調理師の過去問
令和5年度
食品衛生学 問2
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問題
調理師試験 令和5年度 食品衛生学 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
微生物とその増殖条件である酸素に対する必要性の組み合わせとして、正しいものを一つ選びなさい。
- カンピロバクター ――― 好気性菌
- 大腸菌 ―――――――― 微好気性菌
- ボツリヌス菌 ――――― 偏性嫌気性菌
- かび ――――――――― 通性嫌気性菌
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は「ボツリヌス菌 ―偏性嫌気性菌」です。ボツリヌス菌は酸素がない環境で増殖する「偏性嫌気性菌」です。
この問題は、増殖に酸素を必要とする「好気性」と、酸素を必要としない「嫌気性」の種類を知っておくことがポイントとなります。
好気性菌:酸素がある環境で増殖する
微好気性菌:酸素が必要、かつ、酸素が低濃度の環境で増殖する
通性嫌気性菌:酸素があってもなくても増殖する
偏性嫌気性菌:酸素がない環境で増殖する
まず、嫌気性菌ときたら「ボツリヌス菌」が代表的なので、ボツリヌス菌と嫌気性菌の組み合わせが出てきたら、これが正解になる可能性が出てきます。
ほかの3つの正しい組み合わせは、
カンピロバクターは微好気性菌
大腸菌は通性嫌気性菌
かびは好気性菌
であり、設問に出てくる組み合わせは正しくありません。
よって、「ボツリヌス菌 ―偏性嫌気性菌」の組み合わせが正しいということになります。
誤りです。カンピロバクターは「好気性菌」ではなく「微好気性菌」です。
カンピロバクターは酸素がないと生きられないので「好気性」に分類されますが、酸素濃度が高くても増殖できません。酸素が少量ある環境で生きられるという少し特殊な「微好気性細菌」に分類されます。
誤りです。大腸菌は「微好気性菌」ではなく「通性嫌気性菌」です。
正解です。ボツリヌス菌は酸素があると生きられない「偏性嫌気性菌」です。
そのため、真空パックのような無酸素の環境で、ボツリヌス菌による食中毒が起こることがあります。
誤りです。かびは基本的に酸素がないと増殖できない「好気性」の微生物なので、「通性嫌気性菌」には分類されません。
「偏性」「通性」「微好気性」などがまぎらわしいですが、ボツリヌス菌は偏性嫌気性菌、カンピロバクターは微好気性菌、この問題には出ませんでしたが出題されやすい「ウェルシュ菌」もボツリヌス菌と同じ偏性嫌気性菌という点を覚えておくとよいでしょう。
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02
正解は「ボツリヌス菌 ――――― 偏性嫌気性菌」です。
不正解です。
カンピロバクターは微好気性菌です。
酸素が存在する環境でも増殖できますが、酸素濃度が低い環境を好みます。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
不正解です。
大腸菌は好気性菌です。
酸素が豊富な環境で増殖します。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
正解です。
ボツリヌス菌は偏性嫌気性菌であり、酸素のない環境で最もよく増殖します。
ただし、酸素が存在する環境でも増殖することができます。
したがって、上記の選択肢は正しいです。
不正解です。
かびは好気性または通性嫌気性の生物であり、一部の種類は酸素がない環境でも増殖できますが、通性嫌気性菌とは言えません。
したがって、上記の選択肢は誤りです。
微生物の酸素要求性と増殖条件の関係を正確に把握することが重要です。
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03
微生物は食品の発酵や汚水の処理等、人間生活の様々なことを守ってくれています。その増殖には温度、水分、養分、酸素、pH値が影響します。
誤っている為、不正解です。
カンピロバクターは食中毒の原因菌として名を知っている方も多いかもしれないです。微好気性もしくは嫌気性です。
誤っている為、不正解です。
大腸菌は通性嫌気性菌です。酸素存在条件下では好気性呼吸によってATPを生成しますが、酸素非存在下では発酵または嫌気性呼吸に切り替わります。
正しい為、正解です。
ボツリヌス菌ははちみつに含まれる菌で、空気がない環境下で生育する偏性嫌気性菌です。
誤っている為、不正解です。
かびは空気のある環境で繁殖する好気性菌です。
各種の菌がもつ特徴、空気環境の有無を整理し、覚えておきましょう。
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