調理師 過去問
令和5年度
問48 (調理理論 問8)

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問題

調理師試験 令和5年度 問48(調理理論 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

蒸し物に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 煮物に比べて、栄養素の損失が多い。
  • もち米を蒸すときは、水分吸収を促進するために、弱火で長時間蒸す。
  • 湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。
  • 調味は、加熱途中で可能である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は「湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。」です。

 

まだ蒸気が出ていない時に食材を入れても、効率よく蒸すことができません。「蒸す」とは、沸騰させた湯を水蒸気に変え、その水蒸気によって食材を加熱する調理法です。

 

 

▼選択肢の正誤については、以下のとおりです。


×煮物に比べて、栄養素の損失が多い。 →少ない。

 

×もち米を蒸すときは、水分吸収を促進するために、弱火で長時間蒸す。 →強火で蒸す。また、「長時間蒸して水分吸収を促進させる」という必要はない。

 

湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。

 

×調味は、加熱途中で可能である。 → 不可能

 

では、それぞれの選択肢について解説していきます。

選択肢1. 煮物に比べて、栄養素の損失が多い。

誤りです。煮物に比べて、栄養素の損失が少ないです。

 

煮物は煮汁に栄養素が流出するので、栄養素が損失されやすくなっています。

 

一方、蒸し物は食材が煮汁につかっていないので、栄養素や素材の味が保たれます。

 

蒸し物は、煮物に比べて食材の形が崩れにくいというメリットもあります。

選択肢2. もち米を蒸すときは、水分吸収を促進するために、弱火で長時間蒸す。

誤りです。もち米を蒸す際、水分を吸収するために長時間蒸す必要はなく、火加減は強火にして蒸します。時間は料理によります。

選択肢3. 湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。

正解です。湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れます。

 

蒸し物は、蒸し器の湯を沸騰させ、その水蒸気を食材に当てて加熱していく調理法です。蒸気が立っていない時に入れても意味がありません。

 

なお、水蒸気がもつ熱が伝わって食材が温められるのではありません。(←試験に出ることがあります。)食材に触れた水蒸気の「潜熱」の作用によって熱が発生し、食材が加熱されます。

選択肢4. 調味は、加熱途中で可能である。

誤りです。蒸し物は加熱途中に調味できません。

 

蒸す前に調味しておく方法が一般的です。あるいは、蒸してから調味することもあります。

まとめ

蒸し物は実務で経験のある方も多いでしょう。蒸す調理法の仕組み、工程、特性をおさえておけば、迷っても消去法などで解くことができるはずです。

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02

正解は「湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。」です。

選択肢1. 煮物に比べて、栄養素の損失が多い。

不正解です。

 

一般的に、蒸し物は煮物よりも栄養素の損失が少ないとされています。

蒸し物は直接水に触れずに調理されるため、栄養素が水溶性であっても流出しにくい傾向があります。

 

調理方法や具体的な食材によって損失の程度は異なりますので、そこは注意しましょう。

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. もち米を蒸すときは、水分吸収を促進するために、弱火で長時間蒸す。

不正解です。

 

もち米を蒸すときには、強火で20〜30分程度で蒸すことができます。

洗ったもち米を適量の水に30分から1時間程度浸します。時間が足りない場合は長めに浸水させても良いでしょう。長時間浸水させることで、もち米が水分を吸収しやすくなります。
 

また浸水後にお湯でむくのもひとつの手です。

水に浸したもち米を鍋に入れ、湯を沸騰させます。沸騰したら弱火にし、ふたをして約10分間むきます。これにより、もち米の表面が柔らかくなり、水分の浸透が促進されます。

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢3. 湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。

正解です。

 

蒸し物をする際には、湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れるのが一般的です。

湯が沸騰し、蒸気が立つことで十分な熱が確保され、材料が均等に加熱されるためです。

 

また、蒸気が立っている状態で材料を入れることで、早く調理が始まります。

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢4. 調味は、加熱途中で可能である。

不正解です。

 

蒸し料理における調味料追加のタイミングは、加熱途中だけではなく、「蒸す前」「蒸し始めてから」「蒸しおわり」があります。

 

*蒸す前

材料を蒸し器に入れる前に、調味料や香辛料を材料にまぶす、または材料を調味液に浸すことがあります。これにより、調味料が材料に浸透し、風味が染み込みます。

 

*蒸し始めてから

蒸し始めてから調味料を材料に追加する方法もあります。

蒸気の中で材料が加熱される過程で、調味料が均一に混ざり合い、風味を引き出します。

 

*蒸し終わりに

蒸し終わった材料に、仕上げの段階で調味料をかける方法もあります。

蒸し料理の表面に香りや味を付けることができます。

 

どのタイミングが最適かは、料理の種類や調理法、個々の好みによって異なります。

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

蒸し物を調理する際のポイントは、適切な湯の温度や調味のタイミングを把握することです。

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03

正解は、「湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。」です。

選択肢1. 煮物に比べて、栄養素の損失が多い。

不正解です。

 

蒸し物は油や煮汁を使用しないため、栄養分の流出が少なく、

素材本来の味や旨味を引き出せます。

水溶性ビタミンやミネラルなどの栄養素の流出を減らすことができます。

(流出を完全に防げるわけではありません。)

選択肢2. もち米を蒸すときは、水分吸収を促進するために、弱火で長時間蒸す。

不正解です。

 

弱火で蒸すと、

蒸気が充分にまわらず、蒸しムラができやすくなります

また、長時間もち米を蒸すと柔らかくなり過ぎてしまうので、

ハリやコシがなくなってしまいます。

選択肢3. 湯が沸騰し、蒸気が立ってから材料を入れる。

正解です。

 

セイロ内に蒸気が充満し、温度が均一に保たれている状態で調理してください。

低い温度から蒸し始めると材料によって蒸気が冷やされ、

余計な水分を含んでしまったり、型崩れの原因にもなります。

 

 

選択肢4. 調味は、加熱途中で可能である。

不正解です。

 

蒸し物の調味は、主に「蒸す前」「蒸した後」です。

蒸している間はアクを取り除くことができないので、

アクの少ない素材を選ぶことも大切です。

まとめ

蒸し物は、材料や料理の種類によって、調理時間や温度管理が変わります。

どのような料理を作りたいのか、完成をイメージして調理することが大切です。

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