調理師の過去問
令和5年度
調理理論 問10

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

調理師試験 令和5年度 調理理論 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

植物性食品の色に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • とさかのりは、原藻時では緑色だが石灰水を通すと赤色になる。
  • 紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になる。
  • ほうれん草は、酢水でゆでると鮮やかな緑色になる。
  • れんこんは、鉄鍋でゆでると白くなる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は「紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になる。」です。

選択肢1. とさかのりは、原藻時では緑色だが石灰水を通すと赤色になる。

不正解です。

 

とさかのりは原藻時、赤褐色または茶色をしています。

 

また、とさかのりを石灰水に通すと赤色に変化します。

これは、とさかのりが含む特定の色素が、アルカリ性の条件下で赤色に変化するためです。この変化は、日本料理や寿司の飾り付けなどでよく見られます。

 

*とさかのりの色素はフィコシアニンといいます。

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢2. 紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になる。

正解です。

 

紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になります。

紫キャベツに含まれるアントシアニンという色素が酸性条件下で反応し、赤色を呈します。そのため、酢水でゆでることでキャベツの色が鮮やかに変化します。

 

したがって、上記の選択肢は正しいです。

選択肢3. ほうれん草は、酢水でゆでると鮮やかな緑色になる。

不正解です。

 

ほうれん草を酢水で茹でると黄褐色に変色します

ほうれん草の色素であるクロロフィルは酸性で処理するとフェオフィチンというものになります。

 

クロロフィルにはマグネシウムイオンが含まれており、茹で時に酸でマグネシウムがはずれ、水素イオンが入ることでフェオフィチンができます。

 

クロロフィルの性質として、アルカリや塩に強く、酸や熱に弱いです。

ほうれん草などの青菜を茹でる際は、塩を加え茹でた後に冷水で締めるという方法をとると鮮やかな緑色が保たれて良いでしょう。

 

*青菜の色を保つ主な茹で方法

・塩を加える

・茹でた後、冷水または氷水にさらす

・重曹で茹でる

・銅鍋で煮る

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

選択肢4. れんこんは、鉄鍋でゆでると白くなる。

不正解です。

 

れんこんは鉄鍋でゆでると、通常のゆで方よりも黒くなる傾向があります。これは、鉄鍋の鉄分がれんこんに含まれるタンニンなどのポリフェノールと反応して、れんこんの色素を変化させるためです。その結果、れんこんがより黒く見えることがあります。

 

れんこんを白く茹でるには、茹でる際に「塩」「レモン汁」「酢」を入れると良いでしょう。

特に酢やレモン汁は、酸性の条件を作り出し、蓮根の色素を安定させる効果があります。

これらで茹でた後氷水などで急冷すると蓮根の色がより鮮やかに白く見えるので、急冷するのも良い方法です。

 

したがって、上記の選択肢は誤りです。

まとめ

植物性食品の食材の色は、pHや調理方法などの条件によって変化するので、その変化を理解することがポイントになります。

参考になった数59

02

正解は「紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になる。」です。

 

実験などでもおなじみですが、酢のpHが酸性なので反応して赤く変化しているのです

 

これは、紫キャベツに含まれる紫色の色素アントシアニンが、酸性のものに触れると赤色に、アルカリ性のものに触れると青色になる、という現象が起こっています。

 

▼選択肢の正誤については、以下のとおりです。

 

× とさかのりは、原藻時では緑色だが石灰水を通すと赤色になる。

→原藻時は赤色、石灰水を通すと緑色や白色

 

紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になる。

 

× ほうれん草は、酢水でゆでると鮮やかな緑色になる。 →食塩水

 

× れんこんは、鉄鍋でゆでると白くなる。 →黒く

 

では、それぞれの選択肢について解説していきます。

選択肢1. とさかのりは、原藻時では緑色だが石灰水を通すと赤色になる。

誤りです。とさかのりは、原藻時では赤色ですが、石灰水を通すと緑色や白色になります。

 

刺身のツマなどに使われる「とさかのり」はニワトリのトサカのように赤色なので、その名が付けられています。

 

石灰水を通すと緑色になります。また、石灰水に通して脱色させると白色になります。

選択肢2. 紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になる。

正解です。紫キャベツは、酢水でゆでると赤色になります。

 

紫キャベツに含まれる色素のアントシアニンは、pH(ペーハー)が中性で紫色、酸性で赤色、アルカリ性で青色に変化します。

 

酢は酸性なので、酢水でゆでた紫キャベツのアントシアニンが反応して赤色になるのです。

 

逆に、水に重曹を入れてゆでると、重曹がアルカリ性なので青色に変わるでしょう。

選択肢3. ほうれん草は、酢水でゆでると鮮やかな緑色になる。

誤りです。ほうれん草は、食塩水ででゆでたときに鮮やかな緑色になります。

 

ほうれん草などの青菜には、緑色の色素クロロフィル(葉緑素)が含まれています。

 

水に食塩を加えてゆでると、クロロフィルの色があせるのを防ぎ、鮮やかな緑色に仕上げることができます。

 

青菜をゆでるときに酢水は使いません。青菜をゆでるとき水に酢を加えると、クロロフィルが変性して青菜の緑色があせてしまうためです。

選択肢4. れんこんは、鉄鍋でゆでると白くなる。

誤りです。れんこんは、鉄鍋でゆでると黒くなってしまいます。

 

れんこんに含まれるポリフェノールのタンニンやフラボノイドは鉄と結合して褐変する性質があります。

 

そのため、鉄鍋でれんこんをゆでると色が黒くなります。黒くなっても味や品質には問題ありませんが、見た目が悪くなってしまいます。

 

褐変を防ぎ、れんこんを白くゆでるためには、同年度の試験にも出題されていますが、「酢水でれんこんをゆでる」という方法があります。

まとめ

植物性食品の色に関しては同じような問題が出題されやすいので、ポイントをおさえて覚えておきましょう。

参考になった数23