過去問 令和5年度 栄養学 問4
この過去問の解説 (2件)
「食品たんぱく質に含まれる必須(不可欠)アミノ酸の量とバランスによって、体たんぱく質合成の効率が変わる。」が正解です。
この問題は、たんぱく質とアミノ酸の関係をおさえておくことが重要です。
私たちの体はたんぱく質で作られています。私たちは体内でアミノ酸や体たんぱく質を作るため、栄養バランスのとれた食事をする必要があります。
食品に含まれる食品たんぱく質、体の組織を構成する体たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成されます。
そして、アミノ酸には体内で合成できるものとできないものがあります
非必須(可決)アミノ酸→11種類。体内で合成できる
必須(非可決)アミノ酸→9種類。体内で合成できないので食品からの摂取が必須
食事をすると、食品たんぱく質がそのまま体内の体たんぱく質に移行するのではなく、いったんアミノ酸に分解してから体内に吸収され、合成したものが体たんぱく質になります。
その際、食品たんぱく質の全てが体たんぱく質に変わるわけではありません。合成するためには、20種類のアミノ酸が十分な量で揃っている必要があります。
体内で合成できない必須(不可欠)アミノ酸が食事から十分な量でバランスよく摂取できなければたんぱく質が作れないので、体たんぱく質の合成の効率は悪くなってしまいます。
つまり、説明文にあるよう「アミノ酸の量とバランスによって、体たんぱく質合成の効率が変わる。」ということになるのです。
「体たんぱく質は18種類のアミノ酸」が誤りです。正しくは「食品たんぱく質は20種類、体たんぱく質も20種類のアミノ酸で構成されている。」です。
たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成される物質です。「食品たんぱく質」「体たんぱく質」ともたんぱく質なので、アミノ酸は必ず20種類ということになります。
「アミノ酸の1つが欠けても影響しない。」が誤りです。正しくは「体たんぱく質は、体内において、非必須(可欠)アミノ酸の1つでも欠けると影響を受ける」です。
非必須アミノ酸は体内で合成できるので、食品から摂取できなくても補えます。
ただ、たんぱく質はアミノ酸が一つでも欠けると合成できないので説明文は正しくありません。
「そのままの形で体内に吸収され」が誤りです。正しくは「食品たんぱく質はアミノ酸に分解されて吸収され、体たんぱく質へと移行する。」です。
たんぱく質はそのままだと分子が大きすぎて体内に吸収されません。小さな分子のアミノ酸に分解されてから体内に吸収されます。
体内でアミノ酸は体たんぱく質になり、分解と合成を繰り返しながら体内のあらゆる場所に存在します。
正解です。食品たんぱく質に含まれる必須(不可欠)アミノ酸の量とバランスによって、体たんぱく質合成の効率が変わります。
体たんぱく質を作るためには20種類のアミノ酸が必要です。
20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できないので、食品たんぱく質から摂取する必要があります。これを必須(不可欠)アミノ酸といいます。
食事によって、摂取できる必須(不可欠)アミノ酸の量や種類が変わると、それによって合成できる体たんぱく質の量も変わってきます。
たとえば、必須(不可欠)アミノ酸が不足すると体たんぱく質合成の効率は悪くなりますし、十分に摂取できていれば体たんぱく質合成の効率が良くなります。
食品に含まれるたんぱく質が体内でどのように変化するのか、理解しておくことが重要となります。たんぱく質とアミノ酸の関係は、是非おさえておきましょう。
正解は「食品たんぱく質は、そのままの形で体内に吸収され、体たんぱく質へと移行する。」です。
不正解です。
食品たんぱく質と体たんぱく質の両方が同じ20種類のアミノ酸で構成されています。
これらのアミノ酸は、体内でタンパク質合成や代謝に使用されます。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
不正解です。
体たんぱく質の合成には、非必須(可欠)アミノ酸の1つが欠けても影響が出る可能性があります。
非必須アミノ酸は体内で合成されるため、通常は食事から摂取する必要がありませんが、合成に必要なアミノ酸が欠けていると、合成過程が妨げられることがあります。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
不正解です。
食品たんぱく質は消化されてアミノ酸に分解され、そのアミノ酸が体内に吸収されます。
吸収されたアミノ酸は、体内で新たなタンパク質合成に利用されたり、既存のタンパク質の修復や再生に使われます。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
正解です。
食品たんぱく質に含まれる必須アミノ酸の量とバランスは、体たんぱく質の合成効率に影響を与えます。
必須アミノ酸が不足している場合、体内で新たなタンパク質を合成する際に制約が生じ、合成効率が低下する可能性があります。
したがって、上記の選択肢は正しいです。
食品たんぱく質と体たんぱく質の違いは、この問題の各選択肢で覚えておくと良いでしょう。
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